自分の強みを見つけるコツ4「思いつく不満や短所を裏返す」

<細井智彦> 細井智彦事務所代表 転職コンサルタント

大手人材紹介会社にて20年以上転職相談や模擬面接などの面接指導に取り組む。企画し立ち上げた面接力向上セミナーは12万名以上が受講する人気セミナーとして現在も実施中。採用企業の面接官向けにも研修・講義を開発し、人事担当から経営者まで、260社、面接官3000人以上にアドバイスをしている。2016年3月に独立し、フリーな立場から、引き続き個人と企業の面接での機会創出に取り組んでいる。著書『転職面接必勝法(講談社)』ほか多数

自分の強みを見つけるコツ4「思いつく不満や短所を裏返す」

<強みを見つける5つの方法>
1)自分の仕事の求人票を書いてみる
2)時間の物差しで成長点を見つける
3)見本帳から選ぶ
4)思いつく不満や短所を裏返す
5)人に聞く

自分の強みをみつけるコツ、今回は「思いつく不満や短所を裏返す」です。

転職の相談を受けていると「面接で『短所』について聞かれたらなにを答えればよいでしょうか?」と聞かれることがあります。

こういうとき、一番無難なアドバイスは「短所は長所を裏替えしておけばよい」というものです。だれとでも気さくに話ができる社交性が長所だとしたら、短所は「つい自分のことばかり話しがちなので、相手の話しを聞くことを意識しておかないといけないと思ってます。」という感じです。 実際には、いきなりこうやって作り込むのではなく「まずご自分の自覚している短所を吐き出してみて、それぞれが応募する仕事にどこまで影響を与えそうか」を考えてみることからはじめてみてくださいね。

「裏返す」視点の大切さ。「あと半分しかない」と「まだ半分ある」

大好きなスイーツを半分ほど食べたときに、ああ残念あと半分しか食べられない、と思うのか、ラッキーまだ半分も楽しめる、と思うのかで人生の過ごし方は変わります、という昔よくポジティブシンキングと言われていた考え方はすでに巷に広まっていますね。私が一番最初に聞いたのは、いまから40年以上前の小学生のときで、亡くなった経済評論家の竹村健一さんがテレビで話したのを聞いて、あっ!と思ったことをいまでも強烈に覚えてます。「目の前の事実は変えられないが、感じ方、捉え方は変えられる。」大事なのは事実ではなく、捉え方、という考え方です。
この「裏返す」視点をもつと不満や短所も活かせる強みになることもあります。 早速「不満」を裏返してみましょう。

「愚痴」は「武器」になる

現職への「不満」がまったくない人はいないのではないでしょうか。その不満、書き出してみましょう。そこに自分の強みが見つけられます。やりかたはこうです。
まず不満を些細な事でもよいので手当たり次第に書きだします。あまり不満ばかり認識すると負のオーラが自分を覆ってしまうのでは、となにごとにも前向きであろうと頑張ってて、気にする方には無理にはオススメしません。ただ、溜まってる不満は、いったん吐き出してこの方法を使ってみると意外にすっきりしますよ。

例えばこんな不満がでてきます。
・ ラボの設備が古い
・ オフィスの椅子が疲れる
・ 上司がいけてない
・ 開発費が削減された
・ 新しい提案をしても潰される
・ 営業がお客様に調子のよいことを言ってしまい尻拭いが大変

ここからです。
第一回で紹介した「自分の求人票を書く」手法を使います。

ラボが古い環境でオフィスの椅子もだめで、おまけに上司がいけてなくて、営業もお調子者で、開発費も削られ、新しい提案もできないような環境でも、働ける人ってどんな人?って考えてみましょう。 そうすると「限られた環境のなかで最大の成果をだすことが求められる職場でしたので、工夫する習慣が身についています。」という強みをPRできるはずです。やっているうちに転職したくなったら、そのときはタイズさんに転職すべきか、相談してください。
失敗を反転する、ことについても触れておきましょう。ここでの反転というのは、裏からみる、というのではなく、失敗という事実は変えようがありませんが、これをネガティブな側面でとらえるだけではなく、その失敗をしたことで学べたことがあるはずなので、意識を反転させ機会としてうけとめるというアプローチのことを指します。ただじゃころばない、失敗した「おかげ」で◯◯力がつきました!ということです。

なんでも裏からみる習慣をつけましょう

物事を裏側から捉える思考は、物事を前向きにとらえるだけじゃなく、顧客目線でものごとをとらえることや、クリティカル・シンキングといわれる論理的な思考力のひとつにも通じます。なんでもかんでも裏返して考える習慣をもちましょう。

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細井 智彦

細井智彦事務所代表
転職コンサルタント

大手人材紹介会社にて20年以上転職相談や模擬面接などの面接指導に取り組む。
・12万名以上が受講する面接力向上セミナーを立ち上げる
・採用企業の面接官向け研修・講義を開発、これまで人事担当から経営者まで350社、面接官3000人以上にアドバイスを実施。
現在は独立し、フリーな立場から、引き続き個人と企業の面接での機会創出に取り組んでいる。
著書『転職面接必勝法(講談社)』ほか多数

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