プラントエンジニアに資格は必要なのか?関連資格を紹介

プラントエンジニアの仕事内容は、勤務先企業や配属先によって多岐に渡ります。プラント設備の保守や点検、整備を主に行う場合もあれば、新規プラントの立ち上げを主とする場合もあるため、求められる技術や知識はさまざまです。 ここではプラントエンジニアとして転職を検討している方へ、採用に有利に働く資格や経験について紹介します。

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プラントエンジニアに必須資格はある?

プラントエンジニアとして活躍するうえで、必須資格と呼べるものは基本的にはありません。しかし冒頭で触れたように、プラントエンジニアの仕事自体が多岐に渡ることから、転職時に有利となる資格はあります。

施工管理のキャリア採用(中堅以上)のように即戦力が期待される転職の場合は、業務内容に応じた資格が必要です。20代の若手や設計部門であれば、特定の資格がなくても採用されるでしょう。

プラントエンジニアの転職に有利な資格

プラントエンジニアの中でも、基本的に実務で資格が必要となるのは施工管理を担当する場合です。この項目では、とくに設計や施工管理への転職において有利となりやすい10種類の資格について紹介します。

■技術士

技術士は、科学技術に関する高度な知識および応用能力を有し、技術者倫理を備えていることを証明する資格です。機械部門や化学部門など20の部門と総合技術監理部門があり、試験は部門ごとに実施されます。

プラントエンジニアの転職で役立てたいのであれば、以下の部門を中心に資格取得を検討すると有利です。

・建設部門
・機械部門
・化学部門
・環境部門
・衛生工学部門
・上下水部門

試験は第一と第二に分かれており、第二次試験を受けるためには一定期間の実務経験が求められます。

技術士について詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
「技術士になるには」

■技術士補

技術士補は、前述の技術士資格を取得するために第一試験に合格した方が得ることのできる資格です。また、文部科学大臣が指定した大学・その他の教育機関にて特定の課程(JABEE認定課程)を修了した方も、技術士補の資格を取得できる対象となります。

正式に技術士補の資格を取得するためには、上記どちらかの条件を満たしたうえで技術士補登録を行わなくてはなりません。

技術士補について詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
「技術士・技術補 登録について」

■エネルギー管理士

製造業・鉱業・電気供給業・ガス供給業・熱供給業は、エネルギーの使用量に応じて1人ないし4人のエネルギー管理者を選任することが義務付けられています。

エネルギー管理士の国家試験を受験するために、職歴や学歴に関する条件はありません。免状申請を行うときに1年以上の実務経験があることを証明する「エネルギー使用合理化実務従事証明書」の提出が必要ですが、試験合格後の実務経験も申請対象となります。

そのため、エネルギー管理士の国家試験にあらかじめ合格したうえで転職し、職場で1年以上の実務経験を積んでから免状申請を行う方法もおすすめです。

エネルギー管理士について詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
「エネルギー管理士」

■ボイラー技士

ボイラー技士は、一定規模以上のボイラーを運用・管理・保守点検を行うために必要となる国家資格です。工場など事業所に一定規模以上のボイラーを設置している場合、二級以上のボイラー技士を選任することが義務付けられています。よってボイラー技士の資格取得者は転職に有利になるでしょう。

二級ボイラー技士・一級ボイラー技士・特級ボイラー技士の3種類があり、取得した資格によって取り扱うことのできるボイラーの規模が異なります。

ボイラー技士について詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
「ボイラー技士」

■計装士

生産工程などを制御する測定装置や制御装置を装備・測定することに関する、専門的な知識や技術を有することを証明する資格です。1級と2級があり、1級計装士は資格取得後に1年間の実務経験を積んだ場合、建設業許可における電気工事(一般)や管工事(一般)の専任技術者になることもできます。

どちらの級も、設計・施工に関する一定期間の実務経験を積むことで受験資格を得られます。登録証の有効期限は5年間ですが、講習受講のみで更新が可能です。

計装士について詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
「計装士試験」

■電気主任技術者

工場やビルの受電設備や配線など、電気設備の保安監督を担うことのできる資格です。第一種から第三種まであり、資格によって取り扱える電圧が異なります。

・第一種…すべての事業用電気工作物
・第二種…17万ボルト未満の電圧の事業用電気工作物
・第三種…5万ボルト未満の電圧の事業用電気工作物

第三種で取り扱える電気工作物は出力5千キロワット以上の発電所を除いており、試験は一次試験のみです。(第一種・第二種は二次試験まで)

理論・電力・機械・法規の4科目からなる一次試験は科目別合格制が採用されているため、有効期限の3年以内であれば前回の合格を引き継ぐことができます。

■監理技術者(機械器具設置)

特定建設業者が合計4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上の下請契約を締結した場合、工事現場に監理技術者の配置が必要です。

土木工事業・建築工事業・電気工事業・管工事業・鋼構造物工事業・舗装工事業・造園工事業の指定建設業は、一級国家資格等を保有することで監理技術者の要件を満たせます。指定建設業以外の22業種は実務経験を積むことで同様に資格取得を目指せます。

ただし工事現場で専任の監理技術者として活躍するためには、資格取得(監理技術者資格者証の交付)に加えて監理技術者講習の受講も欠かせません。

管理技術者(機械器具設置)について詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
「監理技術者について」

■各種施工管理技士(建築、土木、電気、管工事など)

各種施工管理技士は、公共工事や建設工事などの現場において必置となる、主任技術者または監理技術者になるための資格です。電気系エンジニアの場合は電気工事施工管理技士、土木系の場合は土木施工管理技士を取得します。

一部の資格を除くと、受験資格を得るためには実務経験が欠かせません。すでに取得した状態で転職する他、新しい職場で実務経験を積みつつ資格取得を目指す方法もおすすめです。

施工管理技士(建築)について詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
「建築施工管理技士」

■建築士
建築士は一級・二級の他に木造建築士の資格があります。二級建築士は住宅規模の建築物が設計可能で、木造建築士は更に狭い範囲でのみ設計が可能です。事業用の建築物も含めて幅広く設計するためには、最も難易度の高い一級建築士の資格を取得する必要があります。

一級建築士を目指すときの最短ルートは、高校卒業と同時に7年間の実務経験を積み、まず二級建築士の資格を取得することです。更に4年間の実務経験を積んではじめて一級建築士の受験資格が得られます。

建築士について詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
「建築士」

■電気工事士

法律により、一部を除いた電気工事は安全のため、資格取得者でなくては工事を行ってはならないと定められています。電気工事士の資格も2種類あり、それぞれ以下のとおり工事可能な範囲が異なります。

・第一種…最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの工事(第二種の範囲も含む)
・第二種…600ボルト以下で受電する設備の工事(一般住宅や店舗など)

筆記試験に加えて技能試験もありますが、技能に関する試験範囲は事前に公表されているため、受験対策しやすい資格です。

電気工事士について詳しく知りたい方は、こちら のサイトをご覧ください。
「電気工事士試験」

これらの資格を取得する際、勤務先の会社によっては受験費用や資格取得手当を支給してもらえるところもあります。転職にともなって資格取得を検討している方は、応募前に確認してみると良いかもしれません。

そのほか転職に有利な経験やスキル

先にあげた10種類の資格だけではなく、転職先企業によっては有利となる経験やスキルもあります。「具体的な資格は取得していないが業務経験は積んでいる」「資格はまだ取得していないが受験予定である」という方は、転職時に経験やスキルをアピールしましょう。

転職時に一目置かれやすい経験やスキルは、次のとおりです。

経験

勤務先企業によって業務内容が多岐に渡るプラントエンジニアは、経験を重視されることも珍しくありません。即戦力が求められる場合は、以下の経験を有する人材は積極的に採用を検討してもらえるでしょう。

・大規模のプラントや案件に携わった経験
・プロジェクトマネジメントとしての経験
・周囲を巻き込んで課題解決した経験
・1からプラントを立ち上げた経験
・希望の会社に合った実績

たとえば取引先の業者や、関連する設計部隊を巻き込んで課題解決した経験があれば、アピールポイントになるでしょう。高い技術や知識に加えて課題を正しく認識・分析できる能力とコミュニケーション能力を評価してもらえるかもしれません。

経験や実績がある方は、効果的に伝える方法を模索することからはじめましょう。自力でアピール方法を考えることが苦手な方は、専門家のサポートを活用することをおすすめします。

転職エージェントのタイズは企業のニーズを理解しているため、どんな実績がアピールできるのかご相談いただけます。関西メーカーとの太いパイプがあり、業界の情報も熟知しているため、最適なアドバイスが提供可能です。

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プラントエンジニアの転職でお悩みの方は、ぜひタイズにご相談ください。

スキル

海外案件に関わったり、海外メーカーの設備や機器 を扱ったりする会社であれば、最低限のスキルとして英語力が求められます。

採用時は大きなアドバンテージとならなくとも、将来的に社内での昇進に役立つ可能性もあります。一部の実務経験や資格取得は転職後に目指すことも可能です。海外に進出している企業へ転職を検討している場合は、英語力だけでも事前に磨いておいて損はないでしょう。

まとめ

プラントエンジニアの転職で必須となる資格は基本的にありません。しかし、施工管理部門のみ必要となるケースがあります。

また、入社を希望する企業によっては、一部の資格や経験、スキルが有利に働く可能性もあるでしょう。すでにアピールできる資格や経験を持っている方は、それらを視野に入れた転職活動もおすすめです。

自身の資格や経験が転職に役立つか判断が難しい方は、ぜひタイズへご相談ください。プラントエンジニアの転職市場について熟知しているタイズなら、求職者の希望や保有資格などの強みを把握したうえで、最適なマッチングを提供します。

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この記事を書いた人

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安達 篤史

株式会社タイズ

これまで17年間、転職エージェントのコンサルタントとして従事し、これまで1,000名以上の転職支援を実施。
技術系を中心に幅広い知識・経験があり、納得感のある転職を実現している。

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