企業インタビュー
[ ナブテスコ株式会社 ]
ナブテスコ舶用カンパニー製造部製造課で築ける「現場起点」の無限のキャリア

ナブテスコ株式会社 舶用カンパニー 西神工場 製造部 製造課長 中原 祥雅様
ナブテスコ株式会社は、舶用エンジン遠隔制御システムにおいて国内約50%、世界約40%の市場シェアを誇るグローバル企業です。舶用カンパニー 製造部 製造課では、大型船を動かすオーダーメイドの遠隔操縦装置や、量産品である油圧バルブの「組み立て」および「出荷検査」の両業務を担っています。
町の電気工事会社からキャリアをスタートさせ、現在は製造部 製造課を牽引する中原様に、世界の物流を支える製品の奥深さや、大手ならではの充実した就労環境、そして多彩なキャリアパスについて、お話を伺いました。
01. 異業種の経験から世界を支えるモノづくりへ。ナブテスコでの多彩な歩み
――まずは、中原様のご経歴と入社のきっかけをお聞かせください。
工業高校を卒業後、まずは地域の小規模な電気店に就職しました。軽トラックでお客様の自宅を回り、こたつやストーブの修理などを担当していました。その後、より専門的な工事スキルを磨くため別の電気工事会社へ転職し、約5年間、大掛かりな設備工事に携わりながら近畿一円を走り回っていました。
転機となったのは、友人と行った海外旅行です。現地で英語を使う経験が楽しく、語学力を活かせる仕事がしたいと強く思うようになりました。そこで、前職に勤めながら英会話を学び、貿易関係の企業なども視野に入れつつ、電気工事の知見と語学を掛け合わせられる環境として、サービス部門を担うナブテスコのグループ会社への入社を決めました。
――中小企業から大手企業への転職となりますが、入社後のギャップはありましたか?
最も驚いたのは、労務管理や各種制度が非常に整っている点です。前職のような小規模な会社では当たり前ではなかったことが、当社ではごく標準的な基準として運用されており、管理体制の差を肌で感じました。
代表的な例が出張手当です。前職ではどれだけ出張しても特別な手当はありませんでしたが、当社では規定の範囲内で手当が厳密に支給されます。社員の就労環境が組織的に守られているという事実は、非常に大きな安心感につながりました。大手企業ならではの高いコンプライアンス意識を強く実感しました。
――入社時はサービス部門でのスタートとのことでしたが、現在の製造課へ転籍された経緯を教えてください。
サービス部門での約4年間は、念願の海外出張も含めて語学力を存分に活かせて、非常に充実した経験を積めました。一方で職種柄、どうしても出張が多く拘束時間も長くなりがちでした。働き方に課題を感じて、退職を考えた時期もありました。
そうしたなか、過去の研修でお世話になった工場の上司からお声がけをいただき、ナブテスコ本体の製造部門へ転籍することになりました。工場勤務になったことで頻繁な出張がなくなり、日々の業務スケジュールが安定した結果、ワークライフバランスをしっかりと保てるようになりました。
――現在までの歩みと、製造部門での具体的なキャリアステップを教えてください。
製造部門へ配属された当初は、舶用遠隔操縦装置の出荷検査を担当していました。スキルの習得を重ねながら、現場改善や後進の教育指導にも携わり、職場長、そして係長へとステップアップしていきました。
係長を1年務めた後、ものづくりの上流工程を学ぶために生産管理課へ異動し、約3年間、遠隔操縦装置の生産管理担当を担いました。そこでは工場の「コントロールタワー」として他部署へ指示を出し、納期と品質を守る業務を経験しました。 その後製造課へ戻り係長を経て、2025年から課長を務めています。
――マネジメント層へ昇格し、視座や考え方は変化しましたか?
係長時代は、とにかく「目の前のメンバーを守ること」に必死でした。当時は、現場の負担軽減を優先するあまり、お客様の納期に対して守りに入ってしまう思考に陥りがちだったんです。
しかし、課長という立場になった現在は、お客様の期待にどう応えるべきか、組織としていかに利益を創出するかといった、一段高い視座で物事を捉えられるようになりました。
単に現場の負荷を抑えるだけでなく、「今の一踏ん張りがお客様からの信頼につながり、会社の利益や自分たちの成果として還元されるので、一丸となって取り組もう」と、全体最適を見据えた前向きな指示ができるようになりましたね。
02. 世界シェア40%を支える製造現場 。 一品一様の面白さと、効率を極める量産のやりがい

――御社が製造されている舶用向けの製品は、船の中でどのような役割を担っているのでしょうか?
遠隔操縦装置は、船のエンジンから最も離れた操舵室や機関制御室から、遠隔でエンジンの始動や速度調整、停止を行うための装置です。正常に稼働しているかを監視する役割も担っており、エンジン全体を制御しています。
当社はエンジンの遠隔操縦装置において、国内シェアの約50%、世界シェアの約40%を占めており、世界の物流を根底から支えています。
――近年、海運業界でも環境規制が厳しくなっていますが、製造現場での考え方や作り方に変化はありますか?
環境規制への対応として、エンジン側が大きく変化しています。それに伴い、遠隔操縦装置のハードウェア自体に大きな変更はないものの、制御を担うソフトウェアが非常に多様化・複雑化しています。
その結果、私たちが行う出荷検査の項目も増加しています。より高度で緻密な制御に対応する必要があり、検査工程自体の難易度が上がってきているのが実情です。
――遠隔操縦装置のような受注生産品と、油圧バルブのような量産品では、製造現場における「面白さ」や「難しさ」にどのような違いがありますか?
遠隔操縦装置は一品一様のオーダーメイド製品であるため、同じものが二つとありません。 特に複雑化したソフトウェアの検査では、思わぬ不具合を発見し、原因を突き詰めて解決していくプロセスが求められます。
製造課のメンバーだけで完結させるのではなく、設計部門とも議論を重ねて不具合を修正し、一つのシステムを正常に稼働する状態へと作り上げていく。その過程で納期と品質を守り抜いたときの達成感こそが、受注生産品ならではの「やりがい」だと考えています。
一方で量産品である油圧バルブは、標準化された工程のなかで、高い精度を維持しながら連続して作り続けることが求められます。
いかに無駄を排除し、生産リードタイムを極限まで縮めていくか。そうした改善の仕組み作りに「面白さ」がありますね。
――特に出荷検査において、習得に時間がかかる難易度の高い部分はどこでしょうか?
遠隔操縦装置は船のエンジンやプロペラを制御する役割を担いますが、出荷検査の難易度はその「制御対象の種類」によって大きく左右されます。
まずエンジンには、主に大型の「2ストローク」と小型の「4ストローク」があります。またプロペラについても、360度回転するものや羽の角度が変わるものなど、特殊なタイプが存在します。
なかでも特に難易度が高いのが、小型の4ストロークエンジンや特殊なプロペラを対象とした制御装置です。これらは大型エンジン向けに比べて回路が非常に複雑なため、システム全体を深く理解した上で検査に臨むことが求められます。
03. 製品特性に合わせた適材適所の組織。「計画有休」が支えるメリハリある働き方
――製造課には、大きく分けて「組み立て」「出荷検査」という2つの業務がありますが、それぞれの1日の仕事の流れを教えてください。
「組み立て」「出荷検査」ともに、基本的には以下のサイクルで仕事に取り組んでいます。
朝礼でその日の予定と作業指示を共有し、持ち場のラインの清掃を経て、それぞれの業務に取り掛かります。昼休憩のほか、午前と午後に小休憩を挟むため、集中力を維持しやすいスケジュールです。定時が近づくと、職長へ本日の進捗を報告します。
予定通りに進んでいればそのまま退社となりますし、遅れが生じていたり他のメンバーの補助が必要だったりする場合は、明確な指示のもとで残業を行うといった流れです。
これは受注生産品でも量産品でも変わりません。個人の裁量でダラダラと残ることはなく、日々の進捗が適切に管理されているため、メリハリを持って働くことができます。
――取り扱う製品や役割によって、チームの特色や雰囲気は異なるのでしょうか?
量産品である油圧バルブの職場は若い社員が多く、非常に活気があります。一番年上の職場長でも33歳という年齢構成です。
一方、遠隔操縦装置の組み立てはより高度で複雑な作業を伴うため、落ち着いた知的な印象の社員が多いですね。こちらは20代から50代まで幅広い年代が在籍しています。
――そうした年齢構成の違いには、どのような背景があるのでしょうか?
油圧バルブの現場は、体力を要する仕事が多いことが関係しています。連続してボルトを力強く締結するような作業には相応の筋力が必要なため、自然と体力のある若手が中心の組織になっています。
――新しく入社された方は、どのような業務からスタートし、仕事を覚えていくのでしょうか?
量産品・組み立てともに、基本は先輩社員と一緒に作業を行うOJTを通じて業務を習得していきます。
一方、遠隔操縦装置の「出荷検査」については、専用の研修設備をラインの一角に設けており、そこで約1ヶ月間基礎を固めてから、実際のラインに入ることができます。その後、2〜3ヶ月程度で、独り立ちして業務を遂行できるようになります。
――夜勤が発生する工場も多いなか、年間休日125日と休みが充実していますが、有給休暇の取得状況はいかがでしょうか?
会社として有休取得を強く奨励しており、年間20日の付与に対し、8割にあたる16日の取得を目標に掲げています。具体的には、夏季と秋季に3日間有休を取得する連休を取得する計画有休制度があり、これでまずは6日間を確実に消化します。残りの10日についても、毎月1日、あるいは2ヶ月に1回2日といったペースで取得できるよう、上司が日数を管理し、徹底して声掛けを行っています。気兼ねなく休めるメリハリのある働き方は、現場の隅々まで定着していますね。
以前は、業務の都合で急な休みが取りづらいという課題もありました。しかし現在は、前月の段階で翌月の予定を決めて仕事のスケジュールに組み込む運用へと変えたことで、無理なく休める体制へ劇的に改善されました。「計画的に有休を取得する」というイメージです。
――休日出勤についてはいかがでしょうか?繁忙期の状況もあわせて教えてください。
平日の日勤と残業だけでは対応しきれない場合、月に1~2回程度、土曜や祝日の出勤をお願いすることがあります。特に、難易度の高い遠隔操縦装置の短納期案件が重なった際などに発生しやすくなります。
尚、休日出勤された場合、翌日から2ヶ月以内に代休を取得することが可能です。
年間では、4月、6月、年末などに案件が集中する傾向があり、その時期は休日出勤の頻度が上がることもあります。ただ、こうした状態が1年を通して続くわけではありません。また、当社の現場は深夜労働を伴う夜勤が一切なく、完全に日勤のみのサイクルで稼働しています。繁忙期であっても業務量は職長によって適切に管理されており、日勤のサイクルは守られています。体調管理もしやすく、ワークライフバランスを崩さずに働き続けられる環境です。
――現場での体力的な負荷については、いかがでしょうか?
先述の通り、油圧バルブの現場は力仕事の占める割合が多いです。遠隔操縦装置も多少はありますが、大型の製品に関しては有資格者がクレーンで搬送します。クレーンはスイッチひとつで操作できるため、女性の方も問題なく活躍いただけます。
04. 製造現場から広がる無限の選択肢 ――学ぶ意欲がナブテスコでの成功につながる

――面談や目標設定など、評価制度はどのように運用されていますか?
月に1回、1on1を実施し、現在の業務状況や悩みを率直に話し合う場を設けています。また、期首に目標を設定しているのですが、面談を通じて進捗を定期的に確認し、期末に達成度を評価します。
目標設定では、まず「100%」の達成基準を上司と部下で明確に定めます。その上で、「150%」や「200%」の成果とは具体的にどのような状態を指すのかまで、入念にすり合わせます。
対話を通じて評価基準を共有するため、自身の何が評価されるかが明確になり、高い納得感を持って業務に取り組める環境が整っています。
――製造現場での経験を積んだ後、将来的にはどのようなキャリアパスを描けるのでしょうか?
製造現場を起点に、多彩な道が開かれています。担当製品の製造において知識を追求すれば、設計と同等レベルの専門性を身につけることも可能です。
現場の知見を活かし、生産技術部門でライン改善を主導したり、設計部門へ提案を行ったりと、上流工程での活躍も期待できます。実際に、製造から生産管理、調達、生産技術、設計など、各部門へキャリアチェンジした社員が多数います。志向と努力次第で、製造の枠を超えた無限の選択肢からキャリアを描けるのが当社の魅力です。
――中原様が、入社後まもない頃に製造課で積まれた経験で、今に活きているものはありますか?
過去に上司から言われ、実践して良かったと実感しているのが「30歳までに、担当製品について誰よりも勉強しろ」という教えです。その言葉通り、私は遠隔操縦装置について設計部門に負けないほど徹底的に勉強しました。
設計担当と議論を重ねて知識を深めて仕事に取り組むうちに信頼関係が構築され、ポジションが変わった後も業務を円滑に進めることができました。
学んだ知識は、どの部署に異動しても仕事をするうえでの自信になり、強固な基盤になると思います。
――求める人物像について教えてください。製造課で活躍している方の共通点はありますか?
若いうちから、担当製品を徹底的に勉強している方ですね。現場で誰よりも知見があるからこそ、設計開発の担当者からも一目置かれる。そんなメンバーが多いと感じます。
そのため、新しく入社される方にも、製品に興味を持ち、ゼロから素直に学ぶ貪欲な姿勢を求めたいですね。特に当社の出荷検査は一品一様で、特殊な知識を要します。まずは知識を習得し、検査要領を読み解きながら、粘り強く取り組んでいただけたら嬉しいです。
――最後に、応募を検討されている方へメッセージをお願いいたします。
私たちが扱う舶用遠隔操縦装置の組み立てや出荷検査は、他では経験できない、特殊でスケールの大きな業務です。入社時点で経験が完全に一致する方は、まずいらっしゃいません。しかし、専用の訓練設備をはじめ手厚い教育体制が整っているため、意欲さえあれば技術を習得し、必ず成功できます。未経験だからと二の足を踏まずに、ぜひ前向きにチャレンジしていただきたいですね。