物流は社会を動かす――未来を変える挑戦を、豊田自動織機 物流事業室で

――まずは自己紹介とこれまでのご経歴についてお聞かせください。

大学院では機械工学を専攻し、2008年に入社しました。人事研修・工場実習・技術研修を経て、東京の物流ソリューション部門に配属されました。以来、全国の販売店と一緒にお客様を回る「技術営業」を経験し、室長としてマネジメントも担当しました。2023年1月からは高浜工場に異動し、同年4月からは企画管理室も兼務しています。

――入社のきっかけや理由について、教えていただけますか？

実家が鉄工所を営んでいたため幼少期から“ものづくり”に親しみ、大学では材料分野を専攻。より広い視野で社会に貢献したいと考える中で、「トヨタの源流企業」という安心感とフォークリフトへの親しみが決め手でした。

――東京から高浜工場に異動された背景と、実際に高浜工場にご異動されてみて感じるやりがいを教えてください。

東京では39歳という比較的若い年齢で室長を任され、多様な組織と連携しながら人を巻き込みつつ業務を進める力をさらに磨く必要があるとの判断から、高浜工場への異動が決まりました。これを私自身の成長を促す新たな挑戦と捉えています。

高浜工場での業務では、物流ソリューション事業室として全国の協力会社と連携し、機器を組み合わせ、システムとして納めるプロセスを担当しています。東京時代と異なり、技術や施工部門との距離が近いため、業務のスピード感や効率性が格段に向上していると感じます。また、より広範な業務を手掛けることで、多くの関係者と協力しながら成果を追求するダイナミズムを味わえる点に、大きなやりがいを感じています。

国内外の最先端システムを含む様々な選択肢を組み合わせ、お客様現場にとっての「最適解」を提案

――物流ソリューション事業の概要を教えてください。

近年、物流需要の増加、労働力不足などを背景に、工場や倉庫、空港など世界中のあらゆる物流現場で省人化・効率化が求められ、お客様のニーズが多様化しています｡これに対し、当社ではトヨタフォークリフトや国内外の最先端技術・機器を組合せ、トヨタ生産方式をベースとした多様な現場に適した物流ソリューションを提供しています。

――御社の強みや、競合優位性を教えてください。

最大の強みは「自社製品に限定しない最先端の複合ソリューション提案力」です。世界中の市場から最適な製品を選び、トヨタ品質を担保してお客様に提供します。他社製品でも責任を持って対応します。キャリア入社者からも「幅広く提案できるのが魅力」という声をもらいますね。

――広いラインナップは戦略の一環なのでしょうか？

そうですね。この業界は変化が早く、新しい製品が次々と登場します。その背景から、最適なものを選んで組み合わせる今のスタイルを取っています。

搬送機器はコモディティ化が進み、単体性能だけでは差別化が難しい時代です。だからこそ私たちは“エンジニアリング力”を軸に、お客様の課題に向き合い、具体的な解決策を提案することに力を注いでいます。

――自社製品が無いときは、提携・協力会社の製品を提案する形ですか？

そうですね。たとえば他国に注目製品があると聞けば実際に見に行き、“こう使えそうだ”とトライします。お客様から「この商品を使いたい」とリクエストをいただくこともあり、その際はこちらで伺い、最適な組み合わせをご提案します。

――幅広い提案をする分、技術者に求められるハードルは高そうです。

確かに、幅広い知識や最新トレンドの把握は欠かせません。お客様の多くは製造業で、物流に詳しくないケースも多いため、私たちが適切に提案し、信頼を得ることが非常に重要です。

物流の専門会社であれば自分たちで製品を選ぶことができますが、そうでない企業にこそ私たちの存在意義があります。お客様の立場に立って最適な解決策を提示できることが、私たちの強みであり、大きな商機につながっているのです。

――物流ソリューション事業の業績好調の背景を教えてください。

物流ソリューション事業は、もともとトヨタ工場向けの自動搬送ロボット（AGV）の開発から始まりました。2001年には、従来当社で開発・製造を担っていたフォークリフトの販売部門が当社に統合されたことで、事業の拡大がさらに加速しています。
自動化ニーズの高まりを背景に、会社として積極的な投資を進めています。特に海外では現地企業の買収によるシナジー効果を活かし、事業展開を拡大しています。

豊田自動織機の物流事業の強み：自動化ありきではなく、柔軟性・拡張性を意識した人と機械が調和する仕組みを提案

――物流ソリューション事業室のミッションや役割、規模について教えてください。

物流ソリューション事業室は、営業から設計・情報・サービスまでを一貫して担う部門です。国内では約40の販売店を通じてお客様にソリューションを提供し、海外では子会社や関係会社と連携。グローバルにおいてフラッグシップ的な役割を期待されています。

在籍は約350名で、トヨタL&Fカンパニー全体で3,000人以上いる中では比較的コンパクトな組織です。この規模感により、意思決定が速く、チーム間の連携も取りやすいのが特徴です。

――物流ソリューション事業室ならではの風土や文化について教えてください。

トラブルや課題も発生しますが、「誰の責任か」を追及するよりも、すぐに共有して協力し、解決へ動く文化があります。部署の垣根を越えて相談できる風通しの良さや、助け合いの精神が根付いているチームワークの良さが強みです。

――御社全体としても、チームを重んじる風土が強い印象があります。

トヨタグループの中でも、当社は“みんなで考える”文化が強い会社です。突出したリーダーが引っ張るよりも、チームで協力して進める風土があります。グループ内でも「おとなしい会社」と言われることが多いですが、それは協調性の表れでもあります。

――会社からの期待や責任を感じる場面はありますか？

公式リリースでも「物流ソリューション事業に投資して伸ばす」と明言しており、部門全体が強い意識を持っています。人口減少による自動化需要の高まりもあり、成長が見込まれる分野です。

――その実現に向けた今後の方針や取り組みについて教えてください。

全国に業界最多の営業・サービススタッフを擁し、どこでも同じサービスを提供できることが当社の強みです。今後は、各販売店との協業・連携をさらに強化し、より多くのお客様にサービスをお届けしていきます。また、自社製品の開発にも一層注力し、お客様の物流業務の効率化と発展に貢献してまいります。

当社のフォークリフトを導入しているお客様でも、まだまだ当社の物流システムを利用していただけない現状課題があります。国内で圧倒的シェアを持つフォークリフトの強みを活かし、お客様にソリューションを提供していきたいと考えています。

――お客様の業界特性についてはいかがでしょうか？

製造業や運輸業が中心ですが、農業や港湾など幅広い分野で導入が進んでいます。特に製造業の工場や倉庫では強みを発揮し、自動車部品メーカー、食品・飲料、卸売業など多様な現場に展開しています。

――トヨタグループとしての信頼は強みですね。

そうですね。豊田自動織機の社員であっても、お客様からは“トヨタさん”と呼ばれることが多いです。看板を背負っているという誇りと責任を強く感じます。

一方で「トヨタが自動倉庫までやっているとは知らなかった」と驚かれることもあり、情報発信の余地はまだまだ大きいと感じています。

――東京と高浜工場での役割や立場の違いについて教えてください。

当社には東京・高浜・大阪の3拠点があります。東京や大阪はお客様に近い位置で、セールスエンジニアリングのような中間的な役割を担う部隊が中心です。

一方、高浜工場には設計・施工・サービスまでが揃っており、営業が案件を獲得すると高浜で詳細設計から施工計画、サービス提案を行います――まさに情報と人材が集まる拠点です。

――それぞれの拠点の人数について教えてください。

東京には約80名が在籍しており、そのうち60～70名は直接販売を担う部署に所属しています。大手のお客様から直接依頼をいただくケースも増え、東京は直接販売の中心拠点になっています。大阪は7～8名規模のチームで活動しています。

――高浜工場の方々の通勤手段はいかがでしょうか？

名古屋・豊田・岡崎など周辺地域から車通勤する人が多いですが、刈谷駅から会社バスも運行しています。朝は10分おき、夜は21時頃まで30分おきに出ており、非常に便利です。

――三河エリアの住み心地はいかがでしょうか？

東京と比べると、自然に囲まれてのびのび暮らせるのが魅力です。名古屋までは快速で約20分とアクセスも良く、都市と自然の両方を享受できます。子育て支援も手厚く、ご家族のいる方にとってとても住みやすい環境です。

――入社される方は愛知県出身が多いのでしょうか？

拠点ごとに近隣から応募いただくケースが多いですが、特に設計や施工など技術系は愛知出身が多いです。地元に戻りたい、愛知で働きたいという思いで選んでくださる方も多く、そうした方にとって当社は最適な環境だと思います。

――中途採用では、どのような人柄やスキルを持った方を求めていますか？

人に負けない“自分の強み”を持っている方を歓迎しています。営業なら「同じ製品・同じ価格なら誰から買うか」が大切で、最初に見られるのは人柄です。そのため、コミュニケーション力や人当たりの良さは欠かせません。

技術・施工・サービスなどどの仕事も人と関わりながら進めるため、仲間と一緒に仕事を楽しめる方に来ていただきたいですね。

面接でもコミュニケーション力に着目しています。

――物流ソリューション事業室で活躍している方には、どんな共通点がありますか？

真面目でスキルが高い方よりも、元気でやる気があるタイプが成長しています。転職直後は不安を感じることもあると思いますが、「おはようございます」「ありがとうございました」と積極的にコミュニケーションを取れる人は早く馴染み、結果的に伸びていきますね。

キャリア入社者の方には“新しい風”をもたらしてほしいと期待しています。

――キャリア入社者の割合はどのくらいでしょうか？また、入社される方の出身業界に特徴はありますか？

物流ソリューション事業室は約350人ですが、そのうち約130人がキャリア採用です。半数弱がキャリア入社者となっており、非常に多いですね。

また、出身業界としてはエレクトロニクス、半導体、機械製造などが多いです。生産技術の経験を持つ方も活躍されています。
設計なら設計経験、情報なら情報システム経験など、前職で培った専門性をそのまま活かして即戦力となる方が多いですね。

――入社後の研修やフォロー体制について教えてください。

入社後は人事研修、部署での受け入れ研修を経て、先輩社員が指導役となりOJTで学んでいただきます。伴走しながらしっかりサポートする体制なので、安心して挑戦できます。

――最後に、応募を検討されている方へメッセージをお願いします。

物流は今や日本のインフラに近い存在です。その物流の未来を変え、支えるチャンスがここにはあります。本当にやりがいの大きい、面白い仕事です。ぜひ私たちと一緒に挑戦していただきたいと思います。お待ちしています！