メーカー職種解説
[ 経営企画 ]
経営企画の仕事内容は?転職する方法や向いている人、必要なスキルを紹介
本記事では、経営企画の仕事内容や必要なスキル、向いている人などを紹介します。転職するためのコツやキャリアパスも紹介しているので、経営企画の求人に応募しようか悩んでいる方は、参考にしてみてください。
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経営陣の戦略を実現するための計画立案や進捗管理をするために、経営企画の業務が欠かせません。経営戦略を達成するために重要なポジションであることから、多くの企業が経営企画の人材を必要としています。
メーカーに特化した転職エージェントのタイズでも、関西電力株式会社やENEOS株式会社などの大手企業が経営企画の求人を出しています。
ただし、経営企画に転職するには特定のスキルが必要なうえに、業務の向き不向きがあるため、まずは自分の適性を知ってから応募することが重要です。
本記事では、経営企画の仕事内容や必要なスキル、向いている人などを紹介します。転職するためのコツも紹介しているので、経営企画の求人に応募しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
また、経営企画の求人一覧を以下で紹介しているので、転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
メーカー専門の転職エージェント「タイズ」では、大手・中堅メーカーの経営企画の求人も保有しています。転職希望の方に寄り添い、転職で活かしたいスキルの要望に合わせた求人のご提案が可能です。ぜひご相談ください。
―目次―
1.経営企画とは
2.経営企画の仕事内容
3.経営企画の平均年収
4.経営企画のやりがい
5.経営企画のつらいところ
6.経営企画のキャリアパス
7.経営企画に求められるスキル・知識
8.経営企画に向いている人
9.経営企画に転職する方法
10.経営者を目指す人は経営企画へ転職してみよう
経営企画とは
経営企画は、経営層が考えた戦略を実現するために計画の立案や進捗管理などをする職種です。
企業の成長や売上・利益を最大化するために、経営陣や各事業部のサポートをします。
たとえば、計画を立案するための市場調査をして、分析結果から目標を設定するのが業務のひとつです。経営計画が策定されたら各事業部に共有し、計画を達成できるよう促進します。
なお、大手企業と中小企業では経営企画の担当者が異なります。
大手企業であれば経営企画という部署があり、部署内に配属された従業員が担当することがほとんどです。経営層と各事業部の橋渡し役となり、経営計画を推進します。
一方、中小企業の場合は経営企画の部署がなく、経営層が中心になって計画を立てているケースが少なくありません。中小企業で経営企画に携わるには、役員にならなければならない場合があります。
経営企画の業務につきたい方は、大手企業に転職するか中小企業で経営層を目指すかのどちらかを選択する必要があります。
経営企画の仕事内容
経営企画の業務として、主に以下の3つがあります。
- 経営戦略の策定
- 経営戦略の落とし込みと実行
- 経営計画の進捗管理
経営企画に携わりたいか判断するためにも、ぜひチェックしてみてください。
経営戦略の策定
経営陣から経営方針やビジョン、ミッションなどを共有してもらい、中長期の経営戦略を策定します。
たとえば「〇年に売上を2倍にする」と経営者が決めた場合、どのように達成するかを考えるのが、経営企画の役割です。
市場や競合の分析をし、分析結果から目標を達成するための具体的な行動に落とし込みます。「顧客単価を高めるための新製品を開発する」「新規顧客を50件獲得する」など各事業部が行動できるまで具現化し、戦略を策定します。
経営戦略の落とし込みと実行
立案した戦略を事業部に実行してもらえるよう、関係者に落とし込みをするのも経営企画の業務です。
各事業部や組織の関係者と連携して、業務の調整やリソースの配分などをします。経営者の代わりに具体的なスケジュールや予算などを伝え、推進してもらえるよう促します。
経営戦略に賛同してもらえるよう、納得できる形で伝える必要があるため、コミュニケーション能力が必要です。
経営計画の進捗管理
経営計画が滞りなく進んでいるか進捗を確認するのも、業務のひとつです。目標の達成状況を確認し、進捗があまりよくない場合やトラブルが発生している場合は、原因を把握し改善策を提案します。
改善が見込めない場合は、事業を撤退したり計画を見直したりなど判断します。各事業部とコミュニケーションをとりながら、進捗状況を適切に把握し、次の計画立案に活かせるようにするのも経営企画の重要な業務です。
経営企画の平均年収
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、国内の給与所得者の平均年収は458万円で、経営企画では平均よりも高い年収が期待できます。
ただし、具体的な金額は企業規模や勤続年数などによって異なるため、求人サイトや転職エージェントを利用し、年収が希望にあうか確認しましょう。
経営企画のやりがい
経営企画には、以下のようなやりがいがあります。
- 影響力の大きい仕事ができる
- 幅広い業務を経験できる
- 社内・社外の多くの人と関われる
経営企画の魅力を把握できるので、自分の求めている働き方にあてはまるか確認するためにもぜひお読みください。
影響力の大きい仕事ができる
経営企画は企業全体を巻き込む業務が多く、責任が大きい分達成感のある職種です。各事業部や部署のプロジェクトに携わり、部署間の調整やトラブルの対処などを経営企画は担当します。
自分が立案した経営戦略によって企業全体が動き、売上や利益につながるのは経営企画ならではの魅力です。
経営戦略がスムーズに進み目標を達成できれば、大きなやりがいを味わえるでしょう。
幅広い業務を経験できる
経営企画はただ戦略や計画の立案をするだけではなく、進捗を管理しながら達成するまでのサポートをするため、以下のような業務を多数担当します。
- 経営戦略の立案
- 市場調査
- 競合調査
- データ分析
- 財務に関連する業務 など
さまざまな業務経験を積むことで、ビジネスへの理解を深められ、経営スキルが身につけられるでしょう。
経営企画は企業の中心的存在のためリーダーシップも養成でき、成長を感じやすいでしょう。
社内・社外の多くの人と関われる
経営企画では社内にあるほとんどの事業部と関わりをもつため、チームでプロジェクトを完了させたときに達成感を分かち合えるのがやりがいに感じます。
多くの事業部から感謝され、プロジェクトに携わってよかったと思えるようになるでしょう。
人脈が増えることで他者と強いつながりが生まれ、出世したときにも周りと協力しながら進められる点も経営企画ならではの魅力です。
経営企画のつらいところ
経営企画のつらいところとして、以下の3つがあります。
- 業務が多い
- 現場と経営陣の間にはいることが多い
- 責任が大きい
経営企画は、担当業務が多岐に渡り、業務になれていないと負担が大きくなります。多くの事業部と関わることからトラブルも発生しやすく、ほかの業務があっても優先的に対応しなければならないこともあるでしょう。
業務を遂行するうえで財務や経営に関する専門知識も求められ、日々勉強するのはもちろんのこと、最新情報を常にキャッチアップする姿勢が求められます。
また、経営企画は経営陣と現場をつなぐ役割があり、どちらの意見も聞く必要があります。経営陣の方針に現場が反発するトラブルも起きるため、不満に対して適切に対応しないといけないのがつらいと感じる人も少なくありません。
責任が重大な点も経営企画のつらいところです。企業の成長や売上に関わる重業務が多く、自身の提案で企業に損害が出た場合は、ストレスになることがあるでしょう。
経営企画に興味のある方は、やりがいやつらいところをしっかり把握してから転職を検討することをおすすめします。
経営企画のキャリアパス
経営企画のキャリアパスとして、主に以下の3つの選択肢があります。
- 役員や社長になる
- 経営コンサルタントにキャリアチェンジする
- 別の会社の経営企画に転職する
経営企画は経営層と直接関わる業務で、経理やマーケティングなど経営に必要なノウハウを蓄積でき、将来的に役員や社長になれるチャンスがあります。
とくに財務関係の業務をおこなう場合は、CFO(最高財務責任者)に就任できるでしょう。CFOとは、財務管理や財務戦略を担う役職で、企業の財務関係の分析と戦略の立案をおこない、経営をサポートします。
CFOになるには、経営企画で実績をつくり出世する方法や、ベンチャー企業や中小企業などに転職する方法があります。
経営コンサルタントは、企業に対し経営戦略の提案や経営のサポートをする職種です。経営コンサルティング事業をしている企業に転職したり、起業したりすることで経営コンサルタントになれます。
経営企画を続けたい場合は、別会社の経営企画部に転職するのもひとつの手です。
経営企画に求められるスキル・知識
経営企画に求められるスキル・知識として、以下の3つがあります。
- コミュニケーション能力
- マーケティングスキル
- 経理・財務に必要な知識
人材採用で企業に求められている能力や、業務を遂行するのに必要な知識を把握できるので、ぜひ確認してみてください。
コミュニケーション能力
経営企画では経営層や現場、外部の専門業者など多くの人と関わるため、コミュニケーションスキルが欠かせません。
相手の意図を汲み取り、本心で考えていることや伝えたいことを引き出し、問題解決につなげる能力が求められます。
経営戦略を進めるには、経営層と各事業部の関係を良好にすることも大切です。経営企画が間にはいって経営層の考えと現場の意見を取りまとめ、折衝する力も試されます。
各事業部に経営者のビジョンや戦略を正確に伝えたり、説得力のあるプレゼンをして、相手に納得してもらえるようにしたりなど話す力も必要です。
マーケティングスキル
経営戦略を立てるには、市場の動向やトレンドなどを押さえて、今後何が利益につながるか予測するマーケティングスキルが重要です。
普段から情報収集をし、新規事業の立ち上げや商品戦略を考える姿勢が求められます。
財務状況や市場調査などのデータから分析をして、適切に経営戦略を立てる分析力も必要とされます。
マーケティングスキルを身につけるには、書籍やオンライン講座などで理論や分析手法などを学びましょう。実際に市場調査やツールによる分析をして、経験を積むことでスキルを身につけられます。
経理・財務に必要な知識
経営企画では、財務会計や管理会計など企業のお金回りに関する知識が必要です。
財務会計は企業の経営状況を数値化し、ステークホルダーに報告するための会計です。管理会計は社内に向けにおこなう会計で、経営判断をするために活用されます。
経理・財務の知識と、経営スキルやマーケティングスキルなどと掛け合わせ、多角的な視点で自社の経営戦略を立てることが経営企画では求められます。
経理・財務に必要な知識を身につけたい方は、まずは会計に必要な簿記を学びましょう。
経営企画に向いている人
経営企画に向いている人の特徴は、以下の4つです。
- サポートが好きな人
- 論理的思考力がある人
- 経営者を目指している人
- マルチタスクに対応できる人
経営企画が自身の特性にあう職種か把握するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
サポートが好きな人
経営企画は裏方としての役割があり、サポートするのが好きな人に向いています。
他部門の社員とのやり取りを円滑にしたり、経営層の書類作成や会議の準備をしたりなど、社内の人に向けた業務が多数あります。
社内全体を見て、トラブルがあれば自らサポートに回り、問題を解決できる人は経営企画が適しているでしょう。
論理的思考力がある人
客観的視点から論理的に考えて行動できる人も、経営企画に向いている人の特徴です。
経営企画では経営戦略を市場調査や分析結果にもとづいて立案する必要があり、論理的思考力が求められます。
各事業部に経営戦略を共有する際も、誰もが納得のいくよう根拠にもとづいて説明することが欠かせません。
データや数字、事例など客観的な根拠を取り上げて、自分の考えや提案を伝えられる人は経営企画で活躍できるでしょう。
経営者を目指している人
経営に興味があり、将来経営者になって企業の経営をしてみたい人にはおすすめです。経営企画の業務を遂行することで、経営者に必要なマーケティングや財務などの知識やスキルを身につけられます。
経営陣とコミュニケーションをとる機会も多く、経営視点でものごとを考える機会も増え、役員になったときにこれまで培った経験を活かせるでしょう。
マルチタスクに対応できる人
経営企画は複数のプロジェクトの進捗を管理する必要があるため、マルチタスクに対応できる人が望まれます。
経営企画は多数の事業部と関わりをもつ分、突発的なトラブルも少なくありません。通常業務のかたわらトラブルに対応する必要もあり、業務の優先順位を意識しながら進める必要があります。
業務内容を整理し、幅広い業務を同時に進められる人は、経営企画に向いています。
経営企画に転職する方法
経営企画に転職する方法として、以下2つを紹介します。
- 自分の経験を活かせる業界を選ぶ
- 転職エージェントを活用する
内定率を高めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
自分の経験を活かせる業界を選ぶ
職種未経験で経営企画に携わりたい方は、現職や前職と同じ業界を選ぶのがおすすめです。
同じ業界であれば業界の専門知識や業界の動向を知っており、経験が評価されるケースがあります。
たとえば、自動車業界で働いていた人であれば、自動車部品や自動車ビジネスに関する知識があるでしょう。自動車関連の知識をアピールすることで、自動車部品メーカーや電機メーカーなどで即戦力として採用してもらえる可能性があります。
過去携わったことのある業界と関わりのある求人を探し、積極的に応募しましょう。
転職エージェントを活用する
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経営者を目指す人は経営企画へ転職してみよう
経営企画は経営方針や企業理念などをもとに、経営戦略を立案・推進する職種です。経営戦略を達成するために、多くの事業部と関わり、円滑にプロジェクトを遂行できるようサポートします。
経営企画は企業全体のサポート役ですが、自分が立案した経営戦略によって売上や利益に影響するため責任重大です。ただし、目標を達成し、売上や利益が向上した際は大きなやりがいを感じるでしょう。
また、未経験から経営企画に転職する場合は、自分の経験を活かせる企業を選びましょう。もし企業の選び方や転職活動のやり方がわからないという方は、転職エージェントを利用するのもひとつの手です。
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