2020.01.15【連載企画】転職活動にともなう10の不安との付き合い方 第4回

カテゴリ:専門家コラム

さて、今回の記事は連載企画「転職活動にともなう10の不安との付き合い方」の第4回となります。


<細井智彦> 細井智彦事務所代表 転職コンサルタント 大手人材紹介会社にて20年以上転職相談や模擬面接などの面接指導に取り組む。企画し立ち上げた面接力向上セミナーは12万名以上が受講する人気セミナーとして現在も実施中。採用企業の面接官向けにも研修・講義を開発し、人事担当から経営者まで、360社、面接官4000人以上にアドバイスをしている。2016年3月に独立し、フリーな立場から、引き続き個人と企業の面接での機会創出に取り組んでいる。著書『転職面接必勝法(講談社)』ほか多数

転職活動にともなう以下の10の不安との付き合い方(詳しくは第1回の記事をご覧ください)について、今回は6番と7番について書きました。

転職活動にともなう10の不安

  1. 騙される不安
    「聞いていた話と違った」(仕事内容/教育体制/設備/残業・休日/反社会/倒産危険 など)
  2. 居場所があるか不安
    「周りの人が受け入れてくれるか」「馴染むことができるか」
  3. 不適合不安
    「価値観や方針がなじめるか」「社長のキャラクターが合わない」
  4. いじめ・ハラスメント不安
    「セクハラ」「パワハラ」の可能性に対する不安
  5. 通用するか不安
    「自分の経験・能力でついていけるか」不安
  6. メンタル不全になる不安
    「孤独な転職活動」「書類・面接での不採用つづき」など
  7. 他にないか不安
    「スカウトメールですぐに内定したけど本当にこの企業でいいのか」「他にもっと良い企業があるのではないか」
  8. 合意してもらえるか、退職交渉不安
    「退職交渉への不安」「家族の合意が得られるか不安」
  9. 背徳不安
    「お世話になった上司や会社に隠しながらの活動」「現職の競合会社への転職」
  10. モラル低下不安
    「やる気がなくゆるすぎる職場」「危機感ない組織・メンバー」

これらに共通しているのは、「話と違った」「想像と違った」「騙されたらどうしよう」など「もし思っていた状況と違い、悪かったらどうしよう」という類の、失敗を恐れることで生まれてくる不安です。

6メンタル不全になる不安 孤独な活動 書類・面接での不採用

メンタル不全になる不安 孤独な活動 書類・面接での不採用

現職には知られずに活動を進めることがまだまだ多かったり、家族の反対を心配してなかなか打ち明けられないまま進めることも少なくない転職活動では自分と向き合い続ける孤独な戦いになりがちです。特に書類選考や面接で不採用がちょっと続いたりすると、こんなにうまくいかないのは世界中で自分だけかもしれない、という気持ちになってしまうこともあります。

自分だけじゃない、ということを実感できる場に行く

そんな方にお勧めなのは「自分だけじゃない」と実感できる場をつくること。そのために、まずエージェントと話してみてください。あとセミナーや説明会などの転職イベントに行かれることも強くお勧めします。エージェントのアドバイザーは機能的には求人紹介やアドバイスをする人ですが、実際はそれだけではありません。励ます人であり、時としては叱咤して背中を押す人でもあります。

あと説明会や転職ノウハウのセミナーへの参加もおすすめです。なにがいいか、といえば、そこに仲間がいることがはっきりと分かるから、です。セミナーやっていると終了後に寄ってこられて、「こんなにたくさんの人たちが熱心に聞いているのを見て、自分だけじゃないと思えてやる気が湧いてきた」というコメントを時々いただくことがあって、私自身も気づいたことです。

不採用になることによる凹みとの向き合い方

あともうひとつ。不採用になることによる凹みとの向き合い方。単純に諦めずに前向きに、とか周りの人も同じように不採用になっていると上には上が作戦で自分を慰めるとかいろいろあるかと思いますが、無理に前向きに!と思おうとしてもなかなかうまくいきません。

凹む自分を嫌悪することは健全ではないと思います。不採用になると凹む、というのはごく自然なこと。ポイントは凹み方、なんについて凹むか、です。不採用=落とされた=使えない人=だめな人みたいな構造にとらえてしまうことが無駄なのです。

不採用になっても落ちてはいない

悪いから不採用にすることはほとんどありません。よく不採用にされたときに「落とされた」という言葉が用いられますが、落ちたというよりは、通過した人が選ばれただけの話で、別にどこかに落ちていってしまったわけではないのです。そして、選ばれるかどうかを分けているのは、学力の高さ、のような高いか低いか、というものではなくその仕事や会社との接点がありそうに見えたということなだけ、だからです。世の中には「頭が良すぎそうだから不採用」という理由も存在するのです。だから不採用になったからといって無駄に凹むことにエネルギーを使うのはもったいないのでやめましょう。そのエネルギーを接点の発掘のために使ってください。

7他にないか不安 スカウトメールですぐ内定したけど・・・

他にないか不安 スカウトメールですぐ内定したけど・・・

選考にも時短の流れ

最近の採用活動の傾向のひとつとして、できるだけ候補者の転職活動初期の段階でリーチし、リードタイム、すなわち選考期間を短くするという動きがあります。例えば前者はスカウトメールでのアプローチや夜や休日に実施される相談会、後者は選考・面接者が海外出張に出てしまってもSkypeで進める、2回に分けてた面接を一回で済ませる、というような取り組みを行っています。

だからちょっと興味が湧いて軽い気持ちで単願で応募してしまうと、トントン拍子に一気に内定まで進むこともあります。さらに、採用する側も優秀な人なら逃したくないので内定を出したら決断を迫りがちです。

さてさてこんな状況のなかで決断できるようにするにはどうすればよいか。これは正直なかなか難しいと思います。

「納得してから入社したい!」

とか

「気になる他社も受けてみてから決断したい!」

と言えればよいのですが、企業も待ったあげく辞退されることは好まないので、内定は出さずいったん保留にされてしまい、その間に応募してきた他の候補者に椅子を奪われることもあり得ます。

企業研究を進めて日頃から目利きになっておく

ではどうしようもないか、といえばやりようはあります。それは、できるだけ早いうちから企業や相場の状況を把握し、目利きになって相場観を鍛えておくしかありません。中古車やオークションでいい物件をGETするのと同じ。日頃から情報収集をしておくことにつきます。このコラムを読んだらすぐ企業研究をスタートさせバーチャル転職をしてみて自分との接点を探っておきましょう。

コツは、まずは適当でもよいのでできるだけバラエティに富んだ様々な会社をピックアップして当てはめてみて、フィット感を感じておくことです。そしていざ内定が出たら最後は、ビビっとくるかどうか、言い換えれば勢いがもてるか、だと思います。「これで失敗したなら仕方がない」と割り切れる勢い。これは結婚を決めるときとおんなじだ、と個人的に思っております。

 

さて、次回はいよいよ最終回!8~9番目の転職における不安について書きます。

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