企業インタビュー
[ 株式会社クボタ ]
【株式会社クボタ】最先端のIT技術で社内改革を巻き起こす「グローバルICT本部」の業務内容や中途採用についてインタビュー!
関西メーカー専門の転職サイト「タイズ」に求人を掲載している、株式会社クボタ(以下、クボタ)のグローバルICT本部 ICT企画部 企画グループ長 兼 新技術開発グループ長、古谷 嘉三様にインタビューさせていただきました。
※掲載内容は取材時点(2020年3月)の情報に基づいています。
01. グローバルICT本部ICT企画部について
Q:古谷様が所属されている「グローバルICT本部」は、御社がデジタルテクノロジ-の取り組みを推進していくため新しく組織された部署と伺っております。詳しくお聞かせ下さい。
グローバルICT本部は「デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の推進」や「新しい技術の積極的活用」などを目的に2019年4月に発足されました。
今後はクボタに新しい技術を躊躇なく取り入れて行き、データを活用しながらスピード感ある会社運営を目指して行きたいと思っております。また、データ活用によって色々な新しいことができるようになりますので、エンドユーザーに今まで提供できていなかった新しい価値を提供していきたいです。
―――具体的に、現在はどのような取り組みをされているのでしょうか?
1つはグローバルでの基幹システムの刷新です。これは約200億円の大規模プロジェクトでして、Microsoft社のAzureというクラウド プラットフォームを採用して行っています。基幹システムをグローバルでクラウドに統一して、インフラの整備・構築を進めることで生産性向上や事業の高度化を目指します。
また、基幹システムを刷新するだけでは面白くないので、グローバルICT本部と弊社の各事業部、そしてMicrosoft社でAI活用プロジェクト「AI Machine Learning Lab」を立上げ、AI導入にも積極的にチャレンジしています。
Q:グローバルICT本部 ICT企画部の組織構成について、ICT企画部の中でもさらに部署は分かれているのでしょうか?
そうですね。「ICT企画部」というのは、名前の通り”企画”を行う部署でして、そこで企画したものを各事業部に推進していくための「推進第一部」「推進第二部」という部署に分かれます。「推進第一部」は機械事業本部に、「推進第二部」は水環境事業本部にシステム導入を推進していく役割を担っています。ただ、第一部も第二部も完全な実働部隊というわけではありません。データ収集から、販売するための画面作成、日々の業務を推進するためのシステムの作成などの業務も担当します。
―――ICT企画部、推進第一部・二部など組織間の部署異動は多いのでしょうか?
基本的にはこの3つの組織はすべてローテーションで随時動きますし、工場への異動もあります。ただ、基本的にはご本人の希望ですね。「この部署に行きたいです」と希望する人がいて異動になるケースが多いです。
Q: ICT企画部ではどのような企画業務を行うのでしょうか?
最近の事例では、社内でもAIやRPA活用のニーズが高いので、ICT企画部でスキームを作成したり活用事例を発信したりしています。その後「一度プロトタイプを作って実施していこう」という話になったら推進第一部や二部が動いて各事業部に導入していくという流れですね。
Q:グローバルICT企画部と他部署との連携についてお伺いしたいです。KSAS(※)や品質保証部門と連携してデータ運用をされていると伺いましたがどのような状況でしょうか?
そうですね。KSASのチームと連携してコンバインや田植え機などから収集したデータはICT企画部管理の元、プラットフォーム上で活用されています。
また、機械事業本部の品質保証部門との連携についてですが、弊社はお客様から「高品質」という点を評価いただいていると自負しておりますので、現在はさらにデータを使ってより良い製品をつくるために、AIを活用して様々なデータ分析を進めています。
ICT企画部としては、これまで社内にある様々なデータを有効活用できていなかったという反省点を踏まえまして、今後は共通のプラットフォーム「DX」でデータを一元管理してみんなで使えるようにしていくことをコンセプトにしています。現在は徐々にDXプラットフォームにデータを蓄積している最中でして、最終的には2025年完成を目標としています。
※「クボタスマートアグリシステム(略称:KSAS)」
クボタが農業機械メーカーの強みを生かして開発した、自社の農業機械と連動・融合するICT(情報通信技術)を利用した新たな営農・サービス支援システム。データを活用したほ場管理や作物および作業の情報提供を通じて、農業経営を見える化し効率的な生産をサポートする。
(参考:KSASについて)
Q:基幹システムの刷新やAI活用の推進など、御社の中で「ITに力をいれていくぞ」と風向きが変わったきっかけや背景についてお伺いしたいです。
グローバルICT本部は、もともとは「グローバルIT化推進部」という企画本部の中の1つの部門でした。ですので、風向きが大きく変わったきっかけは「グローバルICT本部の設立」です。
また同時に、グローバルICT本部の本部長に副社長(当時の専務)が就任したことも大きかったですね。弊社は歴史ある会社で、まだまだ古い部分もありまして、当時は役員会議に1人100枚くらいの資料が配布されていたのですが、副社長が来てからは100枚の資料はすべてデータ化しiPadで見るよう方針変更されました。その後は他の会議でも紙の配布は極力減らしてiPadでの資料共有が定着していきました。本来、弊社でiPadを数十台購入するとなると、稟議書を作成して、費用対効果の説明をして・・・といった手順を踏まなければいけないため、社内で案が通るのには一定の時間がかかっていたのですが、副社長が来てからは意志決定スピードが上がったと感じます。そういった取り組みから、IT化の流れは加速していきました。
―――IT化推進を行うにあたり、社内から反発の声はなかったのでしょうか?例えば会議で使うiPadの使い方がわからないなど。
「使い方がわからない」といった声をいただくことはよくあります。例えばTV会議の導入1つにしても、慣れていない社員が多いのですぐには浸透しません。ですから、そういう方に向けて「WEB会議のやり方や注意点」をレクチャーする場を設けています。
また、こちらが「WEB会議は業務効率化ができるすごく良いツール」と思っていても相手からすると「なぜ直接対面で挨拶にこないんだ」と失礼に感じる方もいらっしゃいます。こういった価値観の違いもありますので、しっかり説明をしつつICT本部が社内でどんどん推進をしていきます。
あとは、そもそも私たちが一体どんな業務をしているのかがよくわからない社員の方も多いので、日ごろから例えば「マイクロソフトとの戦略的提携」や「5Gの実験について」など、社員のみなさんに興味・関心を惹いていただけるような内容を記事にして公開し、IT化の理解を得られるよう努力しています。
Q:今後の展望やビジネス展開についてお伺いしたいです。
詳しくは弊社が今期中に公開予定の「ビジョン2030」をご覧いただきたいのですが、私個人としては、今から10年後はおそらく「社会貢献」をテーマにビジネス展開をしていくのではないかと考えております。「世界に対してどう貢献できる会社なのか」という視点が重要になっていくと思います。
02. グローバルICT本部 ICT企画部の採用について
Q:御社で活躍できるITエンジニアとはどのような方でしょうか?
SAPのような大規模システムの経験がある方は弊社でご活躍していただけると思います。弊社にはITエンジニアの方が活躍する「新技術開発グループ」「企画グループ」の2つの組織があります。「新技術開発グループ」はAIに関する業務を担当していまして、技術が尖っているエンジニアを採用しています。「企画グループ」はどちらかというと新しい発想力やコミュニケーション能力を重視していますね。
Q:書類選考や採用面接ではどういったところを重視していますか?
まずは書類選考段階で上流の企画経験があるかを見ています。
次に面接ですが、とくに判断基準や決まった質問を用意しているわけではなく、面接全体を見てトータルで判断しているのですが、「事業部門の業務課題を解決したいという思いを持っているか」が1つのポイントになってくるかと思います。何かを企画しようと思うと、まずは現場のヒアリングから始まりますが、弊社の場合は現場ヒアリングに行っても社員の皆さんは忙しくされているので、普通に「何が課題ですか」なんて聞いてもなかなか相手にしてもらえません。そんな中で、「業務を改善するんだ」という強い使命感を持って動いて行けるような方でないと、現場から意見を引き出すことは難しいと思います。
―――社員の皆様は業務改善意識を強くもって社内推進していけるような方が多いのでしょうか?
そうですね。「社内の業務を変えたい」という思いを持っている社員は、同時にお客様に対しても「データを活用してもっと新しいビジネスをつくっていきたい」という思いを持っています。常に「新しい世界をどうやってつくっていくか」ということを考えて仕事をしていますので、逆に言えば「言われた事をただやるだけの人」は弊社で働くのは難しいかと思います。
Q:古谷様もクボタには中途採用でご入社されたとお伺いしました。入社を決められた理由は何だったのでしょうか?
1つは「人が良かったから」です。採用面接で来社したときに、エレベーター内で社員同士が話しているのを見て、好印象を受けました。
また、「ITが遅れている」という課題を抱えていたことが、逆に私にとっては「ITによる業務効率化やインフラ整備」といった自分のやりたいことができる環境でしたので入社を決めました。あとは大阪の企業の中で給与水準が高かったというのも理由の1つですね。
Q:最後に、古谷様はどんな人材に来てほしいですか?
2030年という先を見据えると、「新しい発想ができる方」に是非来ていただきたいです。
今、弊社はIT人材不足が1つの課題です。弊社の想いに共感して一緒に頑張って頂ける方の応募をお待ちしております。