業界トレンド
メーカー勤務のエンジニア400名超に聞いた!景気動向の“実感”
現場で働く人々は景気をどう実感している?
米中摩擦や日韓関係問題、消費税増税など、国内外を見てみると景気を大きく左右しそうな問題も数多くあります。そのような状況下にあって、実際に現場で働く人々は今の景気をどのように感じているのでしょうか。
メーカーで働く400名以上のエンジニアの方々を対象に、「景気動向の実感」を調査してみました。
目次
1.意外にも?「景気が後退する」は半数にとどまる
2.景気の影響を受けて社内で変化したことは?
意外にも?「景気が後退する」は半数にとどまる

まずは「国内景気は今後どのように変化していくと思いますか?」と聞いたところ、約6%の方が「拡大する」、約40.7%の方が「横ばい」、約52.6%の方が「後退する」と回答しました。
国際情勢の変化や、消費税増税を控えた時期の調査でしたが、意外にも景気状況をそこまで悲観的に見ている人は多くなさそうです。回答者がなぜそう感じているのか、フリーコメントを見てみました。
<拡大すると回答した方のコメント(一部抜粋)>
- 「五輪があるから」(22歳)
- 「東京五輪で日本への渡航者が増えるから」(26歳)
- 「今が底だと思うので後は上がるのみ」(29歳)
「拡大する」と回答した方の多くは、2020年に開催される東京五輪が国内企業に好影響を与えるのではないかと考えているようです。国際的なメガスポーツイベントがどこまでの影響力を持つのか、注目です。また3つ目のコメントにあるように、「今よりも下向きになることはないのではないか」という思いから、拡大を選択した方もいました。
<横ばいと回答した方のコメント(一部抜粋)>
- 「外的要因はあるが雇用が安定しているから底堅い経済状況が続くと思う」(37歳)
- 「米中貿易摩擦などで、外需は発展する要素は期待できない。内需も消費税増税でデフレ傾向が続くと思われるため。後退もしないが、拡大もしない。よって横ばい」(33歳)
- 「浮き沈みはあるが、長い目で見ると横ばいだと思う」(30歳)
「好悪様々な影響はあるものの、それでも景気は持ちこたえていくのではないか」という考えから、あるいは「過去の経験から見ても、外的要因や増税はさほど大きな影響は与えないのではないか」という考えから「横ばい」を選択した方が多かった印象です。
<後退すると回答した方のコメント(一部抜粋)>
- 「消費税を増税することによって以前よりも購買意欲が下がり、日本全体の金の回りが悪くなる可能性がある」(29歳)
- 「不景気が報道され続けている。所得が増えず、財布の紐はかたくなるばかりだから」(26歳)
「後退する」と回答した方は、ニュースの報道や消費税増税といった事柄により、今後の国内景気も交代していく可能性があると見ているようです。中でも身近な問題である消費税増税については、施行後に買い控えが起こり影響を与えるのではないかと考えている意見が多く見られました。
景気の影響を受けて社内で変化したことは?
では、メーカーエンジニアの方々は、実際に景気動向の変化をどう感じているのでしょうか。「景気の影響を受けて社内で変化したことは?」という質問に対して、次のような結果となりました。

半数の方は何かしらの影響を感じているようです。幾つかコメントを抜粋してみましょう。
- 「景気の影響かはわからないが慰安旅行がなくなった」(25歳)
- 「経費削減が厳しくなった気がする」(37歳)
直接景気の影響によるものかはわかりませんが、福利厚生や予算面についての意見が伺えました。
その一方で、半数の方は「景気動向による変化はない」と回答しています。また「採用を止めた」と回答は全体の5%とほとんどありません。実際、転職エージェントである弊社でも、採用支援の数や求人数は引き続き増えており、転職市場は順調と言えます。
今回のアンケートは企業規模や分野を限定していませんが、景気の状況を見越して、そこに左右されない経営をしている企業が決して少なくないことが伺い知れますね。
<調査概要>
- 調査対象:メーカー企業で働くエンジニア(20歳〜49歳)
- 調査期間:2019年9月5日~9月9日
- 調査方法:インターネット調査(外部調査機関)
- 回答者数:418人