「防衛・航空機・半導体」幅広い成長市場を支えるプロ集団。技術と現場が一体となり成長を続ける神戸製鋼所 大安製造所の求める人材とは

神戸製鋼大安製作所の求める人材とは

神戸製鋼は、素材系事業や機械系事業、電力事業など多彩な分野で事業領域を展開されています。今回お話をお伺いした大安製造所は素材系事業のうち素形材事業部門の拠点のひとつであり、半導体製造装置向けや防衛、民間航空機、鉄道車両向けなどのアルミ・マグネ部材、自動車サスペンション用アルミ鍛造部品を製造しています。
今回、アルミの鍛造と鋳造を行う大安製造所で、幅広い業界の製品を扱うやりがいや得られるスキル、コミュニケーションを重視した風通しの良い職場環境についてお話を伺いました。

株式会社神戸製鋼所 素形材事業部門アルミ鋳鍛ユニットアルミ鋳鍛工場 工場長 福家 章利様
株式会社神戸製鋼所 素形材事業部門アルミ鋳鍛ユニットアルミ鋳鍛工場油圧鍛造室 室長 野田 正志様
株式会社タイズ 担当コンサルタント 鳥居 省吾
株式会社タイズ 担当コンサルタント 高山 聡

01. 神戸製鋼大安製造所が誇る一貫体制と卓越した技術力

―これまでのご経歴と、現在の業務内容を教えてください。

福家様:2008年に高砂製作所へ中途入社してから、鋳鍛鋼の製造技術から鍛圧技術へと渡り歩いてきました。熱処理やガス切断における品質管理や設備管理、安全衛生、コストダウンまで、操業に関わる幅広い業務を担当してきました。その後、2011年に管理職、2015年に鋳鍛鋼工場鍛圧室へ異動し、2018〜2021年は鍛圧室の室長を務めました。2021年10月にアルミ製品を扱う大安製造所へ移り、安全環境室長を経て、2023年4月からはアルミ鋳鍛工場の工場長として工場全体をまとめています。

野田様:2007年に新卒入社で大安製造所の品質保証室に配属され、鍛造品の検査や試験、分析を学びました。2010年に油圧鍛造室に移ってからは、品質の視点を持ちながら工程設計や金型設計、新製品の立ち上げ、無人自動鍛造ラインの立ち上げと量産化などの生産技術にも携わってきました。2019年からは室長として、技術と操業の両面を支援・取りまとめています。

―大安製造所について教えてください。

福家様:大安製造所には「アルミ鋳鍛工場」と「サスペンション工場」があります。
アルミ鋳鍛工場では、アルミ・マグネシウム合金の素材から鋳造・鍛造・機械加工・表面処理・検査まで一貫して対応できる体制が整っており、半導体製造装置分野を柱に、防衛・民間航空機・鉄道などの専門性の高い鍛造品を生産しています。具体的には半導体製造装置や液晶製造装置に使われるターボ分子ポンプ用ローター素材、防衛・民間航空機では民間航空機の主構造部材や窓枠などに使用される製品などを取り扱っています。
サスペンション工場は自動車分野を中心としたアルミ鍛造サスペンション部品がメインとなります。

―アルミ鋳鍛工場の強みはどこにあるのでしょうか?

福家様:アルミ鋳鍛工場の強みとして、製品の多様性、供給体制の柔軟さ、一貫生産体制、そして品質保証力が挙げられます。
アルミ鋳鍛工場では、油圧鍛造、鋳造、機械加工の3つのプロセスを有しており、それぞれが異なる産業分野に対応しています。航空機構造材、鉄道車両部品、半導体製造装置部品など、専門性の高い製品群を幅広く取り扱っているため、各分野のニーズに柔軟に応えることができます。
また、鍛造工程だけでは対応しきれない、付加価値の高い材料や製品が求められるケースもあります。神戸製鋼では、素材づくりの段階から関われる一貫体制を持っており、それが大きな強みとなっています。素材から加工までを自社内で一貫して行うことで、品質改善が進みやすく、品質とコストの両立を実現できるというメリットがあります。

―技術的にはどのような強みがありますか?

野田様:技術的には、素材技術とプロセス技術(鍛造・熱処理技術)を両輪で持っていることが挙げられます。特に半導体製造装置向けの製品では、高温環境での材料特性が重要になりますが、神戸製鋼ではアルミニウム合金の材料特性を最大限に引き出すことができる優れた鍛造・熱処理技術を有しています。
また、型打鍛造技術にも強みを持っています。型打鍛造では専用の金型を使用し、部品の最終形状に近いニアネット形状を狙います。これにより、材料使用量の削減やお客様側での工程短縮が可能となることで、お客様より高い信頼をいただいています。実際にボーイング社(Boeing社)からも世界に数社しかない認定製品としてご評価いただいております。

02. お客様と真摯に向き合い、ニーズへ応え続ける組織

―アルミ鋳鍛工場としてのミッションと、将来の目標を教えてください。

福家様:アルミ鋳鍛工場では2030年を見据えた成長戦略を持ち、 防衛・航空機産業向けに加え、半導体製造を中心とした真空機器用素材の需要を捉え、継続的な収益・利益の拡大を図ることを目指しています。これらの主要分野は、今後も中長期で需要が伸びる見込みであるため、神戸製鋼ではこうした需要に対応しながら、新規案件を取り込み、さらに成長させていきたいと考えています。

―それらを実現するために、具体的に取り組まれている内容はございますか?

福家様:お客様のニーズに真摯に向き合い、それをもとに生産技術や製品改良を進めてきた結果、現在の技術力が培われています。アルミ鋳鍛工場では、要求仕様を満たすための工程設計や鍛造方案の作成、新製品の立ち上げを一貫して行う中で、社内での連携を図り、お客様のニーズへ答え続けることが大切だと考えています。

野田様:また、現場に足を運び生産効率と作業環境の改善(DX・自動化)を進めています。例えば、従来人手に頼っていた作業を自動化するなど、コスト競争力の向上を図るとともに、作業負担の軽減、作業環境の改善を目指しています。今後はロボット導入やDX推進に加え、予防保全やデータ分析設備の安定稼働と効率化を図る方針です。

03. 新製品立ち上げと生産技術の要:油圧鍛造室の役割と求められる「聞く力」「調整力」

―今回募集している油圧鍛造室の技術グループと操業グループの役割を教えてください。

福家様:技術グループの主な仕事は新製品の立ち上げです。お客様と仕様を詰め、社内でデザインレビューを重ねて工程設計や鍛造方案を作成します。金型が必要なら金型設計まで担当し、設計段階から製品を形にして出荷するところまで一貫して関わるため、やりがいが大きい仕事です。

操業グループは生産技術の計画・導入と設備立ち上げが中心です。自動化や省人化、安全対策、コスト低減の検討を設備室や安全環境室などの複数部署と連携しながら計画していき、承認後は現場への実装を行います。多くの人たちと連携しながら量産化まで導くのが醍醐味ですね。

―選考で重要視されるポイントはございますか?

福家様:選考では、「コミュニケーション能力」を重視しています。
技術グループでは、営業・品質保証・生産管理・研究開発・現場と密に連携します。また、外部のお客様への技術対応も行うため、多様な意見を聞き最適解をまとめ、顧客と円滑に仕様決定できる力が必要です。
操業グループでは、設備・安全環境・資材・経理・現場・社外(設備メーカーや商社など)と連携します。専門家同士の調整や、資料で論点を整理して合意を取る力が重要です。
どちらも「聞く力」「調整力」「代替案を提示する交渉力」が評価されます。

―募集している部署で身につけることのできる専門性やスキルはどういったものがありますか?

福家様:多岐にわたる業界や社内外の関係者との連携が不可欠であるため、技術力だけでなく、ビジネスを推進するための幅広いスキルが鍛えられます。
特に航空機や自動車の案件では、堅牢なプロセス設計の確立に向け、時間をかけて仕様を詰める能力が磨かれます。一方で半導体分野では高品質に加え、「1日でも早く」という要望に応えるスピード感を持った対応が重要であり、これに対応する能力が鍛えられます。

野田様:現場主義と問題解決能力、高いコミュニケーション力と調整力です。
鋳鍛工場では事務所と製造現場の距離が近く、現場と一体となってものづくりを進める文化が根付いています。これにより、机上の論理だけではない、現場に即した問題解決能力が身につきます。社内外の連携も欠かせないため、多様な意見に耳を傾け、より良い方策を模索する力や顧客と円滑に仕様決定できる力、デザインレビューや開発業務において様々な意見を聞き、最適解をまとめ、社内で合意を形成する力などが身につきます。
また専門性としては、良質な製品を効率よく作るために、アルミニウム合金の材料知識に加え、鍛造・熱処理といった各プロセス全体に対する深い理解が求められます。これらのプロセス全体をトータルでコントロールする知識が身につきます。

04. アルミ鋳鍛工場に根付く「ボトムアップと三現主義の文化」

―油圧鍛造室の風土、特色を教えてください。

福家様:「ボトムアップの風土」があり、何より現場とのコミュニケーションを大事にしています。製造は現場と切り離せない仕事なので、現場で見て、聞いて、考える——これが油圧鍛造室の文化です。上下に関係なく意見が出るフラットな雰囲気で、新人でも馴染みやすいと思います。スタッフ同士の結束力には自信がありますし、みんな前向きに取り組んでいます。

野田様:お客様の声が現場に直接届く機会が多いのも特徴です。事務所と工場の距離が近く、毎日現場に足を運んで「三現主義」(現場・現物・現実)で課題を捉え、一体となってものづくりを進めています。お客様の声が現場に直接届くことで「自分たちが作る製品が何に使われ、どんな目的があって、なぜこういう特性が必要なのか」を理解することができます。また、お客様の喜びの声を聞く機会もあるため「なぜやらないといけないのか」という点が腹落ちしやすく、モチベーションにも繋がっており、一体感をもって取り組める要因でもあると思います。

―工場長や室長としてより組織を活性化させるために意識していることはありますか?

福家様:3室あるので、各室の活動を可視化して“取り入れられるものは共有する”仕組みを作っています。若手には失敗を学びに変える環境の中で小さな成功体験が積めるように、自立を促すことを重視しています。

野田様:全員参加が実現できる仕掛け作りに注力しています。若手にはやりがいある仕事を任せつつ、必要な支援はしっかり行います。

05. 業界未経験でも安心の教育体制・キャリア構築サポート

―入社後のキャリア支援や教育体制について教えてください。

野田様:現場実習や座学を中心としたOJTや素形材事業部門独自の階層別研修がしっかり整っています。加えて、全社で運営する「鍛造技術分科会」があり、各拠点の鍛造技術者が集まって解析や基礎技術を学ぶことが可能です。分科会の育成プログラムでは、研究開発部門からの参加者など他拠点のメンバーともコミュニケーションをとり学びを深めることができます。
また、外部の学会研修(軽金属学会・塑性加工学会など)を通して、自己研鑽をする機会も設けています。
鍛造未経験での入社でもキャッチアップできる環境なので安心して応募していただけます。

―ジョブローテーションや異動はいかがでしょうか?

福家様:異動は年数・経験・性格・将来像を踏まえて計画的に行っています。大安製造所内でのローテーションもあり、深掘りしながら幅を広げることが可能です。
また油圧鍛造室では多くの部署の方と密接に連携し仕事を進めるので、他部署へ異動する上での知識や理解は得やすいと思います。異動の実例として、生産技術としての経験を積んだ後、生産管理や研究開発、安全環境、品質保証、他技術・製造室などへの例があります。 お約束が難しいケースもありますが、ご本人の希望は面談でヒアリングし考慮した上で決定しています。

野田様:また、制度として「手を上げる」仕組みもあり、希望に応じて部署を移るケースもあります。仕事を通じて興味が湧き、自然とローテーションが発生することも多くあります。

―異業界から入社した人のキャリア例はありますか?

福家様:事例としては自動車業界等などから転職された方が活躍しています。様々な分野のお客様と仕事をするので、前職の知見を活かせることが多いです。キャリア採用の方にはぜひその強みを発揮していただきたいです。

06. お客様と一体となり、最先端の製品づくりに貢献する醍醐味

―業界の変化の中で、神戸製鋼のアルミ鋳鍛工場はどのような方向性で成長していくのでしょうか?

福家様:アルミ鋳鍛工場が扱う防衛、民間航空機、半導体製造装置といった主要分野は、今後も中長期で成長が見込まれています。そうした需要に応えつつ、事業を拡大していきたいと考えています。また、油圧鍛造は複数の成長分野を抱えているため、特定の業界の不況に影響を受けにくいことも強みです。今後は新規案件の取り込み等を行い、さらに事業を成長させていく計画をしています。

―部署の方が感じているやりがいやモチベーションは?

福家様:軽くて強い部品を作り、航空機や自動車、産業機械などの最先端分野に貢献できる点が大きなやりがいです。高度な要求の中で自分の技術がそのまま製品につながる実感がありますし、工程改善や品質向上など、現場からの提案が歓迎される風土なので、成長を実感しやすい職場だと思います。

野田様:また、お客様と設計・仕様決定の段階から携わり、工程設計や鍛造方案、金型設計まで担当し、実際に製品を形にして出荷するところまで一貫して関わるのが業務の醍醐味です。自分が担当した製品が形となりお客様へ届く瞬間は感動もので、とてもやりがいのある仕事です。

―最後に、転職を検討されている方へメッセージをお願いいたします。

福家様:油圧鍛造室は立場にとらわれないフラットな職場で、事務所スタッフと現場が一体となって前向きに取り組んでいます。風通しが良く馴染みやすい雰囲気ですし、業務の幅が広いので現職の経験を活かせることが必ずあります。
協調性と自律性を持って共に成長し、より良いものづくりを目指していただける方を心より歓迎します。ぜひご応募ください!

 

おまけインタビュー「三重県勤務の利便性と自然のバランス 」

―三重県での暮らしや、三重県勤務のメリットを教えてください。

野田様:鈴鹿の山が近いので、キャンプやトレッキングなど、アウトドアが好きな方にはとても良い場所です。私自身は最近トレイルランが趣味なのですが、日帰りで山に行けるのでとても便利です。海も近く、釣りやマリンスポーツを楽しめます。

また、名古屋へは40〜50分で出られるので、都会へのアクセスも良好です。
寮のある桑名駅からは急行で名古屋まで30分程度と好立地です。

福家様:近鉄・JR・高速道路網が整備されているので、出張や通勤にも利便性が高い立地です。名古屋が近いだけではなく、意外と大阪・京都方面へも行きやすいです。伊勢神宮や熊野古道、鈴鹿サーキット、ナガシマスパーランドなど観光資源も豊富で、食も整っています。桑名のはまぐりや伊勢の海産物は地元の自慢ですね。

「半都会・半田舎」で利便性と自然のバランスが良く、子育て支援(医療助成・病児保育・産後ケアなど)も充実しているので、働きながら安心して子育てできる環境です。地元出身の方も一定数いますが、全体としては少なく、転居で三重に来る方が多く、ご家族含め、みなさん充実した生活を送られている印象です。

―住環境や通勤手段について教えてください。

福家様:職場周辺は落ち着いた住宅街で、超都会を望まない方には合う環境です。通勤はマイカーが主流で、プライベートでも便利です。通勤時間は、概ね30分〜1時間の方が多いですね。

また、寮も桑名駅から徒歩約15分のところに完備されています。

SNSでシェア

この記事を書いた人

プロフィール写真

鳥居 省吾

株式会社タイズ

  • 関西メーカーへの高い合格率に自信あり。メーカーへの深い知見、太いパイプを活かした転職のご支援をさせていただきます
  • 「勤務地・給与」といった条件だけではなく「働きごこち・忙しさ・社風」など転職の軸を丁寧にヒアリングさせていただきます。
  • 転職成功者の満足度は92%! ※当社経由でご転職に成功された方へのアンケートより

お名前

メールアドレス

電話番号

生年月日

職務経歴書・履歴書
・任意で3ファイルまで添付可能(xlsx、docx、pptx、pdf、gif、png、jpg)
・ご用意がない場合でも、お気軽にお申し込みいただけます

さらに追加する

上記ボタンを押すと「個人情報の取り扱いについて
同意いただいたものとさせていただきます。

お持ちのアカウントでも簡単に情報入力できます

ページトップへ

送信中です