転職の秘訣
市場価値とは|測り方や把握するメリット、高める方法も解説
転職やキャリアアップを目指すなかで、「市場価値」という言葉を耳にする機会が増えているのではないでしょうか。
市場価値とは、自分のスキルや経験が業界や企業のニーズに対して、どれほど評価されるかを示す指標です。市場価値を把握することで、転職活動やキャリア形成をより戦略的に進められるようになります。
本記事では、市場価値の意味や測り方、高めるための具体的な方法について詳しく解説します。これからのキャリアに向けて自分の強みを再確認し、自信をもって次のステップへ踏み出しましょう。
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01. 市場価値とは
転職における市場価値とは、自身のスキルや経験がどれだけ評価されるかを示す指標です。市場価値は主に企業側の基準で決まり、保有するスキルやニーズによって大きく左右されます。
この指標は、企業が求める人材と転職希望者のバランスだけでなく、時代のトレンドや所属する業界・職種によっても変化します。同じ経験やスキルをもっていても、企業のニーズや市場の動向によって市場価値は常に変わり続けるのが特徴です。
市場価値が高い人とは「実力がある人」
企業から見て市場価値が高い人は、能力と経験を掛け合わせた「実力」をもっている人です。ここでの能力は、業務における専門性や知識だけでなく、人間的な魅力も含めて捉えます。特定の企業や業界のみでしか通用しない知識やスキルは、能力には含まれません。
実力は潜在的なものであり、能力を使って何を成し遂げたのかを証明する「実績」が重要です。市場価値は能力・経験のどちらかだけでは意味がなく、2つの軸をバランスよく広げていくことで自身の市場価値を高められます。
02. 自身の市場価値を決める6つの要素
自身の市場価値を決める主な要素は、以下の6つです。
- スキル
- 経験
- 実績
- 専門性
- 再現性
- 年齢
ひとつずつ解説していきます。
スキル
転職活動において、スキルはもっとも評価されやすい要素です。具体的には、以下のようなスキルが挙げられます。
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
- 課題解決スキル
- 論理的思考力 など
上記のスキルは汎用性が高く、多くの企業が求める重要な要素です。業界や職種を問わず活躍できる証明となり、自身の市場価値をさらに高めてくれます。
スキルを磨くことで企業選びやキャリアの選択肢も広がるので、転職活動をよりスムーズに進められるでしょう。
経験
これまでの経験も、自身の市場価値を高める要素です。携わったプロジェクトの規模や業務内容は、面接において高確率で質問されます。その際、ただ単に実績を述べるだけではなく、困難や課題をどのように解決へ導いたのかを伝えることが重要です。
失敗からの学びや改善策も、経験の価値を高める要素になります。課題解決へのプロセスや工夫したポイントを具体的に示すことで、より説得力のあるアピールができるでしょう。
実績
仕事を通じてどのような成果を上げたのか、その結果が企業にどのように貢献したのかを示すことも、自身の市場価値を高める要素です。これまでの実績を具体的にアピールすることで、現職よりも好条件での転職を実現する可能性が高まります。
一方で、まだ十分な実績がないと感じる場合は、明確な目標を設定し、その達成を日々意識することが大切です。小さな成果を積み重ねることで、やがて大きな価値へとつながるでしょう。
専門性
専門的な知識やスキルをもつことも、市場価値を高める要素のひとつです。具体的には、以下のような専門性のある資格が挙げられます。
- ファイナンシャルプランナー(FP)
- 宅地建物取引士
- 日商簿記検定 など
資格の難易度が高いほど取得者が少なくなるため、必然的に市場価値も高まります。
また、その資格が今後需要の見込まれる領域であるかどうかも重要です。幅広い業界や職種で生かせる資格であれば、市場価値をよりいっそう高められるでしょう。
再現性
保有しているスキルや経験が、すべての企業や業界で通用するわけではありません。そのため、異なる環境でも活躍できる再現性の高い能力をもつことが大切です。
再現性の高い能力には、以下のようなものが挙げられます。
- 物事を多角的に捉えて判断する力
- 周囲を動かしてチームをまとめる力
これらの能力は、特定の業界や企業に依存せず、さまざまな環境で価値を発揮します。再現性のあるスキルや経験を磨くことでキャリアの選択肢が広がり、どのような状況でも強みとして生かせるでしょう。
年齢
年齢は市場価値を左右する大きな要素のひとつです。転職市場では「35歳の壁」と呼ばれる現象があり、35歳を過ぎると転職が難しくなるといわれています。これは、企業の採用基準が35歳という年齢を境に大きく変わることが主な要因です。
35歳以上の人材は、若い世代とは異なり、即戦力としての適性や長期的な人材育成といった観点が求められます。マネジメント能力や高度な専門スキルを重視する傾向も強くなり、採用基準が厳しいと感じる場面もあるでしょう。
年齢に応じたスキルや経験を磨き、求められる役割に適応することが重要になります。
03. 市場価値を把握する3つのメリット
自身の市場価値を把握することで得られる主なメリットは、以下の3つです。
- 自分の実力が見えてくる
- キャリアを再評価するきっかけになる
- 自分にあった応募先を選びやすくなる
自身の市場価値を理解し、スムーズな転職を実現しましょう。
自分の実力が見えてくる
市場価値は客観的な評価であり、自身の得意分野や改善すべき点が明確に見えてきます。自分に足りない要素を把握することで、どの部分を強化すべきかが判断でき、キャリアアップの方向性も定まるでしょう。
ただし、たとえ社内で高い評価を得ていても、社外では通用しない可能性もあります。社内評価だけに頼らず、市場価値にも目を向けていきましょう。
キャリアを再評価するきっかけになる
自身の市場価値を知ることは、これまでのキャリアを再評価する重要なきっかけになります。自分の強みやスキルを客観的に把握することで、今後のキャリアの方向性や具体的なプランを構築できるでしょう。
また、キャリアの再評価によって需要のある業界や企業が見つけやすくなり、転職の選択肢が広がります。より需要の高い業界や企業に転職するためにも、市場価値を把握しておきましょう。
キャリアプランについては以下の記事で解説しているので、こちらを参考にしてみてください。
キャリアプランとは?転職や自己PRで使える例文や作成方法を紹介
自分にあった応募先を選びやすくなる
市場価値を把握することで自分に適した応募先を選びやすくなり、転職活動がスムーズに進みます。自分がどの業界や企業で高く評価されているのかが明確になり、最適な転職先を見つけられるでしょう。
また、市場価値の把握によって転職におけるミスマッチを防ぎ、希望条件にあった企業に集中して応募できるようになります。転職のタイミングをより適切に判断できるため、円滑な転職が実現するでしょう。
04. 市場価値の測り方
自身の市場価値を測る主な方法は、以下の5つです。
- 経験とスキルを棚卸しする
- ほかのビジネスパーソンとの比較する
- 市場価値の診断ツールを使う
- 転職サイトやSNSを活用する
- 転職エージェントを活用する
ひとつずつ解説します。
経験とスキルを棚卸しする
これまでの経験を振り返り、スキルの棚卸しをしましょう。自身が培ってきた経験とスキルを言語化し、強みと弱みを明確にしていきます。
振り返るときは、部署や業務内容ごとに細かく整理することがポイントです。どのような目標を立てたか、どのような成果を出したのかの観点から棚卸しをしてみましょう。自身の市場価値を明らかにすることで、今後のキャリアの方向性も定まっていきます。
自身の強みを伝えるための自己PRの書き方は以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
シチュエーションや強み別の例文付き!自己PRの書き方など3ステップで解説
ほかのビジネスパーソンと比較する
社会人歴や業界の経験年数が近いビジネスパーソンと比較することも、自身の市場価値を測る方法のひとつです。これにより、今の待遇が市場価値に見合ったものかどうかも判断できます。
また、会社の同期や先輩、上司からフィードバックをもらうのも効果的です。周りからの評価を知ることで、自身の強みにも気づけるでしょう。
市場価値の診断ツールを使う
手軽に市場価値を診断してみたいときは、オンラインの診断ツールを活用するのもおすすめです。年齢・年収などの情報を入力するだけで、かんたんに市場価値を診断できます。
ただし、AIがデータをもとに市場価値を診断するため、正確な結果ではない点には注意が必要です。気が向いたときにすぐできるので、一度試しに診断してみるのもよいでしょう。
転職サイトやSNSを活用する
転職サイトに登録をし、自身のキャリアや転職の希望条件を公開するのも効果的です。興味をもった企業や転職エージェントからスカウトが届くため、現状の市場価値を把握するのに役立ちます。
また、SNSで自身のスキルや知見に関する投稿をおこない、周囲の反応やフィードバックを得るのもよいでしょう。自身の専門性がどの程度評価されるのかを知るきっかけになります。
転職エージェントを活用する
より正確な市場価値を把握したいときは、転職支援のプロである転職エージェントを活用するのが有用です。転職エージェントは、職務経歴や業界のトレンドなどを総合的に分析し、自身の市場価値を客観的に診断してくれます。
自分だけでは見落としがちなポイントもプロの視点で分析してもらえるため、信頼性の高い評価を得られるでしょう。
05. 市場価値を高める5つの方法
市場価値を高めるための主な方法は、以下の5つです。
- 現職で経験・スキルを積む
- ヒューマンスキルを磨く
- 専門性を強化できる資格を取得する
- 社外のコミュニティに参加する
- 転職エージェントに相談する
ポイントをしっかりおさえて、自身の市場価値を高めていきましょう。
現職で経験・スキルを積む
市場価値を高めるために、現職で経験とスキルを積むことは非常に重要です。日々の業務を通じて専門性を深め、新しいプロジェクトに積極的に参加することで、スキルセットを広げられます。
社内で成果を上げることで信頼や実績を築け、転職活動時には強力なアピールポイントになるでしょう。さらに、現在の職場環境を活用し、資格取得やスキルアップ研修に参加することも効果的です。
転職だけでなく、現職での成長が長期的なキャリア形成につながることを意識しましょう。
ヒューマンスキルを磨く
再現性のある「ヒューマンスキル」を磨くことも、市場価値を高めるのに有効な手段です。専門知識や技術力だけでなく、コミュニケーション能力やチームワークなどを含んだヒューマンスキルは、どの業界・職種でも求められる汎用性の高いスキルといわれています。
ヒューマンスキルは現職での評価向上だけでなく、転職活動において大きなアピールポイントです。日々積極的にリーダシップを発揮したり、チーム内でのコミュニケーションを活発化させたりして、スキル向上を目指していきましょう。
専門性を強化できる資格を取得する
市場価値を高めるには、専門性を強化できる資格を取得するのもおすすめです。業務に必要な知識やスキルを、客観的に証明する手段となります。とくに、業界や職種に関連する高度な資格を取得することで、自身の専門性や市場における希少価値を高められるでしょう。
資格取得を通じて、学び続ける姿勢が身につくこともメリットです。転職活動では、自分の努力や成果を具体的にアピールする材料となり、企業からの評価も高まるでしょう。
社外のコミュニティに参加する
市場価値を高める方法として、社外のコミュニティに参加するのも有用です。
業界や職種に関連する勉強会やセミナーに参加することで、社外の人脈を広げると同時に新しい知識やトレンドを吸収できます。異業種の人々との交流を通じて視野が広がり、自分のスキルや経験を客観的に見直す機会にもなるでしょう。
こうした活動は現職での成果につながるだけでなく、行動力をアピールする強力な武器にもなります。
転職エージェントに相談する
市場価値を高める方法のひとつとして、転職エージェントに相談するのも効果的です。転職エージェントは、自分では気づかなかった強みやアピールポイントを引き出し、適切なキャリアプランや求人情報を提案してくれます。
さらに、転職活動において履歴書・職務経歴書の添削や面接対策など、具体的なサポートを受けることで、より自信をもって転職に臨めます。今後のキャリア戦略を立てるためにも、プロの視点を活用して市場価値を高めましょう。
転職エージェントの主なメリットとデメリットについては以下の記事で解説しているので、こちらもぜひチェックしてみてください。
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06. 自身の市場価値を高めて転職を成功させよう
市場価値を把握することは、今後のキャリアを考える上で非常に重要なステップです。自分の強みや経験がどれだけ市場で求められているかを理解することで、転職活動をより効果的に進められます。
市場価値を高めるためには、専門性の向上や社外のコミュニティ参加も欠かせません。スムーズに市場価値を把握したい方は、転職エージェントに相談してみるのもよいでしょう。
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