企業インタビュー
[ ダイキン工業株式会社 ]
大きな組織で自由に、社会へ大きな影響を——中途入社の知財課長が語るダイキン工業とは

左から
株式会社タイズ 担当コンサルタント 布村 優太
株式会社タイズ 担当コンサルタント 岡田 賢司
ダイキン工業株式会社 知的財産部 担当課長 土江 健司様
株式会社タイズ 担当コンサルタント 中野 大河
1924年創業のダイキン工業は、「空調」「化学」「フィルタ」を柱に、空調・冷凍機、化学、油機、特機、電子システムの事業を展開しています。
ダイキン工業は、日経ビジネスの「特許価値成長力ランキング」(2025年)で2位をつけており、事業・開発の上流から関わる知財活動が注目を集めています。
今回は、2年前にメーカー専門の転職エージェントとして人材紹介を行っているタイズをご利用いただき、ダイキン工業に転職なさった土江様へインタビューしました。ダイキン工業に転職したきっかけや入社して分かったダイキン工業の社風、ダイキン工業で知財として働くやりがいなどのお話を伺いました。
01. 成長・アクセス――転職に踏み切った2つの軸

――まずは、前職を辞めようと思ったきっかけからお願いします。
転職の理由は大きく2つあります。
1つ目は、前職でもそれなりにストレッチのある仕事をしていて、会社からの期待も感じていました。ただ、課長になってからもどこか「コンフォートゾーンでやっているな」という感覚が拭えなかったんです。もっとグローバル視点で大きく活躍できる場があるといいな、と。絶対に辞めたいわけではなく、「いいチャンスがあれば」というスタンスでした。
2つ目は、強いてあげるならですが、働く場所の問題ですね。自宅から通いやすい梅田近辺で働けたら助かるなと思っていました。
――実際の転職活動では、たくさん受けてはおられませんでしたよね。
はい。エントリーしたのはダイキン工業だけです。
「グローバル」「梅田近辺」という条件で見ていくと、選択肢はあまり多くないんですよね。総合的に見るとダイキン工業がぴったりでした。もともと良い会社だと思っていましたし、たまたま私にぴったりの募集が出ていて、「今がタイミングだ」と感じました。
――ご経歴を拝見した時点で、すごくフィットしていると感じていました。受ける前の印象はいかがでしたか?
知財の業界では“目立つ会社”という印象でした。たとえばR32冷媒の特許不行使宣言は象徴的ですよね。学生時代にダイキン工業のインターンに応募したこともあって(当時は落ちましたが)、最初から好感は持っていました。いつかチャンスがあれば挑戦したいと思っていました。
――選考中やフォローで、タイズの良かった点はありますか?
あります。私は転職時点で37歳・課長クラスで、年齢にしては希望年収も高めでした。他の複数のエージェントは「年齢的にこの希望年収は難しいです」と希望を下げる方向でしたが、タイズの担当コンサルタントは「関西の場合、ご経験とご希望にあう会社があります」とダイキン工業について詳しく説明してくれました。これを聞いていなければ、多分応募していないと思います。
ダイキン工業への理解が深いと感じました。
02. 面談で体感した、温度感が揃うダイキン工業のフラットな社風
――3回の面談で役員の方とも会われたと思います。面談のときの印象はいかがでしたか?
一次面談で「良い意味で想像と違う」と感じました。空調のグローバル企業で本社は梅田の一等地。もっとインテリジェントでシステマティックな雰囲気かと思っていましたが、一次でお会いした課長陣はとてもフランク。大阪の企業らしい温かさと親しみやすさがありました。二次でお会いした現部署の部長も話しやすく、最終で同席された当時の専務も気さくで、終始リラックスして対話できました。役員が登場する面接でも過度に構える必要がなく、組織全体で“人に向き合う温度感”がそろっていると感じました。
実際に入社してからも、社風は非常にフィットしていると思いました。上下の距離が近く、肩書きに関係なくフラットに意見交換できる。自分にはその開放的で風通しのよい文化が心地よかったです。
03. ダイキン工業へ入社して感じた「勝ち」にこだわる社風

――入社当初の印象を教えてください。
いい意味で、“インテリジェントでシステマティック一辺倒”ではない会社でした。社内でも「大阪最大の中小企業だ」と表現する人もいます。仕組みだけに頼らず、人と人がつながって仕事が前に進む場面が多いです。
本当に会社を良くしようと思うと、部門の壁を越えて“縦/横/斜め”にアプローチしないと前に進まないし、その過程で人とのつながりが太くなる。斜め上/斜め下の人にもどんどんアプローチしますね。
そういう文化なので、整ったやり方で淡々と仕事したい人には向かないかもしれません。一方で、自分で手足を動かすのが心地いいタイプにはすごく合う会社だと、入社して実感していますね。
――前職には“斜め”の動きは少なかったですか?
前職だけではなく、多くの会社は「上を通して」「同じ職位で話してから」が基本ですよね。
ダイキン工業はそれがなく、いきなり横の部署にアプローチできる。逆に斜め上の役員から話が飛んでくることもあります。動ける人が、部署の枠組みにとらわれずに動く文化ですね。
――知財の範囲を超えていることについては、どのようにお考えですか?
たとえば展示会や団体のイベントなど、知財業務と直接関わりのない領域にも自ら出向いて情報を取りに行き、事業・開発サイドにレポートする。現地現物で情報を取ることが、例えば知財戦略を語る上での説得力をぐっと高めると考えています。
部署としても「自分の足で稼ぐ」ことを推奨しており、特に私のチームはその色が濃いですね。
――突発的な仕事が発生したり、自分の足で動いたりする場面が多いとのことですが、上司からはどのような指示が出ているのですか?
実は、大きな方針はありますが、細かな指示はほとんどありません。各課長が「今」と「5年先」を見据えて、自律的にやることを判断しています。
――中長期で考えておられるのですね。
はい。根本にあるのは「ダイキンが勝つためにどうするか」。5年、10年先まで視野を伸ばし、現在の競合を踏まえて将来の脅威を想定し、「そのためにどんな武器を揃えるか」を部長や課長がアンテナ感度高く考えます。もちろん部長とは議論しますが、「今期はこれを必達」といった細かなアクションプランが引かれているわけではありません。
――「勝ち筋を自分で描ける人」に任せているわけですね。
その通りです。そういう人は自然と上層に抜擢される印象を持っています。知財に限らず他部門でも同様で、「ダイキンが勝つには」を自分ごととして捉え、主体的に人を巻き込み、動かせる人が上層で活躍しています。
――管理職層の一体感は感じますか?
感じます。マインドの高い人やトップ層が「発展し続けなければ競合に負ける」という健全な危機感を持っていて、会社全体に浸透しています。
社内では競合の動向の情報が頻繁に流れ、日々の行動につながっています。「じゃあどうする?」と建設的に考えるムードがありますね。
――レポートラインはどなたに向いていますか?
知的財産部の部長にレポートしています。部長は中途入社12年ほどで、良い意味で“純・知財”に寄り過ぎず、ビジネス視点で先を見ています。私が部長のマインドに影響を受けている部分も大きいです。
現地現物で動くことを評価してくれて、「どんどんやれ」と背中を押してくれるタイプです。時には「もっといけ」と高めのボールももらいますが、良い方向に引っ張ってもらっています。
――上との距離が近いという話を聞きます。前職と比べると違いはありますか?
前職も自部門は近かったですが、今は“斜め上”の偉い人、つまり他部署の部長・本部長クラスにもフラットにアプローチできる空気感があります。
会社をよくするために、そういった人たちをどんどん巻き込んで進めていく文化がありますね。
04. 一歩先を行くダイキン工業の知的財産とは

――現在の担当領域を教えてください。
現在、AI・IoT・ソフトウェアの知財全般を見ている課長を務めており、業務として大きく3つの柱があります。
1つ目は、特許出願など、いわば“特許という武器”をつくる仕事です。第三者特許のクリアランス調査も行っています。
2つ目は、いわゆるIPランドスケープと呼ばれる知財分析です。非知財情報と知財情報を掛け合わせて分析し、事業・開発や知財戦略の進む方向を決めていきます。知財分析は他のチームが中心として動いており、そのチームのメンバーと連携して、ソリューション領域を担当しています。
3つ目は、特許以外。たとえばAIの著作権や、オープンソースソフトウェアのライセンス対応です。
特許以外の守備範囲もかなり広く、AIやIoT、ソフトウェアの領域は「ダイキン工業らしくない」分野ですがそこもスコープに入っている形です。
――ダイキン工業自体がAI・IoT・ソフトウェアの分野に力を入れている方向性なんですよね。
そうです。中期計画「Fusion 25」では、ソリューションを重点強化する戦略を立てました。次の「Fusion 30」では、その流れがさらに加速する見込みです。
「モノ売り」から「コト売り」へのシフトに伴い、ソフトウェアの比重は一段と高まります。一方で、当社は機械系を長く強みとしてきました。そのため、ソフト面ではまだ厚みが足りない部分もあります。
ソフト面の強化なども含め、人材育成も積極的にしており、具体的には社内大学「ダイキン情報技術大学」で進めています。同時に、外部協創などで外部の力も取り込み、世の中の速い変化に対応しております。ここに知財としても深く関与しています。
ただ、知財だけでは完結しないので、事業・開発の上流から入ります。情報分析はその基盤として非常に大切ですね。
ソリューション分野に限らないですが、最近は分析を必要とした事業・開発部門から知財に声がかかる風土ができつつあります。他社でよく聞く「分析の社内需要が少なくて、知財からの提案が刺さらない」とは逆の状況で、需要が大きく供給が追いつかないくらいです。
――業務のやりがいについて教えてください。
AI・IoT・ソフトウェア領域の知財は、会社が最優先で伸ばしているソリューションビジネスの“土台”を支える役割です。知財の枠を超えた動きが多く、常に刺激的ですし、必要とされている実感も強いです。気を抜くと競合に先にやられかねないので責任が重いですが、その分やりがいも大きいですね。
また、私は物事を広く俯瞰し、人を巻き込みながら前に進めるのが得意です。社内外の数多くのステークホルダーに対応する必要があった前職での特許訴訟やライセンス交渉の経験がそのまま活きており、今のポジションにちょうどフィットしていると感じています。
――土江様の業務に対する高いモチベーションは何ですか?
入社後に自己棚卸しの機会があり、自分の生きる軸は家族――特に子どもだと再確認できました。私の人生の最期に「パパの人生、わりと良かったで」と2人の息子たちに言えるようにするには、どうやって生きていったらいいか。
しんどいときには「今何を踏ん張るべきか」「かっこいいパパでいるために今どう振舞ったらいいか」と考えますね。
――ダイキン工業への入社前後で、その考え方は変わりましたか?
根本は同じですが、踏ん張るべき軸の解像度が上がって、馬力が増しました。環境に後押しされて自分のスタイルが磨かれた感覚があり、その進化を心地よく思っています。
05. 大きな組織で自由度高く、社会に大きな影響を与えたい人はダイキン工業へ

――御社に向いている人物像を教えてください。
今までの話をまとめると「自分で課題を見つけて、部門や階層の壁を気にせず“縦・横・斜め”に動ける人」です。
これを言い換えると「大企業で働きたいけど、ベンチャー気質もある人」。ある程度の安定は求めるけれど、自由に動き回りたい――そんな人に合います。
ベンチャーと比べると事業規模やリソースは大きいので、大企業のリソースを活かしつつ、ベンチャーのように動き回って大きい仕事をこなし、経験をどんどん積めます。動ける人には年齢で線引きがありません。大きな案件を任されている30歳前後の社員もいますね。
逆に、与えられた仕事だけを淡々とこなすタイプだと、ダイキン工業では少しくすぶるかもしれません。仕組みだけでは回らない分、前に出て動いて人を巻き込まないと、厳しい場面もあります。
――応募を考えておられる方へ、メッセージをお願いいたします。
活躍できるのは「自分で課題を見つけ、周りを巻き込み、まず一歩を踏み出せる人」です。 事業・開発・知財ともに人手を必要としているので、成長機会を求めて手を挙げてくれる方には、チャンスがどんどん与えられます。新卒・中途も問いません。
選考目線では「なぜダイキン工業なのか」「入社後3ヶ月で何を変えるのか」「ダイキン工業で何を実現したいのか」を具体的に語れることを重視しています。
大企業のリソースを活かしつつ、ベンチャーのように動ける会社を求める気質の方にとって、これ以上ない舞台だと思います。
「大きな組織で自由度高く、社会に大きな影響を与える仕事をしたい人」はぜひダイキン工業へ!お待ちしています。