関西メーカー専門の転職・求人サイト「タイズ」

2019.09.03話下手で面接に自信が無い方へ「面接では話が上手な人が通りやすいのか」

今回は「話下手なので面接が嫌い」「転職活動中だが、口下手なので面接官に良い印象を抱かれないと思う」といった不安や悩みを抱えている方に向けて「面接では話が上手な人が通りやすいのか」をお題に解説したいと思います。

<細井智彦> 細井智彦事務所代表 転職コンサルタント 大手人材紹介会社にて20年以上転職相談や模擬面接などの面接指導に取り組む。企画し立ち上げた面接力向上セミナーは12万名以上が受講する人気セミナーとして現在も実施中。採用企業の面接官向けにも研修・講義を開発し、人事担当から経営者まで、360社、面接官4000人以上にアドバイスをしている。2016年3月に独立し、フリーな立場から、引き続き個人と企業の面接での機会創出に取り組んでいる。著書『転職面接必勝法(講談社)』ほか多数

話が下手な人と上手い人、どちらを採用する?

さて、みなさんは、話下手だと面接で不利になると思われますか?私の答えは「そうともいえるが・・・・・」です。ではもし、「話が下手な人と上手い人ならどちらの人を採用しますか?」と聞かれたらどうでしょうか。
まったく横並びでどちらか選ぶなら、あえて下手な人を採用する理由は思い当たらず、上手な人を選ぶ人が多いと思います。

ただ、これには例外があります。

もし任せたい仕事が、「全然人と話すことができない仕事」の場合、話好きで上手な人は、「仕事がつまらなくて3日もたなさそう」、逆に「寡黙でコツコツとやってくれそう」と感じるなら話の下手な人のほうを積極的に採用する可能性は充分あります。

話し上手な人が面接官に与えるマイナス印象とは

採用面接イメージ画像

話が上手い人のほうが面接に通りやすい、ということが真実だとしても、なんか文句をつけたくなりませんか?
例えば、初対面の人間からなにかを説明されたり、売り込まれるとき、話がとても上手だと、どんな気持ちになりますか?なんか、うまい話には罠があるって感じで警戒しませんか?

私は、自分でいうのもなんですが、話しは上手いほうです。関西弁で流暢に話します。
しかし以前、「関西弁で饒舌に説明されると、うまくまるめこまれてしまいそうでコワイと警戒されてしまうので気を遣う」と福岡や名古屋に転勤した友人たちからよく悩みを聞かされました。

結論、話が上手くなればなるほど、ある種の胡散臭さが生じます。

面接官は本音を知りたがっている

これは面接場面でも同様です。
面接官は、面接した人が話し上手だった場合どのように感じると思いますか?「すごくいいね、採用したくなった」と前向きになるでしょうか?

答えは否、「不安」になるのです。例えば「話は上手ではないけど信頼できる人」と、「話は上手いけど信頼できない人」ではどちらが一緒に仕事をしたいと思われますか?
面接官は、用意周到に準備してプレゼンする候補者に、騙されて裏切られる思いをしたくないので

  • 「候補者の本音を引き出すこと」
  • 「面接上手な人の本質を見抜くこと」

に注力します。実際、「面接上手な人ばかりで本音が見えない」という声の多いこと多いこと。

だから、やみくもに、結論から言いましょう!というスタイルだけ真似して「理由は3つあります!」なんて話し始めても中身が、模範的な想定問答を暗記して、それをひたすら再生するような準備は決してお薦めしません。

最近飲食店で、お刺身や料理を頼んだら「勝浦の本マグロを4日間寝かせました」とか、「滋賀の棚田で育ったお米を土鍋で炊き上げたごはんです」といった産地やストーリーを説明してくれることがありますが、どうみても自分で食べたこともなさそうで、間違わないように一生懸命説明されると痛々しく見えます。

あんな感じにはならないようにして欲しいと、世の面接官は切に願っているのです。

結論:話が上手な人は下手な人よりも面接に通りやすいのか

さて、そろそろ結論を出さなければなりません。話が上手な人は下手な人よりも面接に通りやすいといえますが「話が上手だから」という採用理由は見たことがありません。
逆に言えば「話が下手だから」という不採用理由もみたことはありません。

面接の準備で大事なこと

面接の準備で大事なことは、不採用理由をなくし、採用理由を生み出すことです。
面接もビジネスコミュニケーションの場のひとつです。面接は一緒に仕事をする仲間探しのために行われます。
つまり、仕事で求められるコミュニケーションの再現が面接でも求められるわけです。

鍛えるべきは「話す力」ではなく「伝える力」

せっかくなので、ビジネス場面で話すということと、それが上手いということの意味について掘り下げておきましょう。
相手を動かすコミュニケーションで必要なことを表す言葉は、次のうちのどれでしょう。

  • 話す
  • 説明する
  • 説得する
  • 解説する
  • 答える
  • 応える
  • 伝える
  • 伝わる

仕事で求められるコミュニケーションは「伝える、伝わる、そして伝わることで相手を動かすこと」です。
話すだけで伝わっていないと、それはなんの意味もありません。

ビジネスで求められる「話す力」とは

物理の世界では、仕事=動かす力×動いた量、で働かなければ仕事量はゼロです。
例えば、ビジネスで相手に動いてもらうためになにかを話したとして、上手くいかなかったとします。
相手からは「なんのこと?」と聞かれて「3日前に話しておきましたよ」と報告して済ませてしまうことはとても恥ずかしいことです。話しても相手にきちんと伝わっているとは限らないからです。
きちんと相手に「◯日にここまでやっていただくということで、よろしいでしょうか。」と確認をしておかないと仕事になっていませんよね。

面接もこれと同じです。
ですから、鍛えるべきは「伝える力」であって「話す力」ではないのです。

面接で聞かれることはだいだい同じようなことなので、伝えたいこともある程度整理できます。そこで大事なことは、上手に説明しようとすることではなく、なにを分かってもらいたいか、をしっかり胸に置いて伝えたいという気持ちを込めて話せることを目指すことです。
だから、台本をつくることは悪いことではないのですが、それを暗記するのではなく自分が伝えようとする気持ちで話せているかを自問しながら何度も何度も話してみて繰り返し自分のことばにしていくことが、面接準備で必要なことなのです。

ポイント

饒舌になろうとするのではなく
なにを伝えたいのかを考え抜いて、それを伝える。

饒舌な人は、そうでない人より得ですが、懐疑的になられやすいので、説明・説得ではなく、思いを込めて理解いただきたいという気持ちを持って話すことを心がけてください。
話が苦手・寡黙なタイプでも大丈夫です。ただ、聞かれたことに対し的確なことを言葉にして伝えることは、仕事では求められます。
伝えたいことが伝わらないと、通るものも通らなくなることがあるからです。

ここまで、いろいろ書いてきましたが、面接で目指すべき「話しが上手な人」のイメージは、饒舌な人ではありません。「伝わってくる人」なのです。
話しが下手だ、という人は饒舌になることを目指してもあまり意味はありません。やることは自分の伝えたいことを、まずはしっかりことばにして、それを何度も何度も話して、それが自分の伝えたいことか、常に自問しながら練習してみてください。

そのために、だれかに聞いてもらうことを強くお薦めします。家族、友人、転職エージェントの担当者など。特に転職エージェントは企業の人事目線でチェックしますので、タイズを利用されている方はぜひ担当者に模擬面接をしてもらってください。