【(株)メディカロイド】医療用ロボットの未来や求める人物像を副社長にインタビュー!

株式会社メディカロイド代表取締役副社長 田中様

株式会社メディカロイド 代表取締役副社長 田中博文様

01. 会社概要

株式会社メディカロイド:川崎重工業株式会社とシスメックス株式会社との合弁会社である当社は、世界で需要拡大が見込まれる手術支援ロボット「hinotori」の本格開発に着手し、開発、設計、製造、販売、アフターサービスの体制を構築しています。2020年8月に厚生労働省より製造販売承認を取得。

資本金79億6000万円に加えて、2024年には国内で270億円、海外では約11兆円の市場に挑むベンチャーです。まだ新しい会社で少数精鋭でキャリア入社の方も主役として活躍でき、新しいことにチャレンジするマインドを持った方にとって魅力的な会社です。

02. 田中様のご経歴について

「田中様のプロフィールをお聞かせください。」

1979年大学を卒業後、自動車メーカーに入社し、3年程、四輪のサスペンション設計を担当しました。当時の設計部門は徒弟制度的な雰囲気が強く、設計の一線で働く人は10年以上の人ばかりで若い人が活躍できる場所が少ないと感じたことや、地方の暮らしにも慣れず悶々とした日々を過ごしている内に、新しいことをやりたいと思うようになりました。

そこで転職先を探していたら川崎重工でロボット設計部門の中途入社の募集があり、転職しました。川崎重工ではシステム設計部門に配属になりました。当時、川崎重工は産業用ロボットでは油圧から電動へ切り替わっていく時代の流れがあり、ロボット開発課長に「自動車設計の経験を活かして欲しい」と言われて、入社半年で異動になりました。約2年ロボット本体開発に携わり、結果として川崎重工で初の大型電動ロボットの設計をしました。その後、元のシステム設計部門に戻り、自動車メーカーさん相手に社外向けの仕事をすることになります。当時、主力顧客の1社がアメリカのフォードで、グローバルサポートに対応するためイギリスに事務所を設立し、1996年に駐在員として赴任し、フォード傘下のジャガーをメイン顧客に仕事をしていました。2003年に帰国し、システム設計のエンジニアリング部長になりましたが、グローバル展開のために営業部長も兼任することになりました。月に4回は海外出張に出かけ、気温30度の国から夜行便で氷点下の国に異移動するなどハードな日々で体調を崩してほぼ1年休むことになりました。

メディカロイド2

「メディカロイドにはどういう経緯で携わることになりましたか。」

復帰して技術企画部長になり、新分野の検討をしていた時に医療ロボットをやらないかと声をかけてもらいました。入院して病院のことも良く知っていたので、適任だったと思います。メディカロイド設立前にシスメックスさんと医療ロボットの研究会を立ち上げ意見交換を行っていました。2013年に株式会社メディカロイドを設立し、それ以来ずっとここで働いているので、メディカロイドで一番長く勤務していると思います。設立当初、役員は4名でしたが、いずれの方も親会社の役職と兼務しており、私は100%メディカロイドの業務をして常駐していましたので、1~2年後に常務になりました。設立当初は、開発だけでなくマーケティングや総務、経理などすべての業務に関わっています。また、川崎重工とシスメックスの合弁会社でしたので、その2社のメンバーだけでスタートしましたが、今は中途入社者も増えて約170名になり、社員のうち半分が直接採用した人材になりました。

03. メディカロイドの事業内容や今後の展望について

「現在に至るまでにどんなご苦労がありましたか。」

川崎重工は医療分野の経験がなく、シスメックスは医療分野の事業を行ってきましたが、外科領域の経験がありませんでした。双方のノウハウを活かすことも出来ると考えていましたが、実際には分からないことも多くあり手探りの状態からスタートしました。医師の先生方の意見を取り入れていくことも大変でした。産業ロボットであれば、現場に行けば大体「こんな製品が必要なんだな」ということが分かるので、川崎重工からお客様に提案出来ましたが、医療ロボットではノウハウが不足してる。私たちが考えるシーズと医療現場のニーズをマッチさせることが難しかったですね。

メディカロイド3

実は設立してすぐには開発に着手せず、本当にこのビジネスが成り立つのかという判断をするために1年半ほどはマーケティングに注力し、2015年にようやく開発をスタートさせました。マーケティングで、先生方から「やっと日本で治療ロボットをやる意志を持った会社が出てきた」と好意的に受け止めていただき、「公私を超えて協力したい」と仰って頂いた先生もいました。

「先行する企業がある中で勝算はあるとお考えでしたか」

これまでも国内では医療ロボットの研究開発は数多く行われてきたのですが、製品化には至りませんでした。経緯を調べてみると、研究開発部門がプロジェクトを行い、結局研究だけで終わることが多かったようです。私たちがマーケティングでよく協議したのは、この事業をやる以上はリスクを取る覚悟が必要だということでした。先行企業についても外科治療ロボットで市場に参入しているのはダヴィンチのインテュイティブサージカル社と放射線手術装置サイバーナイフのアキュレイ・インコーポレイテッド社の2社しかありませんでした。調べれば調べるほど手術ロボットは外科領域に浸透し続けており、先生方からも「これから手術ロボットはどんどん使われるようになるよ」というお話しを聞き、「ここが一丁目一番地、リスクを取ってでも手術支援ロボットをやろう」ということになったのです。

「外科領域の医師が不足しているということも動機になりましたか。」

「外科医が不足している」という話はよく聞きました。学生さんを外科に引き込むためにダヴィンチを導入した大学もあると聞いて驚いたこともあります。都会を志望する医師が増え、地方では外科医師が不足しており、これからやるべきことの一つに遠隔治療があります。都会のベテランの医師が、地方にいる若い医師に指導をしながら手術をすることで、若い医師のスキルを上げていこうということも学会の先生方と話をしています。この点では川崎重工の遠隔コントロールや「Successor(サクセサー=継承者)」技術でのシナジー効果もあります。

メディカロイド開発の国産手術支援ロボット「hinotori」

「今後のビジネス展開についてもお伺いさせてください」

このビジネスは日本市場だけでは成り立たないと考えていたので、当初からグローバル市場を視野に入れていました。2016年にはアメリカに子会社を設立し、まずはマーケティングから始めようとアドバイザリーボードと呼ばれるアドバイスしてくれる医師を現地で探して契約しました。

国内でも同じようにダヴィンチを使われている日本全国の医師の先生方からお話を伺いました。国産手術支援ロボットに期待されておりましたので、いろんなアドバイスをいただきました。私たちは医師の先生方のアドバイスがなければ前に進むことができなかったのです。12月には初めて患者様への手術を実施しましたが、準備は以前から進めており、大きな支援をいただいた地元の神戸大学で行うことになりました。また、今後は全国の病院に導入される予定ですが、安全を確認しながら一つずつ慎重にステップを踏んで進めていきたいと思います。

「具体的な売上目標があれば教えてください」

2030年売上1000億円を目指す目標を立てていますが、手術支援ロボットシステムは、販売が増えれば、手術で使用する鉗子などの消耗品の販売も増加します。

また、国内だけでなく、日本の高性能な手術支援ロボットに期待を頂いており、アジアや欧米に展開予定です。

国からも期待も強く感じています。開発・認証、医療関係者との人脈などにおいて、いろいろとご支援をいただいており、とても感謝しています。また、医師の先生方からも大きな支援をいただきました。日本はもちろん海外の先生方からも賛同とサポートをいただけたことは良かったです。

メディカロイド4

04. 求める人物像や社風について

「中途採用において、どのような人材を求めていますか」

即戦力になれる方ですね。

実際に経営してみて実感したのですが、医療ロボットビジネスは大規模な親会社がないと難しいと感じています。開発と試作品までできても、それを販売しアフターサポートできる体力がないと後が続かないと考えています。メディカロイドはオープンプラットフォームを方針としており、何もかも自前でやるのではなく、私たちに足りないところはいろんな会社と提携・協力しながら常にオープンに進めています。営業やサービスは親会社のネットーワークを最大限に有効活用する予定ですので、今は川崎重工やシスメックスでは経験が少ない領域の即戦力のスペシャリストを求めています。

社員となる方には、私たちに足りない領域でスキルを持った方に来ていただきたいと考えています。キャリア・スキルを持った方に入社していただいているので、そこは欧米企業に近い感覚がしています。一方で「私の業務はここだけです」というタイプはちょっと困りますね。ここは日本企業的な考えですが「調和」というものを大事にしたいです。経営は結局人材なんです。みんなが協力し合いながら仕事を進めることが大切だと思います。摩擦を起こしたりチームをギクシャクさせたりするような人は敬遠します。面接では「社交的ですか」「人と話をするのは苦手ではないですか」といった質問を良くしていますね。

メディカロイドは医療分野から来た人、まったく違う業界から来た人もいて、多国籍企業のようになっており、まだ企業文化がありません。これから文化をつくっていこうと考えています。その為、中途入社のハンディはまったく無いですよ。評価もフラットで入社年度も関係なく公平に行っています。

これからメディカロイドは世界に出ていくというのが大前提ですのでグローバルな文化と医療機器メーカーとしての文化を作っていかないといけないと思っていますね。今、経営ビジョンを作成していますが、川崎重工とシスメックスの良いところを取り入れながら、どちらにもないものは自分たちで作っていこうと考えています。

私自身が感じたことですが、この事業は一つの製品と言うよりも一つのプラントをつくっている感じだなと思いました。全部門が協力して一つのものを作り上げるということでないと成り立たない。みんなが協調して製品を作ることが大切ですが、正直まだそこまではできていません。経営者としてはみんなが同じ方向を向いて進んでいく組織にしないといけないと考えています。それぞれがいろんな考えを持っていると思いますが、神戸発、日本発の手術ロボットを作ろう、そこに向かってみんなでベクトルを合わせていこうという話をしてきました。

「若い人たちへどんなことを期待していますか」

川崎重工にいた頃は毎年たくさんの新入社員が入ってきました。メディカロイドでも来年から新卒が入社します。新入社員に話していたのは、何でもいいから自分の得意分野を一つ作りなさいということ。「センサーのことだったら私に何でも聞いてください」といった小さくてもいいから核を一つ作りなさいと話していました。核を作ればそこに衣がついていく。若い人がメディカロイドに入ってきても、社内にはまだまだ知識が足りない領域がたくさんあるので、そこをとことん勉強して社内の誰よりも知識を持てば、それが核となってそこから可能性が広がっていくと思います。

「キャリア入社を考える方へのメッセージをお願いします」

メディカロイドでは即戦力を期待しています。私たちにない専門領域をお持ちの方であれば、すぐに責任のある仕事をやっていただくことができます。今後、国内だけでなく海外にも進出していくことになります。そこに夢があります。今回、製品を市場に出しましたが、これはゴールではなく、あくまでもスタートなんです。「hinotori」という手術支援ロボットはこれからも進化を続けます。進化させるために、やらなきゃいけないことが山ほどあります。本体部分は出来上がっていますが、より便利により安全に手術できる機能を入れていくソフトウエア系の人材が必要です。第一線でグローバルな開発を任されて仕事をやりたい方、新しいことにチャレンジしたい方にぜひ来てほしいと思います。

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田中様とタイズ・安達(右)

05. 取材を終えて

今回、取材をさせて頂き、改めてメディカロイド社に大きな将来性を感じることが出来ました。

12月に初めての手術が行われ、成功したことや、その為の準備についても万全の施設・体制で行っており、様々な後押しも受けて、今後も成長される会社だと感じました。

また、2020年8月に製造販売承認を取得したこともあり、企業として次のステージへと進化しており、まさに「火の鳥」のように飛翔する次のステージに向けて、今後も魅力的な方をご紹介させて頂きたいと考えました。

お忙しい中取材にご協力頂きましたが、取材の合間にご家族のお話や社員の方の会話を聞いていて人を大切にされている方と感じたことや、田中様自身が転職も経験されていることから、キャリア入社の方も安心して働ける環境があるとも感じました。

この記事を書いた人

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安達 篤史

株式会社タイズ

  • 関西メーカーへの高い合格率に自信あり。メーカーへの深い知見、太いパイプを活かした転職のご支援をさせていただきます
  • 「勤務地・給与」といった条件だけではなく「働きごこち・忙しさ・社風」など転職の軸を丁寧にヒアリングさせていただきます。
  • 転職成功者の満足度は92%! ※当社経由でご転職に成功された方へのアンケートより