誰も書いていない転職ノウハウ(その4)―面接官が評価する、企業の「風土」や「人」についての質問方法

<細井智彦> 細井智彦事務所代表 転職コンサルタント 大手人材紹介会社にて20年以上転職相談や模擬面接などの面接指導に取り組む。企画し立ち上げた面接力向上セミナーは12万名以上が受講する人気セミナーとして現在も実施中。採用企業の面接官向けにも研修・講義を開発し、人事担当から経営者まで、260社、面接官3000人以上にアドバイスをしている。2016年3月に独立し、フリーな立場から、引き続き個人と企業の面接での機会創出に取り組んでいる。著書『転職面接必勝法(講談社)』ほか多数


前回までのコラムで、「働き心地」について要素分解を行ってきました。ここまで読んで、そりゃ会社を面接できたら聞けるけど、実際にこんなこと面接で聞くと印象悪くなりそうでコワイ。とても聞けないよ、という声が聞こえてきそうです。いまの時代、面接は選ぶだけでなく相手も選ぶ時代である、ということは採用する企業側も頭ではわかっています。しかしながら実際は目の前の候補者が選ぼうと上記のような質問をぶちかますとちょっと戸惑う、未だ採るか否かの質問の権利は面接する側にあると思っている面接官のほうが多数派なのが現状です。なんともはがゆく、自分としてもなんとかしたいと思っているのですが、なかなか力及ばず現実はあまり変わっていないようです。

■目次

1.質問上手になれば面接の評価もアップできる
2.「いい問いかけ」は面接の空気を変えることもできる
3.いい質問 いい問いかけのコツ
-面接官が評価する質問の特徴
-面接官をがっかりさせる質問の特徴
4.本気を感じさせる確認型の質問Before/After

 

質問上手になれば面接の評価もアップできる

こんな現状だから聞きたいことはわかっても聞くことができない、と諦めなければならないのか、といえばそうでもありません。ただ、面接時に候補者側から質問を投げる際には、工夫が必要です。質問の仕方によっては、評価を下げてしまうことがあるからです。一方で、相手が本気を感じて「意欲がある」と印象をよくすることも可能です。

「いい問いかけ」は面接の空気を変えることもできる

メーカーでの面接では、面接官がシャイで無口で対話が盛り上がりにくい、という状況になることがあります。特に研究部門での面接だと研究者同士のときによく起こりがちな、メーカー面接あるある、のひとつとも言えます。こういった状況になりそうなとき「候補者からの問いかけ」がきっかけとなり面接の空気が活性化し、いい雰囲気になることがあります。

こんな話もあります。5回以上転職しているのに面接に臨むとなぜか内定が出る知人がいたので、どんな面接をしているのか聞いたところ、どの面接でも、とてもいい質問をしていたことがわかりました。それはどんな質問かというと、「◯◯が▲▲だと☓☓なことも多いと思っていたほうがいいですか?」というような聞き方です。例えば、クルマの自動運転化にともなう通信系ソフトの開発だと、高いセキュリティレベルの実現に向けて、自分がどう関われそうかを確認すると、俄然話が盛り上がりはじめる、というような感じです。

あと、面接でこの人はいい、と思われるような印象を与える人は意外にも、ずけずけと突っ込んだ質問をされることがあります。例えば「私にどんなことを期待されていますか」とか「どんなことを任せたいとお考えですか」みたいな質問をサラッとしたりします。うかつに聞いたら「どんなことが期待されていると思いますか」「どうなりたいのですか」とムキになって逆質問されるので控えましょう、とアドバイスするエージェントもいるかと思いますが、印象のいい人がこういった質問をすると嫌味なく受け止められ、その後の流れがとてもいい雰囲気になります。

それはなぜか。それも「(あらかじめ想像して)自分なりの意見をもっているから」です。具体的にいうと「自分はこうであってほしいという考えをあらかじめもっているが、自分が期待にどこまで応えられそうかをその場で考え答えられるので堂々としている」という点です。いわば、請負人のような立場で、この仕事を受けられるかの打ち合わせの場のような感覚で臨んでくるイメージです。逆に同じことを聞いてもあまり迫力がない人は、自分が選ぶために知っておきたい事前情報のヒアリングみたいにみえてしまい、よくいえば謙虚、悪く言えば堂々としておらずおっかなびっくりで聞いてくるような印象です。そして堂々と質問できるようにするために必要なことが事前に企業研究をして「仮説のボール」を用意しておくことです。最後に、いい質問とがっかりさせる質問のなにが違うのか、質問例とともにまとめてみました。仮説のボールを用意して、面接で本気度を示しながらいい質問ができるようになりましょう。

いい質問 いい問いかけのコツ

それは本気を感じさせる=仕事のイメージのため足りないピースを確認ように聞くことです。

面接官が評価する質問の特徴

・「権利」ではなく「義務」を聞く
・下調べをして、仮説のボール(確認事項)を用意している
・予想と実際のギャップを確認するように聞く
・仕事の「5W1H」を掘り下げてくる
・客観的な「事実情報」と面接官の「主観」を分けて確認してくる

面接官をがっかりさせる質問の特徴

・趣旨や目的がわからない、興味本位で聞いているように思われる
・丸投げ
・質問のフリをしたPRの意図が見え見え

本気を感じさせる確認型の質問Before/After 一例をご紹介します。

「残業の実態について具体的に教えていただけますでしょうか。」

「私の配属される仕事では、残業は概ね月どのくらいあると思っておけばよろしいでしょうか」

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この記事を書いた人

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細井 智彦

細井智彦事務所代表
転職コンサルタント

大手人材紹介会社にて20年以上転職相談や模擬面接などの面接指導に取り組む。
・12万名以上が受講する面接力向上セミナーを立ち上げる
・採用企業の面接官向け研修・講義を開発、これまで人事担当から経営者まで350社、面接官3000人以上にアドバイスを実施。
現在は独立し、フリーな立場から、引き続き個人と企業の面接での機会創出に取り組んでいる。
著書『転職面接必勝法(講談社)』ほか多数