転職の秘訣
内定とは?内々定・採用との違いや入社までの流れを詳しく解説
新しいキャリアへの第一歩として、内定を勝ち取ることは大きな目標です。しかし、内定の意味や目的を正しく理解している人は少ないかもしれません。内定は単なる採用の通知にとどまらず、法的な意義や就職活動の重要な転換点を含むプロセスです。
本記事では、内定の定義と目的、入社までの流れなどを詳しく解説します。
これからのキャリア選択をより確かなものにするために、内定について知っておきたいポイントをわかりやすくまとめました。内定に対する理解を深め、安心して次のステージに進むための準備を整えましょう。
01. 内定とは?
内定とは、企業が求職者に対して採用の意思を伝えることです。正式な発表より前に、採用が確定した状態を指します。
法律上では企業が採用の意思を示し、求職者がそれを受け入れた時点で労働契約が成立したとみなされます。内定は単なる「口約束」ではなく、法的拘束力をともなう契約としての意味合いをもつのが特徴です。
では、なぜ多くの企業が内定制度を採用しているのでしょうか。それは、採用プロセスの効率化や優秀な人材との信頼関係構築など、さまざまな理由があげられます。
内定制度の目的
内定制度の主な目的は、企業と求職者が入社までに必要な準備を整えるための期間を確保することです。内定によって入社時期や入社する人が確定すれば、企業は人材配置や各種手続きを計画的に進められます。
一方、求職者にとっては内定を受けることで転職活動を終了し、退職や入社に向けた準備をはじめられる点が大きなメリットです。また、精神的にも、新しい職場の一員となる自覚や心構えを早い段階でもてるようになるでしょう。
内々定との違い
内々定とは、企業が求職者に対し、内定を出す意向を口頭やメールで伝えることを指します。内定とは異なり、労働契約が成立していない状態のため、法的拘束力はありません。そのため、企業も求職者も比較的簡単に撤回できる点が特徴です。
内々定は、とくに優秀な人材を早期に確保するために用いられることが多く、新卒採用で一般的に使用されます。一方で、転職の場合は選考から入社までの期間が短いため、内々定を出す企業はほとんどありません。
採用との違い
採用とは、企業が求職者に採用の意思を伝えることです。内々定と同様に労働契約は成立しておらず、企業側の一方的な意思表示にとどまります。
企業と求職者で双方の合意を得ている状態の内定とは異なり、企業が求職者に合格の旨を伝えただけの状態です。ただ、採用と内定を厳密に区別していない企業も多いため、採用を伝えられた際には自身の意思も伝えておきましょう。
02. 内定通知書とは
内定通知書とは、選考に合格したすべての求職者に内定を通知する書類です。労働契約の締結を証明するためのもので、法的効力のある書類が送られてきます。
内定通知書に記載されている主な内容は、以下の通りです。
- 内定の旨
- 入社予定日
- 雇用条件
- 内定取り消しに関する事項
- 問合せ先
ただし、内定通知書の発行は義務ではありません。一部の企業では書類ではなく、口頭やメールで内定を伝えるケースがあることを覚えておきましょう。
内定通知書と採用通知書の違い
採用通知書とは、企業が面接の合否を知らせるための書類です。一般的には、採用通知書で選考結果が通知され、求職者の入社意思を確認したあと正式な内定通知書が発行されます。
なお、採用通知書に法的効力はありません。労働契約は成立しておらず、あくまで選考結果を伝える目的で用いられます。最終選考からおよそ1週間以内に、メールまたは書面で送られるのが一般的です。
03. 内定から入社までの流れ【6ステップ】
内定から入社までのステップは、以下の6つです。
- 採用結果の連絡が届く
- 内定通知書や関連書類が送付される
- 内定承諾書を提出する
- 内定式に参加する
- 退職の手続きをする
- 入社する
ひとつずつ解説していきます。
内定から入社までの流れは以下の記事でも詳しく解説しているので、こちらもあわせてチェックしてみてください。
採用結果の連絡が届く
最終選考に合格すると、採用または内定の連絡が届きます。採用通知を受け取ったら、企業に対して承諾する旨を伝えましょう。
採用通知はメールや電話で伝えられることも多く、電話の場合は万が一のトラブルに備えて書面にしてもらうよう依頼するのがベターです。ほかにも、内定のお礼メールを送って記録として残すのも有用でしょう。
内定通知書や関連書類が送付される
入社する旨を伝えたあと、内定通知書や関連書類が送付されます。配属部署や労働条件などが記載されているので、内容にしっかり目を通しましょう。
内定承諾書が受領されることで、雇用契約が成立します。不明点があればしっかりと把握し、入社日や給与など必要に応じて条件の相談をしましょう。
内定承諾書を提出する
内容に相違がなければ内定承諾書にサインをし、お礼状を添えて返送します。内定のお礼状では、「拝啓」などの頭語からはじめ、「敬具」といった結語で締めくくるのがマナーです。あくまでお礼を伝えるための書面なので、抱負は簡潔に述べるようにしましょう。
また、トラブル防止のために書面をコピーしておくのもおすすめです。送付は期限ギリギリにならないよう余裕をもって提出します。企業によっては内定承諾書の提出がない場合もあるので、気になる方はあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
内定承諾書の添え状の書き方については以下の記事で解説しています。書き方に困った方は、ぜひ参考にしてみてください。
そのまま使える!内定承諾書の添え状<無料ダウンロード>と郵送方法
また、内定承諾書の日付については以下の記事で解説しているので、こちらもあわせて確認しておきましょう。
内定承諾書の日付について『書類を記入した日?』『西暦で書く?』
内定式に参加する
内定式とは、内定者に正式に内定を伝えるためにおこなわれる式典です。主に新卒採用での内定者を対象におこなわれており、採用内定書の授与や交流会が開催されます。
内定式の開催は必須ではないため、内定式ではなく内定者向け説明会としておこなう企業も多い傾向です。企業によっては懇親会を兼ねていることもあるため、自己紹介や入社後のビジョンなどをあらかじめ考えておくとよいでしょう。
退職の手続きをする
入社日が決定したら、現在勤めている会社の退職手続きをおこないます。一般的に1〜3ヵ月前に退職の意思を伝え、退職届を提出するのがマナーです。
また、退職手続きでは以下の項目も進めておきましょう。
- 業務の引き継ぎ
- 取引先への挨拶
- 返却物の確認
- 健康保険や年金の手続き など
退職日から逆算して余裕のあるスケジュールを立てておくと、慌てずに準備できます。
スムーズに退職するためのノウハウについては以下の記事で解説しているので、こちらもチェックしておきましょう。
引きとめられずに退職するための交渉ノウハウ『揉めない退職理由と方法』
入社する
入社日を迎えると、初出勤となります。初出社日は集合時間の30分前に到着しておき、トイレや身だしなみチェックを済ませておきましょう。初日は挨拶回りをすることが多いため、自己紹介を考え、メモ帳と筆記用具を用意しておきます。
社会保険や雇用保険の手続きに関して、通常は入社後におこなわれます。必要な書類は事前に確認し、早めに準備しておくと安心です。手続きに関する不明点や疑問があれば、入社前に採用担当者へ相談しておきましょう。
入社準備については以下の記事で解説しているので、こちらを参考にしてみてください。
04. 内定取り消しとは
内定取り消しとは、企業が採用内定を出したあとに、内定を撤回することを指します。経済状況の変化や企業側の経営悪化など、取り消しになる理由はさまざまです。
ただし、内定取り消しには企業が合理的な理由を示し、それを内定者に適切に説明する必要があります。また、法律上、内定は労働契約の成立とみなされ、不当な取り消しは損害賠償請求の対象となる可能性があるでしょう。
内定取り消しが認められるケース
内定取り消しが認められるのは、法律や判例上、企業が正当な理由を示した場合のみです。具体的には以下のようなケースが該当します。
- 内定者側の重大な問題
- 企業側の不可抗力的な事情
内定者側の問題とは、履歴書や面接での虚偽申告や、学歴や職歴の詐称などです。重大な問題があったと判断された場合に、内定が取り消されます。
企業側の事情では、経営破綻や大規模な業績悪化などです。予測不能な事態が発生し、やむを得ず採用を中止する必要が生じた場合に認められるでしょう。
05. 内定を辞退するときの3つの注意点
万が一、内定を辞退する場合に注意すべきポイントは、主に以下の3つです。
- 速やかに電話で辞退を伝える
- 内定の保留はなるべく早く相談する
- 内定承諾後に辞退するとリスクが伴う
ポイントを把握し、企業に迷惑をかけることなく内定を辞退しましょう。
速やかに電話で辞退を伝える
内定を辞退する際は、速やかに電話で辞退の意思を伝えることが重要です。企業は内定者を前提に採用計画や業務調整をおこなっているため、辞退の連絡が遅れると迷惑をかける可能性があります。
内定辞退の連絡は、電話で直接伝えるのがベストです。電話は企業からの質問や確認事項にもその場で答えられるため、スムーズなコミュニケーションが図れます。
また、連絡を入れる際は採用担当者への連絡を基本とし、感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。迅速かつ誠実な対応は、将来的に良好な関係を築く一助となります。
内定の保留はなるべく早く相談する
内定の保留を希望する場合も、なるべく早く企業に相談しましょう。企業は内定者の採用を前提に計画を立てているため、連絡が遅れると信頼を損ねる可能性があります。
内定保留の相談をする際は、正直かつ丁寧に理由を伝えることが大切です。たとえば、他社選考が進行中の場合や、家族への相談が必要であることを具体的に説明すると誠意が伝わりやすくなります。
さらに、保留期間や回答期限について具体的に提案し、企業と合意を得ることで誤解やトラブルを防げるでしょう。早めの相談と誠実な対応は、企業との信頼関係を保ちつつ、冷静に判断するための重要なステップとなります。
内定承諾後に辞退するとリスクが伴う
内定承諾後の辞退は可能であるものの、一定のリスクがともなうことを覚えておきましょう。辞退によって企業に多大な迷惑をかけるだけでなく、業界内での評判に影響を与える可能性も考えられます。
とくに、同業界での転職では将来的な関係に影響することがあるため、慎重な対応が必要です。内定辞退をする場合は早めに連絡をし、感謝と謝罪の気持ちをしっかり伝えることがトラブル回避と円満な対応のカギになります。
内定承諾後の辞退で起こるリスクについては以下の記事で解説しているので、こちらもあわせて確認しておきましょう。
06. 転職エージェントなら内定後のフォローも充実
転職エージェントなら内定後のフォローも充実しているため、安心して転職活動を進められるでしょう。内定承諾や入社日の調整など、退職や入社後まで長期的なサポートが可能です。企業との直接的な交渉にも、転職エージェントが間に入って対応してくれます。
ほかにも、入社前の不安や疑問に対する相談やフォローアップなど、新しい環境にスムーズに適応するための支援も受けられます。
とくに、はじめての転職や交渉に不安がある人にとって、転職エージェントは頼りになる存在です。内定後も充実したサポートを受けたい場合は、ぜひ転職エージェントの利用を検討してみてください。
実際にタイズで転職された方は、転職エージェントの手厚いサポートによって転職がスムーズに進んだことを実感しています。詳しい内容を知りたい方は、以下の口コミをチェックしてみましょう。
はじめての転職で分からないことが多く不安もございましたが、面接対策から内定後の対応まで手厚くサポートいただけたので、とても心強かったです。悩んだり、迷ったりしたこともありましたが、山内さんのアドバイスのおかげで、最終的に転職を決意することができました。本当にありがとうございました。
転職エージェントでは内定から入社後まで長期的なサポートをしています。以下の記事では、タイズでの具体的な転職支援サービスの流れを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
タイズはメーカー専門の転職エージェントです。大手・中堅のメーカーを中心にご紹介しており、メーカーへのご支援歴は約20年、転職支援実績No.1などの実績も多数あります。豊富な実績から、企業や転職市況に関する情報も多数保有しています。効率的にミスマッチのない転職を実現したい方はぜひご相談ください。
07. 内定への理解を深め、転職活動の基礎を固めよう
「内定」は、転職活動や就職における重要なステップです。内定制度の目的や採用との違い、内定取り消しのリスクに対する不安や疑問を解消し、次のキャリアステップを安心して進めていきましょう。
内定後の流れが不安な方や、退職がスムーズにいくか心配な方は、転職エージェントを利用するのもおすすめです。
タイズでは、求人紹介から内定後のフォローまで、転職活動の各ステップで手厚いサポートを提供しています。退職に関する相談やアドバイスもおこなっていますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。