研究職と開発職の違いとは?向いている人の4つの特徴

理系の人なら、一度は研究職への転職を検討したことがあるのではないでしょうか。興味のある業界や分野で活躍できる研究職は、知的好奇心を刺激してくれる、やりがいのある仕事です。 そのなかで、「研究職と開発職は何が違うのか」と疑問に思ったことのある人も多いでしょう。ここでは研究職と開発職の違いについて、具体的な仕事内容や向いている人を紹介します。

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気になる研究職と開発職の違い

研究職と開発職は、似たようなイメージを持つ人も少なくないでしょう。確かにどちらも研究を行い、成果を出す点は共通していますが、仕事内容には明確な違いがあります。

まずはこの項目にて、研究職と開発職それぞれの仕事内容の違いを紹介します。

研究職とは

研究職とは、その名の通り、あらゆる研究に関わる仕事です。成果により、これまでにない概念や新しい価値など0から1を生み出しながら、開発職や技術職の仕事を支えています。生産工程で生じている不具合の原因を究明するため、研究で生産支援を行うこともありますが、あくまで主な仕事は研究による新しい価値の創出です。

成果が出るまでに、数年から十数年かかることもあります。

開発職とは

開発職は主に、製品化を行う仕事です。研究職が発見や開発した新しい概念や価値を商品化することで、研究の成果を1から10へとつなげていきます。研究職と現場の技術職を橋渡しする立ち位置にあり、設計や改良など幅広い仕事を体験できることが魅力です。

また、新商品や価値の開発だけではなく、既存のものに対するコスト削減や品質向上といったブラッシュアップも求められます。

研究職の種類

研究職と一口に言っても、基礎研究と応用研究の2種類があります。

基礎研究

基礎研究とは、学術知識に基づいて行われる研究です。未知の物質や原理を発見し、理論的に解明していくことを目的としています。そのため基礎研究は大学や研究機関で行われることが多く、ときには新しい法則の発見なども求められることから、長い期間をかけて研究します。

応用研究

応用研究は、基礎研究の研究結果を応用し、実用化することを目的としています。具体的には、基礎研究で得た成果を製品やサービスなど市場のニーズに合ったものに役立てるための仕事で、活躍の場は企業の研究部門が主です。

基礎研究が発見や解明に重きを置いているのに対し、応用研究はコスト削減や品質向上による利益の追求、スピードといった要素も求められます。

開発職の種類

開発職は、大まかに分けると商品開発と技術開発の2種類があります。業務内容が大きく異なる場合もあるため、求人情報を見るときは混同しないよう注意しましょう。

商品開発

商品開発は、新たに製品やサービスを模索して、実際に世に送り出すための研究・開発を行う仕事です。売れるものを作るには市場ニーズの把握が欠かせないため、市場調査や販売戦略の立案など、マーケティング業務も含みます。

また、食品メーカーの場合は安全性のテストも商品開発の担当です。仕事内容が多岐にわたることから、他部門とのやりとりが多い点も商品開発の特徴と言えます。

技術開発

専門的や知識や技術を活かして、新商品の開発を目指すのが技術開発です。既存技術をニーズに合わせてアレンジしたり、未だ世に出ていない技術を製品やサービスに落とし込んだりします。

ときには特許取得につながる仕事を任されることもあり、高い専門性が求められる分、やりがいも感じられるでしょう。

研究職・開発職に向いている人の特徴

ここでは研究職・開発職に向いている人はどのようなタイプか、その特徴を紹介します。

研究職に向いている要素

研究職は新しい概念や価値を生み出すために、失敗の繰り返しを前提とした仕事と言えます。粘り強さなどの性質も求められますが、第一に重視されるのは、やはり「考えることが好きかどうか」です。

考えることが好きな人

研究職は安全性や機能、コストなどあらゆる観点から仕事をこなさなくてはなりません。周囲からの指示を待って受動的に仕事をすることよりも、自分自身で考えて主体的に仕事することのほうが多い職場です。

開発職においても考えることが好きな性質は重視されますが、特に研究職の場合、新しい知識の吸収や論文の執筆、学会での発表など、より専門性が求められます。

開発職に向いている要素

開発職も考えを具体的な成果につなげる仕事ですが、仕事を続けるうえで重要なことは技術や知識だけではありません。世に出るものに携わっているという点を重視し、開発した製品やサービスでどのように社会に役立てるかを考えることができる人が求められる職場です。

社会貢献に興味がある

開発職に向いている要素は、専門性の高さに加えて社会貢献への興味があることです。市場のニーズに合わせた開発が求められるため、単純に新しいものを生み出したいという欲求ではなく、社会に役立つような商品開発をしたいと考えられる人に向いています。

研究職・開発職に共通して向いている要素

研究職も開発職も、専門的な知識と技術が求められる点に変わりはありません。研究や開発に携わるというと研究室にこもっているイメージが一般的ですが、実際にはフットワークの軽い人でなくては、活躍が難しい職場です。

研究職・開発職のどちらにも共通した、向いている人の要素を紹介します。

コミュニケーション力がある人

研究職・開発職のいずれも新商品や技術などを開発するためには、製造部や営業部をはじめとした他の部門部署の協力を得る必要があります。

また、特にマーケティング調査などでは連携が求められる場面が多いため、基本的にコミュニケーション力のない人は仕事を進めることができません。知識や技術を活かすために周囲とも協力できる人であれば、研究職・開発職のどちらでも活躍できるでしょう。

粘り強く物事に取り組める人

新しい概念や価値、製品・サービスを生み出すことは、トライ&エラーを繰り返すことでもあります。どんなに失敗したり思うように作業が進められなかったりしても、粘り強く取り組める人であれば仕事を続けられるでしょう。

研究・開発は、長くて10年以上かかることも珍しくない作業です。長期戦となる場合も、めげずに物事を追求できる性格が重視されます。

研究職・開発職への転職のコツ

専門性の高い職場で成長しながら新しい物事の発見にも関わりたいという方は、研究職・開発職への転職がおすすめです。しかし希望すれば誰でも簡単に転職できるという仕事でもないため、まずは情報収集から始めましょう。

ここでは参考までに、研究職・開発職への転職事情や求職活動を進めるときのポイントを紹介します。

研究職・開発職への転職事情

研究職と開発職、それぞれの転職事情について紹介します。

<研究職>

研究職への転職は、前職も研究職で活躍していた人がほとんどです。異分野からの転職は難しい傾向にあり、主に即戦力として募集・採用されています。分野を変えての転職は必ずしも不可能というわけではありませんが、大手から中小など、社格を落とすことを勧められるケースが大半です。

研究職の活躍の場は「大学・研究所」と「民間企業」があります。需要の高さで見ると、大学で働いていた人材よりも企業での勤務経験者が求められる傾向にあります。

<開発職>

開発職は研究職に比べると比較的間口が広くなっています。開発職から開発職に転職する人もいれば、研究職から開発職へ転職する人も多いのが特徴です。

ただし、分野による垣根の高さはあります。分野を変えての転職は、前職が開発職であっても研究職であっても難しいため、希望通りの転職とならない可能性も考えられます。分野の違いがなければ、業界を変えての転職は場合によって可能です。

<難易度の高さ>

研究職・開発職のどちらを希望するにしろ、難易度の高い転職となる点は理解しておきましょう。前職ごとの転職の難易度と、それぞれの特徴は以下のようになります。(上から低い順)

難易度 前職 職種 特徴
研究職 開発職 求人が多く、前職での高い専門性が買われる
★★ 開発職 開発職 求人が多く、前職の経験が活かしやすい
★★★ 研究職 研究職 高い専門性が求められる
★★★★ 開発職 研究職 企業規模や勤務地を妥協するケースが多い

 

研究職から開発職への転職は高い専門性が買われるうえ、開発職自体の求人が多いことから、難易度は低い傾向にあります。そのため開発職から開発職への転職も比較的容易で、前職の応用が利きやすいのもメリットです。

研究職から研究職への転職も専門性の高さに注目されれば容易ですが、開発職から研究職を目指すパターンは注意しましょう。前述のとおり、大手から中小へ転職するなど、社格を下げなければ難しい傾向にあります。

研究職・開発職への転職のポイント

研究職・開発職への転職を希望する人は、新卒採用や一般的な中途採用の対策だけでは不十分です。最後に押さえておきたい研究職・開発職への転職のポイントを紹介します。

1.前職での実績をアピールする

実力重視の研究職・開発職では、これまでの経験など実績をアピールすることが転職成功のカギです。たとえば以下の2点においてアピールできるものがあれば、積極的に応募書類や面接で伝えておきましょう。

・学生時代の研究内容
・前職での研究の成果

学生時代の研究内容は、大学院や博士課程での実績を中心的にアピールします。前職での研究の成果は、たとえば特許の取得や研究内容の応用による製品開発の実績などのほか、課題を乗り越えて成果を残した経験談も効果的です。マネジメント経験など、コミュニケーション力と指導力を同時にアピールできる点があれば、あわせて自己PRに盛り込みましょう。

2.転職エージェントを活用する

日々の仕事に追われる中で、効率的に転職するためには、第三者の協力も必要です。研究職・開発職の求人に強い転職エージェントを活用してはいかがでしょうか。

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まとめ

研究職と開発職は、いずれも専門性の高さと粘り強さが求められる仕事です。ときには10年以上の長きにわたって同じ研究を続ける必要もあるため、トライ&エラーの繰り返しを楽しみながら続けられる人に向いています。

日々の研究が大変な分、成果を出せたときの達成感は大きくなります。やりがいの魅力から、研究職・開発職への転職を検討している方は、ぜひ関西メーカーに強いタイズへご相談ください。独自のマッチング技術を駆使し、経営理念など社風との相性も重視しながら転職をサポートします。

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この記事を書いた人

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安達 篤史

株式会社タイズ

これまで17年間、転職エージェントのコンサルタントとして従事し、これまで1,000名以上の転職支援を実施。
技術系を中心に幅広い知識・経験があり、納得感のある転職を実現している。

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