企画職転職を完全攻略！仕事内容や成功に必要なスキル

アイデアを形にして、事業の成長や課題解決につなげる企画職。この記事では、企画職の種類や具体的な仕事内容、求められるスキル、そして転職成功のポイントまでを網羅的に解説します。企画職の転職に興味のある方必見です。

アイデアを形にし、企業の成長を支える「企画職」。やりがいの大きい仕事として注目される一方で、仕事内容や求められるスキルが幅広く、転職を考える際にはしっかりとした理解と準備が必要です。

この記事では、企画職の種類や具体的な仕事内容、求められるスキル、やりがいと難しさ、さらには転職を成功させるためのポイントまでをわかりやすく解説します。未経験から企画職を目指したい方も、転職でキャリアアップを考えている方も必見です。

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―目次―

1.企画職とは？仕事内容と役割
2.企画職に求められるスキル・経験・資格とは？
3.企画職に向いている人の共通点とは？求められる人物像を解説
4.企画職への転職で効果的にアピールすべきポイントとは？
5.業界ごとに異なる企画職の役割と特徴
6.企画職への転職を成功させるために押さえておきたいポイント
7.企画職の待遇とキャリアパス
8.企画職の最新動向と広がるキャリアの可能性
9.未経験から企画職を目指すには？準備と戦略でチャンスをつかむ方法
10.まとめ｜企画職への転職は準備と理解が成功の鍵

企画職とは？仕事内容と役割

企画職は、企業活動において「何を」「どのように」行うかを考え、具体的な計画を立案し、実行を推進する役割を担います。市場や顧客のニーズ、自社の強みや弱みを深く分析し、新しい価値を創造したり、既存の課題を解決したりすることがミッションです。事業の根幹を支え、企業の成長を牽引する重要なポジションであり、企画職への転職は多くのビジネスパーソンにとって魅力的なキャリアパスとなっています。

企画職の種類は多岐にわたり、商品企画、経営企画、事業企画、マーケティング企画、広報企画、Web・デジタル企画などがあります。それぞれが異なる専門性を持ち、企業の異なる側面で活躍します。企画職への転職を検討する際は、どの種類の企画職が自身の経験やスキル、興味と合致するかを理解することが重要です。

以下でそれぞれの企画職について、特徴と具体的な業務について解説します。

商品企画職

新たな商品やサービスを市場に送り出すための戦略を立案し、開発から販売までを一貫して担当します。
具体的な業務としては、市場調査や競合分析を通じて顧客の潜在的なニーズを発見し、コンセプトを策定します。その後、製品仕様の決定、デザインや機能のディレクション、製造部門との連携、マーケティング戦略の立案、販売後の効果測定まで、幅広い業務があります。
消費財やITサービス、アパレルなど業界によって扱う商品は異なりますが、常に「顧客が本当に求めるものは何か」を追求する仕事であり、発想力や創造性が求められる側面も持ち合わせています。

経営企画職

企業の未来を左右する経営戦略の中枢を担う重要なポジションです。中長期的な事業計画の立案、新規事業の立ち上げ支援、M&A（合併・買収）の検討、組織再編、予算の策定、さらにIR（投資家向け広報）活動の支援まで、経営全体に関わる幅広い業務を担当します。

経営層と密に連携しながら、企業の方向性や意思決定に関わることで、企業価値の向上を図っていきます。そのためには、高度な分析力、論理的な思考、そして全社的な視点で物事を捉える力が不可欠です。

事業企画職

特定の事業領域における成長戦略の立案から実行までを担うポジションです。既存事業の改善、新規事業の立ち上げ、他社とのアライアンス（業務提携）の推進、収益モデルの構築など、担当事業の発展に直結する施策を企画・推進します。市場環境の変化を敏感に捉え、成長のチャンスを見極めたうえで、具体的なアクションに落とし込む実行力が求められます。

経営企画職が「企業全体の視点」で戦略を描くのに対し、事業企画職は「事業単位の視点」で現場に近い戦略立案・遂行を担う点が特徴です。

営業企画職

営業部門の目標達成をサポートするために、戦略を立てて営業活動の効率と成果を最大化する役割を担います。具体的には、営業戦略の立案やプロモーション企画、営業ツールの作成、営業データの分析、研修プログラムの企画、インセンティブ制度の設計など、多岐にわたる業務を担当します。

営業現場で起きている課題を見つけ出し、データに基づいた改善策を提案することで、チーム全体の営業力向上に貢献します。営業経験を活かしてキャリアチェンジを考えている方にとって、営業企画職は最もイメージしやすく、スムーズに挑戦しやすい企画職のひとつと言えるでしょう。

マーケティング企画職

商品やサービスをどう売るかの戦略を立て、顧客との最適な接点を作り出す役割を担います。販売促進のためのキャンペーン立案、広告媒体の選定と運用、プロモーション施策の企画・実行、各種イベントの企画・運営などが主な業務です。

市場分析や顧客データの活用を通じて、ターゲットとなるユーザー層を明確にし、購買行動を促す仕掛けを設計します。また、企画した施策の効果測定や改善提案も重要な業務のひとつです。ブランディングから販促まで幅広く関わるため、クリエイティブな発想力とロジカルな分析力の両立が求められます。

広報企画職

広報企画職は、企業のブランドイメージ向上や認知度拡大を目的とした広報戦略を立案・実行します。メディアリレーション（報道機関との関係構築）、プレスリリース作成、危機管理広報、SNS運用、イベント企画、社内広報などが主な業務です。企業と社会、顧客、従業員との良好な関係を築き、企業のメッセージを効果的に伝える役割を担います。

Web・デジタル企画職

ECサイトやSNS、アプリ、Webメディアなどのオンライン領域における企画・改善を担う職種です。アクセス解析やユーザー行動データの分析をもとに、サイトやコンテンツの改善提案を行い、CVR（コンバージョン率）の向上やエンゲージメント強化を図ります。

具体的な業務としては、Webキャンペーンの設計、SEO・コンテンツ企画、SNS戦略の立案、UI/UX改善、広告運用などが挙げられます。テクノロジーの進化に合わせて、新しいツールやトレンドへのキャッチアップも欠かせません。デジタルリテラシーに加えて、数値を読み解き、すばやくPDCAを回すスピード感が求められるポジションです。

企画職のやりがいと厳しさ

企画職の最大の魅力は、自分のアイデアや戦略が実際の「形」となり、企業や社会に影響を与えられる点にあります。市場のニーズを見極め、課題を解決する新しい商品やサービスを生み出す瞬間には、大きな喜びと達成感があります。
また、経営層、他部門、外部パートナーなど、さまざまな立場の人と連携しながらプロジェクトを進めていく中で、視野が広がり、ビジネスパーソンとしての成長も実感できます。

「自己成長」と、自身の企画が企業や市場に与える「影響力」を実感したい方にとって、企画職は非常にやりがいのある選択肢です。

一方で、企画職には大きな責任とプレッシャーも伴います。すべてのアイデアが採用されるわけではなく、時間をかけて練った企画が採用に至らないことも珍しくありません。
複数のプロジェクトを並行して進める必要がある中で、限られた時間とリソースで成果を求められる場面も多く、スケジュール管理や優先順位の判断が求められます。

また、社内外の関係者と意見をすり合わせ、合意形成を図るプロセスには根気と交渉力が必要です。企画職は結果が重視される仕事でもあるため、数字への責任感や、失敗から学び続ける姿勢も欠かせません。

企画職に求められるスキル・経験・資格とは？

企画職への転職を成功させるには、アイデア力や分析力といった企画ならではの力に加え、ビジネスの基本スキルや業界知識も求められます。ここでは、具体的にどのようなスキル・経験・資格が武器になるのかを整理してご紹介します。

ビジネスの土台となるPCスキル

企画職はアイデアを形にし、関係者を動かしていく仕事です。そのため、以下のようなPCスキルは必須といえます。

• Word：企画書・提案書・報告書などの文書作成に使用。文章構成力や読みやすいレイアウトの工夫も求められます。
• Excel：データ集計や予算管理、進捗管理などに活用。関数やピボットテーブルを使いこなせると、業務の幅が広がります。
• PowerPoint：プレゼン資料の作成に欠かせません。相手に伝わる資料を作る力が評価されます。

アイデアを形にする力｜発想力と論理構築力

企画職の核となるのが、「アイデア力」と「企画力」です。
アイデア力は、既存の枠にとらわれず、斬新な発想で課題解決や価値創出の糸口を見つける力です。日常的な情報収集や好奇心が重要です。

そして企画力は、ひらめいたアイデアを実現可能なプランへと落とし込む力です。市場分析や競合分析、SWOT分析などのフレームワークを用い、論理的かつ実行可能な企画を立案することが求められます。

業界理解とトレンド感度も不可欠

どれほど優れたアイデアであっても、業界の実情や顧客ニーズから外れていては、実現性や効果が薄れてしまいます。たとえば、IT業界であればAIやSaaS、IoTといった最新の技術トレンドへの理解が求められます。消費財業界であれば、消費者の購買行動や流行の変化といったマーケットの動向を把握しておくことが重要です。さらに、製造業では生産プロセスやサプライチェーンに関する知識が欠かせません。

このように、企画の内容は業界ごとの特性や動向と密接に関わるため、自分が関わる事業領域について常にアンテナを張り、トレンドをキャッチアップし続ける姿勢が不可欠です。

転職時に強みになる資格とは？

企画職に必須の資格はありませんが、以下のような資格を取得していると、専門性や学習意欲をアピールできます。

MBA（経営学修士）

経営企画・事業企画職を志す方にとって強力な武器に。経営全体を俯瞰する視点が身につきます。

中小企業診断士

経営課題に対する分析・改善提案スキルを証明。特にBtoB事業に携わる方におすすめです。

PMP（Project Management Professional）

プロジェクトマネジメント力を客観的に示す国際資格。複雑な企画を推進する力が問われる職種で有利になります。

統計検定

データ分析力を証明できます。データドリブンで戦略を組み立てる企画職に適しています。

企画職に向いている人の共通点とは？求められる人物像を解説

企画職に向いている人には、いくつかの共通した特徴があります。まず、好奇心が旺盛で、常に新しい情報やトレンドにアンテナを張れる人は、変化の激しいビジネス環境の中で柔軟な発想を生み出しやすく、企画の源泉となる知識を自然と蓄えています。

また、集めた情報を分析し、課題を的確に捉えて解決策へとつなげる「論理的思考力」も欠かせません。感覚やひらめきだけでなく、根拠に基づいた企画立案が求められるためです。

社内外の関係者と連携しながらプロジェクトを推進していくうえでは、高いコミュニケーション能力と、周囲を巻き込む力が重要になります。調整力や交渉力も企画を前に進めるための武器となります。

そしてアイデアを出して終わりではなく、実行に移して成果を出す行動力と、困難があっても前向きに取り組み続ける粘り強さも、企画職で活躍するうえでは不可欠です。

現状を良くしたいという課題解決への意欲を持ち、自ら考え、動き、形にしていける人こそ、企画職にフィットする素質を備えていると言えるでしょう。

企画職への転職で効果的にアピールすべきポイントとは？

企画職への転職を目指す際は、これまでの経験を「いかに企画職の業務に結びつけて伝えられるか」が大きな鍵になります。職種ごとにアピールの仕方は異なりますが、共通して大切なのは成果だけでなくプロセスや再現性を示すことです。
以下で、ケースごとのアピール方法について解説します。

【営業職から企画職へ】数字の裏にある工夫や課題解決力を伝える

営業経験は、顧客ニーズの把握力や市場感覚といった、企画職でも活かせる力の宝庫です。ただし営業成績が良かったことを数字だけでアピールするのではなく、「なぜ成果が出せたのか」「どんな課題をどう解決したのか」「どのような提案を行ったのか」など、具体的な行動や工夫を添えて説明しましょう。これにより、企画職で必要な課題発見力や提案力が備わっていることを伝えられます。

【企画職の経験者】成果だけでなく“再現性”を伝える

すでに企画職としての経験がある方は、手掛けた企画の成果に加え、その背景や思考プロセスを丁寧に伝えることが重要です。たとえば、どんな課題に対してどのようなアプローチで企画を立てたのか、どこが難しかったのか、それをどう乗り越えたのか。そして何より、「同じような成果を別の環境でも再現できる」ことを示すために、自分なりの工夫や判断基準も合わせて伝えると効果的です。

【未経験者】企画職に活かせるスキルやエピソードでポテンシャルを示す

営業や企画の経験がなくても、これまでの業務で身につけたスキルをうまく言語化することで、企画職への適性をアピールできます。たとえば、事務職でのデータ分析経験は「分析力」、業務改善の提案経験は「提案力」、部署間の調整や外部とのやり取りは「交渉力・調整力」として伝えられます。

また、「どのような課題を見つけ、どう解決に動いたか」といった実際のエピソードを交えて話すことで、自分が考えて動ける人材であることを印象づけられます。実績がなくても、行動と思考のプロセスを丁寧に伝えることで、高いポテンシャルを示すことができます。

業界ごとに異なる企画職の役割と特徴

企画職の役割や求められるスキルは、業界によって大きく異なります。自分の興味やこれまでの経験と照らし合わせて自分に合ったフィールドを見つけることが、企画職への転職成功の鍵になります。

トレンドを形にする楽しさ｜化粧品・雑貨業界の商品企画

化粧品や雑貨業界の商品企画職は、流行やユーザーの感性に敏感であることが求められます。市場の動きやSNSの反応をいち早くキャッチし、「今ほしい」と思わせる商品を企画していきます。

美的センスやブランドイメージへの理解、さらにはマーケティング視点も重要です。自分の企画した商品が店頭に並び、実際に手に取られる瞬間には、企画職ならではの大きな達成感が得られます。

技術と戦略をつなぐ｜機械メーカーの事業企画

BtoB領域で活躍する機械メーカーの事業企画職は、長期的な戦略設計と技術理解のバランスが求められる仕事です。製品開発から販売までに時間がかかるため、5年先・10年先を見据えて市場や競合の技術動向を分析し、事業の方向性を描いていきます。

また、海外展開を視野に入れた企画も多く、グローバルな視点やプロジェクト推進力が磨かれる環境です。地に足のついた戦略で、大きなビジネスを動かすやりがいがあります。

データとスピードが武器｜デジタルマーケティングの企画職

近年需要が急増しているのが、ECサイトやSNSを活用したデジタルマーケティング領域の企画職です。顧客データをもとにした施策立案やA/Bテストの実施、リアルタイムでの効果測定など、スピード感のあるPDCA運用が特徴です。

新しいツールやプラットフォームが次々と登場するため、学習意欲や柔軟性が求められます。変化を楽しみながら、数字で結果が見える仕事にやりがいを感じる方に向いています。

企画職への転職を成功させるために押さえておきたいポイント

企画職は人気の高い職種であり、採用の競争率も比較的高めです。だからこそ戦略的な準備と計画的な行動が欠かせません。ここでは、求人の探し方から面接対策、キャリアパスの考え方まで、企画職への転職を成功に導くための具体的なポイントを解説します。

効率的に求人を探すために｜情報収集、条件の整理

企画職の求人を探す際は、情報源の使い分けと希望条件の明確化が重要です。

転職サイト

職種や業界、勤務地などで絞り込んで検索でき、幅広い求人情報を収集できます。

転職エージェントの活用

非公開求人や企業の詳細情報を得られるだけでなく、キャリアアドバイザーから書類添削・面接対策のサポートも受けられます。

スカウトサービスの登録

自分のスキルや経歴を登録しておけば、企業から直接オファーが届く可能性もあります。

また、業界・職種・企業規模・勤務地・年収など、自分にとって「譲れない条件」と「妥協できる条件」を整理しておくことで、効率よく求人を見極めることができます。

面接対策のポイント｜具体性と一貫性

企画職の面接では、これまでの経験やスキルが応募先の業務にどのように活かせるのかを、具体的かつ論理的に伝えることが求められます。その際に有効なのが「STARメソッド（Situation・Task・Action・Result）」です。どのような状況で、どんな課題に直面し、どのような行動をとり、最終的にどんな成果を上げたのかという流れで語ることで、経験の再現性や実行力をより説得力のある形で伝えることができます。

また、企業研究も欠かせません。事業内容や業界内での立ち位置、企業理念や直近の動向を事前にしっかり把握したうえで、それらと自身の経験や志向がどうつながるかを志望動機に落とし込むことで、企業との親和性をアピールできます。

さらに、面接の終盤で行われる逆質問も重要です。「入社後にどのように貢献できるか」という視点を意識し、具体的かつ前向きな質問を用意しておくことで、志望度の高さや主体性を示すことができます。

本番前には、転職エージェントや信頼できる知人との模擬面接を通じて、自分の話し方や伝え方を客観的に確認しておくと安心です。準備を重ねることで、自信を持って面接に臨むことができるでしょう。

ポートフォリオで実績を「見える化」する

商品企画やWeb企画、マーケティング企画など、成果物がある職種ではポートフォリオの提出が強力なアピール材料となります。過去の企画書、提案資料、施策の効果レポート、ビジュアル資料などを整理し、自分の実力を視覚的に伝えましょう。

転職エージェント「タイズ」は、2005年の創業以来メーカーに特化した転職支援を行ってきているので、専門的なノウハウや経験が豊富です。企業目線での書類選考ポイントをお伝えできるため、タイズ経由の書類選考通過率が高いという声も頂いています。タイズの転職サポートにご興味のある方はぜひご相談ください。

企画職の待遇とキャリアパス

企画職における待遇や将来のキャリアパスも、転職前にしっかり確認しておきたいポイントです。

給与水準や賞与の傾向

企画職の給与は、業界や企業規模、これまでの経験やスキル、担当する業務内容によって大きく異なります。たとえば、IT・Web業界や大手企業、または専門性の高い経営企画職などでは、比較的高水準である傾向があります。

一方、未経験から企画職へ転職する場合は、スタート時の年収がやや低めに設定されることもありますが、入社後に実績を積むことで年収が上がっていく可能性は十分にあります。成果や評価が給与に反映されやすいのも、企画職の特徴のひとつです。

賞与については、企業の業績や個人のパフォーマンスに応じて支給額が変動します。特にプロジェクトの成果や数字への貢献度が明確な職種では、年2回以上の支給や業績連動型のインセンティブ制度が導入されていることもあります。入社前に報酬体系や評価制度をしっかり確認しておくことが、納得感のある働き方につながります。

働きやすさと福利厚生を確認する

年間休日数、有休取得率、残業時間、フレックスタイムやリモートワークの有無など、ワークライフバランスに直結する項目は要チェックです。また、住宅手当や交通費、各種保険、育児・介護制度、研修制度など、福利厚生の充実度も企業選びの判断材料となります。

将来のキャリアパス｜専門職かマネジメント職か

企画職として経験を重ねることで、ディレクターやプロデューサーといったマネジメント職へのステップアップも視野に入ります。ディレクターはプロジェクトの進行・品質管理を担い、プロデューサーは企画全体の統括、予算管理、人材配置などの責任を負うポジションです。

また、分野を絞って専門性を深める「スペシャリスト型」のキャリアを選ぶ道もあります。自身の志向や強みに応じて、キャリアの選択肢は多様に広がっています。

企画職の最新動向と広がるキャリアの可能性

近年、企業を取り巻く環境の変化に伴い、企画職の役割や求められるスキルにも大きな変化が生まれています。ここでは、企画職の最新動向や採用トレンド、転職の可能性を広げるためのヒントをわかりやすく整理してお伝えします。

変化する企画職の役割と求められるスキル

企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）推進により、データを活用した戦略立案やデジタル技術を活かした新規事業企画のニーズが高まっています。

また、意思決定の根拠としてデータ分析を重視する「データドリブン」な考え方が主流となりつつあり、感覚だけに頼らない論理的なアプローチが求められています。さらに、スピーディーな市場変化に対応するため、短期間で企画・開発・検証を繰り返す「アジャイル開発」も広く取り入れられるようになってきました。

グローバル化の進展により、海外市場を視野に入れた企画や、海外チームとの連携も増加しています。加えてサステナビリティの重要性が高まる中で、環境配慮や社会的意義を伴う企画が、企業の評価に直結するケースも増えています。

採用トレンドにも表れる企画職の進化

採用の現場においても、こうした変化を反映した動きが見られます。即戦力となる人材を求める傾向は依然として強く、特定の業界経験や専門知識を持つ人材は高く評価されます。一方で、未経験者や若手層に対しては、論理的思考力や課題解決力、学習意欲といった“ポテンシャル”を重視した採用も増えてきました。

最近では、異業種からの転職者や副業・パラレルキャリアを持つ人など、多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に受け入れる企業も増加傾向にあります。また、リモートワークやハイブリッド勤務を前提とした柔軟な働き方を導入する企業も多く、地方在住者にとってもチャンスが広がっているのが特徴です。

今後さらに注目されるのが、IoT（モノのインターネット）やAI（人工知能）、ビッグデータといった先端技術を活用した企画職です。たとえば、AIを活用したマーケティング戦略の設計や、スマートデバイス向けサービスの企画、データ分析を起点としたプロダクト提案など、専門的な知識と技術理解を備えた人材へのニーズが高まっています。

テクノロジーと企画力を掛け合わせた“次世代型の企画職”は、今後ますます市場価値が高まると予想されます。自身のスキルや志向に応じて、専門性を深める道を選ぶこともキャリア形成の重要な選択肢となるでしょう。

未経験から企画職を目指すには？準備と戦略でチャンスをつかむ方法

「企画職に挑戦してみたいけれど、未経験では難しいのでは？」と感じる方は多いかもしれません。たしかに企画職は専門性の高い職種として認識されていますが、準備とアプローチ次第で、未経験からでも十分に目指すことが可能です。ここでは、未経験から企画職を目指すための具体的なステップを解説します。

「なぜ企画職なのか」を言語化する

企画職を目指すうえで最初に取り組みたいのが、自己分析です。自分の強み・弱み、興味のある分野、働くうえで大切にしたい価値観を見つめ直し、「なぜ企画職に就きたいのか」「企画職としてどんなことを成し遂げたいのか」を明確にしておくことで、応募書類や面接で一貫したメッセージを伝えることができます。

あわせて、業界や職種の研究も欠かせません。先述のとおり、企画職にはさまざまな種類があります。興味のある業界や企業における企画職の役割を理解し、求められるスキルを把握しておくと、より具体的な準備がしやすくなります。

未経験からでも磨けるスキルはたくさんある

企画職に必要なスキルは、実務経験がなくてもある程度独学や実践で身につけることができます。たとえば、企画書の作成スキルや基本的なデータ分析スキル（ExcelやGoogleスプレッドシート）、プレゼンテーション力などは、書籍やオンライン講座を活用すれば十分に習得可能です。

また、ポートフォリオ（成果資料）を作っておくのも効果的です。たとえばイベントの企画案やWebサービスの改善提案、SNS戦略の立案など、業務外の取り組みであっても、企画力や発想力、実行力を可視化する材料として活用できます。

キャリアのステップを意識して戦略的に転職する

未経験からいきなり企画職に転職するのが難しいと感じる場合は、関連性の高い職種で経験を積んでからのステップアップを目指すのも一つの方法です。営業職やマーケティング職、広報・販促などは、企画職との親和性が高く、社内異動や次の転職で企画職に移行しやすい傾向があります。

また、副業やプロボノ（スキルを活かしたボランティア）として企画業務に関わることで、実績を積むことも可能です。短期のインターンシップに参加して実務経験を得るのも、特に若手や第二新卒層にとっては有効な手段です。

ポテンシャル採用を活用する

特に若年層の場合、企業が応募者の将来性を重視する「ポテンシャル採用」を行っているケースがあります。こうした採用では、これまでの職務経験よりも「論理的に考える力」「学習意欲」「主体的に動ける姿勢」などが重視されます。

このような選考に臨む際は、企画職になりたいという強い熱意と、それに向けた努力の具体例をしっかり伝えることが大切です。「独学で学んでいること」「個人で実践していること」など、行動ベースのエピソードがあれば説得力はさらに高まります。

事務職から企画職へ転職できる？

事務職から直接企画職を目指すのはやや難易度が高めですが、可能性がないわけではありません。たとえば「業務改善の企画・実行に関わった」「データ集計を通じて効率化に貢献した」「社内イベントの企画運営を担当した」といった経験がある場合、企画経験としてアピールすることができます。

また、事務職の経験を活かせる営業企画職や販売促進企画職などからステップアップを狙うのも有効なルートです。企画職に近い業務で実績を重ねることで、徐々にキャリアを企画領域へとシフトしていく道が開けます。

まとめ｜企画職への転職は準備と理解が成功の鍵

企画職は、企業の成長を支える中核的なポジションであり、その分やりがいも大きい一方で、専門性や成果への期待も高い職種です。自分に合った企画職の種類や業界を見極め、求められるスキルや経験を着実に身につけていくことが、転職成功への第一歩となります。

また、未経験から企画職を目指す方にとっても、キャリアの組み立て方やアピールの工夫次第で十分に道は拓けます。ポートフォリオの準備や関連職種からのステップアップ、ポテンシャル採用の活用など、できることから一歩ずつ進めていきましょう。

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