【株式会社クボタ】 クボタが取り組む「最先端のアフターサービス」や「中途採用」についてインタビュー!

関西メーカー専門の転職サイト「タイズ」に求人を掲載している、株式会社クボタ(以下、クボタ)のカスタマーソリューション統括事業部 事業部長 森様にインタビューさせていただきました。
※掲載内容は取材時点(2020年3月)の情報に基づいています。

株式会社クボタ
カスタマーソリューション統括事業部 事業部長 森 秀樹様

1989年入社。入社後はサービス部品の販売営業に従事し、その後はエンジン事業部にて2019年まで産業用エンジンの外販を行う。これまでインドネシア・アメリカ・中国など海外の販売会社で営業・社長職を経験、一貫して営業畑を歩む。

Q:業界におけるアフターマーケットの重要性と特長について、どのようにお考えでしょうか?

弊社はすべてのお客様に製品をご購入いただいてからスクラップになるまで「ダウンタイムゼロ」でご使用頂ける環境提供を目指しています。そのために「サービス部品をタイムリーに供給すること」と「機械の修理を短時間で的確に行うこと」を意識し、ストレスなくクボタの製品をフル活用いただくことで、「効率よく作業を行える価値」を提供しています。このように製品販売後のアフターサービスは、お客様に付加価値を提供・拡充できる非常に重要なものだと考えています。

とくに弊社の製品は、農業機械や建設機械をメインに取り扱っていまして、いわゆる一般消費材製品とは使用される環境が異なり、農作業や建設作業など、滞りなく業務を遂行することが重要な業界で使用されておりますので、「アフターサービスの必要性が高いマーケットである」というのは1つの特長だと思います。

Q:御社は今後アフターサービスをより一層注力していくため今年1月に「カスタマーソリューション統括事業部」を発足されました。具体的にどのようなミッションを持った組織になるのでしょうか?

「カスタマーソリューション統括事業部」は農機や建機、産業エンジン等のサービス部門のグローバル対応やアフターサービスの供給など、製品販売からスクラップになるまでのライフサイクルの中で必要とされる、すべてのアフターケアサービスサポートをプロアクティブにお客様に提供するという大きなミッションを持った組織になります。

例えば、これまでも弊社はIoTを使って製品の稼働状況などをモニターできるような仕組みを一部で提供していましたが、それを今後はカスタマーソリューション統括事業部で拡充していく仕組みをつくっていくことが期待されています。

現在も弊社にはKSAS(※)というIoT技術を活用した営農支援の仕組みがありまして、農家さんがより効率的に農作業を行えるようサポートしております。KSASは、例えば機械の稼働時間をモニターすることによってメンテナンスタイミングをプロアクティブにお客様に通知します。今後はそういった機能を建設機械など他の製品にも拡充していくことを主なミッションにしています。

※「クボタスマートアグリシステム(略称:KSAS)」
クボタが農業機械メーカーの強みを生かして開発した、自社の農業機械と連動・融合するICT(情報通信技術)を利用した新たな営農・サービス支援システム。データを活用したほ場管理や作物および作業の情報提供を通じて、農業経営を見える化し効率的な生産をサポートする。
(参考:KSASについて

―――IoTを使って製品をモニターすることによりプロアクティブにサービスを提供する、そういった世界を目指されるのですね。例えば、アフターサービスの向上を目指す上で、直接農家さんの意見をヒアリングしに行くような場面もあるのでしょうか?

もちろんです。実際に農家さんに会いに行って、どんなお困りごとがあるのかをヒアリングした上で、どのようにシステム化を進めていけるのかを考えていきます。国内農業は、高齢化が進んでいるのと同時に規模の拡大化も進んでいますので、今後はいかに生産性をあげて、より良い農産物を作っていくかが1つのポイントになるかと思います。そういった部分もKSASでサポートしていきたいですね。

Q:アフターサービスの充実は御社のポリシーでもあると伺っております。あらためて、御社がアフターサービスに注力して取り組む理由や背景についてお伺いしたいです。

弊社の事業だけの話ではなく、これは一般的にも言えることだと思うのですが、今は製品そのものの品質や性能だけでグローバル競争を勝ち抜いていくには非常に難しい時代だと感じます。その中で、他社と差別化できる強みが「アフターサービス」、あるいは「製品販売後のユーザーへのソリューション提供」といった付加価値なのだと思います。カスタマーソリューション統括事業部は、その付加価値の提供を強化し、弊社がグローバル競争を勝ち抜くための重要なポジションと自負しております。

―――御社の中でアフターサービス事業を企画推進するというポジションは非常に重要な位置付けなのですね。

 

Q:具体的に御社のアフターサービスはどのような点を重視し、注力されているのでしょうか?

機械は定期的なメンテナンスが必要です。その際、例えば「A社の機械であればすぐに部品が届いて修理できるけど、B社の商品は1週間も待たされる」といった状況だと、当然ユーザーは「B社の製品は二度と買わない」となってしまいますよね。逆にA社のスタンスで仕事を続けていくと顧客満足度は高まりリピートのお客様にも繋がります。どんなに高品質な機械でもメンテナンスの場面は必ずでてきますから、その時いかにストレスフリーでアフターサービスを提供できるかが重要なのです。

特に、在庫の充実には力を入れていまして、例えば10年前の製品の部品でもすぐに供給できる体制づくりを行っています。また、機械の修理に関してはディーラーや小売店などに協力依頼をしておりまして、早く修理ができる体制をつくるために、協力先へ技術指導などのトレーニングを実施しております。

Q:競合他社とのアフターサービスの比較優位性は何でしょうか?

弊社は国内・海外において非常に高いシェアを獲得しておりますので、グローバル規模で高いレベルのサービス提供を行っています。市場稼働台数も他社と比較して多いので、アフターサービスの重要性・必要性が高く、それに伴い対応力があるのは強みの1つであると自負しております。

Q:アフターサービスを企画してからは、どのようなプロセスを経て実際のサービス化に至るのでしょうか?

KSASを例にお話させていただきますと、最初に「どのようなニーズがあるのか」仮説をたてた上で、実態調査のため農家さんにお話を伺いに行きます。次に、モデルとなっていただく農家さんの活動を経過観察しながらKSASの仕組み案を作成していきます。その後は実現するために必要な社内・社外のリソースを確保して、実際のサービス化に踏み切っていくというのが大まかな流れになります。

―――KSASはお客様からどのような反応をもらいますか?

例えば大規模農家だと数百枚単位の田んぼを所有しているのですが、弊社はそれをデジタルマップで管理出来るサービス機能が付加された農業機械を提供することで、農家の生産性向上に寄与しています。お客様からも従来にはなかった製品・サービスだと高い評価をいただいております。

Q:今後のグローバル展開についてお伺いしたいです。

国内と同様、基本的には海外もIoTを活用してデータ集積し、サービス提供を行うことで生産性効率を改善していくといった「フリートマネジメント(※)」が求められている部分だと思います。

また、クボタの製品はトップシェア製品も多く、例えば小型建設機械や小型産業用エンジンなどグローバルに展開していますので、各種製品のグローバルサービスサポートはもちろん必要ですし、今後も拡充していく必要があると考えています。

※フリートマネジメント:IoT技術やビッグデータを活用し、車両の現在地、燃料コスト、走行記録などをデータ化して維持・管理を行う「車両管理」や「運行管理」のこと。

―――海外ではサービス提供の仕方やコミュニケーションの仕方が国内と違ってくるかと思いますが、どのように体制を整えているのでしょうか?

海外は欧米・アジアを中心に、弊社子会社の販売会社があり、さらにその先にディーラーがいます。現在は現地の販売子会社を通じて、ディーラーの育成を行い、販売・サービスのレベルアップに取り組んでいます。

Q:海外志向を持つ若手の中途採用の方でもグローバルに活躍できる環境はあるのでしょうか?

弊社には「トレーニー制度」という1年間海外のクボタの販売会社・製造会社へトレーニーとして海外派遣に行き、若手でも海外経験を積むことができる研修制度があります。この制度は中途採用で入社した社員も利用実績があります。また部門が必要と判断した場合はセブ島での語学研修やオンライン英会話に参加することもできます。

研修以外にも、弊社は国内よりも海外売上比率が高いので、駐在員として派遣される可能性は十分あります。サービス部門へ入社した社員も駐在員として海外派遣されています。

グローバルなフィールドで活躍することができますので、海外に興味がある方には良い環境かと思います。

Q:技術の進化によりIoTを活用したサービスは今後ますます進化していくかと思いますが、どのような世界になると思われますか?

自動車業界でも「コネクテッドカー」が話題になっていますが、同じく農機や建機でも今後はIoT技術をフル活用した新しいサービス・ソリューション提供を行い、さらなる生産性向上を追求していくというのが、今後の流れであり目指していく方向であると考えます。

また、自動運転製品の開発にも取り組んでいまして、現在はプロトタイプという形で実際に人が搭乗して自動で直進する製品も発表しております。

Q:森様はアフターサービスを通して、どのような未来を実現したいと考えますか?

アフターサービスは、「いかに製品販売後のお客様に付加価値を提供できるか」ということに尽きるかと思います。理想は「ダウンタイムゼロ」で常にストレスなく製品を使っていただけるようなサービス提供をすることですので、IoT技術を活用してそこを目指していきたいです。

Q:あらためてアフターサービスという仕事の大変さはどういったところだと思われますか?

「スピード」が求められるという点ですね。お客様の機械を止めるわけにはいかないので、日々、時間との勝負です。

―――反対に、お仕事のやりがいはどういった点でしょうか?

お客様との距離が近い仕事ですので、他の仕事よりも直接お客様から感謝の声を聞いたり、製品のご評価をいただいたりすることが多いです。仕事を頑張った分「おかげで滞りなく作業ができました」「部品がすぐに届いたので機械が止まることがなく助かりました」といったフィードバックが得られるという点はやりがいに感じます。

Q:最後に、これから中途採用でカスタマーソリューションの部署に入社される方にはどのようなキャリアを歩んでほしいと思われますか?

IoTを活用ながら新しいサービスの仕組みを考えていただき、最終的にはアフターサービス事業が収益を上げてさらに伸びていくようなビジネスモデルを作れる人になってほしいです。そのためには、まず「お客様のニーズは何か」ということをリサーチしなければなりません。お客様はエンドユーザーだけではなく、ディーラーや販売子会社など市場に近いところでモノを売っている方達もある意味お客様であり、すべてのお客様のニーズをヒアリングして、どのようなサービスを行うことで付加価値を提供できるか、どのようなビジネスモデルにしていくかを考えていくところが最初のスタートなのかなと思います。

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この記事を書いた人

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タイズマガジン編集部

株式会社タイズ

タイズは、2005年の創業以来、メーカー専門で転職支援を行っている転職エージェントです。15年以上の転職支援実績を元に記事を執筆しております。

受賞歴

  • 関西メーカー専門転職エージェント総合満足度NO.1(ゼネラルリサーチ調べ)
  • リクルートキャリア主催 GOOD AGENT RANKING ユーザー満足度部門入賞
  • パナソニック株式会社様 ベストエージェント賞 受賞

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