電磁弁のパイオニア『日本アスコ株式会社』の事業内容や中途採用について、代表取締役社長 角南様にお話を伺いました。

メーカー専門の転職サイト「タイズ」に求人を掲載している、日本アスコ株式会社様に、同社の事業内容や中途採用について、コンサルタントがインタビューさせていただきました。

日本アスコ株式会社 代表取締役社長 角南 道雄様

角南様から見て、日本アスコの強みとはどんな所でしょうか?

日本アスコは、1888年にアメリカで創業した電磁弁のパイオニアASCOグループの日本法人であり、年間売上153億ドル(2017年度)を誇る、エマソンのグループ会社です。日本アスコは100人規模の中小企業ですが、大企業の経営基盤やプロセスを持っていますので、①グローバルネットワークなどの強みを活かして仕事に取り組む事ができます。またその一方で、②社内のコミュニケーションや仕事の連携が取りやすいなど、規模の小ささを活かしたスピード感で仕事に取り組めます。この2点が同居している点が、強みだと考えます。

日本アスコ様からは「外資系企業」ではありますが、「日系企業」という印象も受けます。

2020年に設立50周年を迎え、外資系企業でありながら西宮の地に根付いた、日本の歴史が深い会社です。社員の大多数は国内企業からの中途採用者が多く、お客様も基本的には日本のお客様ですので、日系企業の良い社風が社内にあるのだと思います。その一方で、年功序列よりも、仕事ぶりでチャンスを与えてもらえるなど、外資系企業の良い社風もあり、若い方でも裁量を持って仕事に取り組むことができる環境です。

ASCOグループの中で、日本アスコ様の強みとは何でしょうか?

日本国内には世界的にコンプレッサ・タービン分野に強い企業が数社あり、そのすべての企業に弊社のバルブを採用いただいております。コンプレッサ・タービンに使用されるバルブは、日本アスコ独自の技術で開発するため、国内でしか生産できません。世界中で使用されているコンプレッサ・タービンには日本アスコのバルブが採用され、そのバルブを作れる技術を持っているのは弊社だけというのは、大きな強みであると考えます。

―――国内のお客様とのお取引は、開発段階からお付き合いをされているのでしょうか?

開発の初期段階からご要望をいただくことはあります。また、弊社は大手メーカーさんの研究所というよりも、実際にモノを作っている現場で、例えば新製品を開発されているチームとお付き合いをさせていただいております。

―――国内に技術のリソースや製造拠点を持っているのは強みですね。

御社は幅広い分野のお客様と関係を築いておられますが、競合他社と比較して優位性は何だとお考えですか?

弊社は高い品質が求められる原子力発電所や化学プラント、 医療分野をはじめ、幅広い分野のお客様から製品を採用いただいており、「品質第一主義」のもと製品開発に取り組んでいます。

お客様は、例えば1つの発注先で多くの部品をカバーできるような汎用性など、様々な課題を解決できるリソースを持ったメーカーとのお付き合いを、求めておられます。弊社は、お客様の課題をすべてお伺いした結果、弊社の機器を導入させていただく場合もありますし、国内では入手できない機器が必要な場合は、他国の同じグループ内他社で探して調達するなど、お客様の抱える課題1つ1つに向き合うことを大切にしております。

―――国際対応力やバリエーションの広さも、御社の強みですね。

例えば海外展開している日系企業のお客様は、お取引をされている国ごとに適応させた製品の提供を求められるケースがあります。弊社はお客様の目的先の国を拠点としている海外のグループ会社から、その国に対応する製品を調達できますので、時間をかけずスピーディーに対応することができます。また、海外から調達した製品をそのままお渡しするわけではなく、最終的な品質を確認して、お客様固有のニーズに対応させた製品を提供します。

―――そういったところもお客様からの高い信頼につながっているのですね。

日本アスコのブランドは一定の品質を担保すると期待を頂いておりますので、例えば調達した製品が不十分である場合、日本アスコで問題を解決してお渡しするのは当然のことです。決して簡単なことではありませんが、ハイレベルな製品検査体制から確実な作動をお約束する製品を送りだすことで、品質担保も含めて価値として上がるのではないかと考えています。

御社は時代の流れに柔軟に対応したビジネスを展開されてきている印象を受けます。今後のビジネス展開については、どのようにお考えでしょうか?

弊社は古くから重厚長大系メーカーさんとの取引をメインにビジネスを展開しています。昔からお付き合いをさせていただいているお客様を大切にしつつ、今後は新たに医療・分析機器メーカーさんや半導体・自動車メーカーさんともお取引をしてお客様を広げていきたいと思っております。

こうした弊社のビジネス戦略は、ASCOグループやエマソングループが世界各国で行っている事例から取り入れることもあれば、社内のマーケティングチームである「企画部」が、市場の需要に合わせて、日本独自の戦略を立てることもあります。また実行する際は、全て自社内で行うわけではなく、グループ会社の中で活用できるリソースがあれば、国内向けにアレンジを加えて取り入れます。プロセスを短縮化し、スピードを持って戦略を実行できる点は弊社の強みです。

―――実際、どのような戦略が採用されているのでしょうか?

例えば、世界の中でも日本が先頭を走っている「水素産業」に注目し、その分野でビジネスを拡げているお客様に対して、弊社の新しい製品を展開し、事業化していく案が採用されています。その際、ヨーロッパで開発した製品を日本向けに適応させてビジネスを展開することで、国内競合メーカーとの差別化を図っています。

電磁弁以外の事業についてはいかがでしょうか?

今までは電磁弁一本でしたが、新たにエマソンやASCOグループが手掛けていたリミット・スイッチ(バルブ自体が動いたかどうかを感知するスイッチ)事業も国内で開始しました。電磁弁は電気を入れるとバルブが開閉するアウトプットと呼ばれる一方で、リミット・スイッチは電磁弁の動きを感知して戻るのでインプットと呼ばれます。このアウトプットとインプットの2つが揃うことで、システムが初めて構成されます。弊社はコンポネントメーカーとして両方取り扱うことになりましたので、制御する側と感知する側両方のサイクルを構成することが可能となりました。

―――エマソングループが業界をリードするワイヤレス事業についてはいかがしょうか?

エマソンは現在、ワイヤレス技術の先進企業として、IoTやIIoT技術を用いて、幅広いワイヤレス製品ポートフォリオを提供しています。例えば、ワイヤレス化により、ケーブルの問題がなくなりますので、プラント内にワイヤレスセンサを大量に設置することが可能になります。その結果、プラント全体を自動で監視できるようになり、業務の効率化や、電力消費量を削減して安全性を高めることができます。

日本にこの技術が入ってきたのはここ10年の話です。日本アスコでは、センサでバルブの信号を取り出す部分を担当し、その先のワイヤレスの技術はエマソンが担当しております。1から新しい技術を開発しようとすると、時間がかかりますが、既にリソースを持っているグループ企業と一緒に開発に取り組むことができますので、いち早くお客様に製品をお届けすることができます。

角南様は化学系のご出身ということですが、ご経歴について教えてください。

化学系の学部を卒業後、新卒で入社した外資系の化学メーカーで営業をしておりました。その後、マーケティングを経験したいという思いがありましたが、社内には部署がなく、転職を決意しました。日本アスコに応募した理由は、前職と同じ外資系企業であること、また当時マーケティング部署を立ち上げたばかりで人員を募集していたことからです。

入社後、立ち上がったばかりのマーケティング部署では、どのようなことをされてきましたか?

当時は、海外のリソースを日本に取り入れてお客様に展開することがあまりできておらず、海外グループの強みを活かして販売を伸ばすことに取り組みました。結果、海外で先行して技術を開発している拠点から情報を得て、お客様にお届けし、「最新の情報を持った会社」ということで評価いただくようになりました。

中途採用で求める人物像について教えてください。

私達はお客様の困りごとを伺い、いち早く製品化することに注力しています。そのために営業だけではなく、必要に応じて技術者にもお客様のところに訪問していただきますし、また営業からのインプットをすぐに解釈して対応していくスピードが、技術者には求められます。話を組み立てて情報発信できるような、コミュニケーション力は重要です。もちろん、技術的な面も重視しています。自分の技術に自信があり、さらに成長したいという方に是非来ていただきたいです。

御社は技術者の方の英語学習に力を入れられていますよね

例えば現在、社内の技術者の仕事は大きく2つにわけられます。1つは社内の仕事を学びながら、日本で製造すること、もう1つは、ほぼ完成された海外の技術を取り込んで日本向けにアレンジすることです。実際に海外の技術者とやり取りをして、共同開発を行いますので、技術者の方には英語学習にも力を入れていただいております。

また、エマソングループはインドに大きなテクニカルセンターを持っておりまして、世界中のアスコグループのエンジニアが、オンデマンドサポートを利用しています。自分で英語を理解することで、こういった拠点を利用し情報を得て、それを直接お客様にお伝えすることができます。

―――やはり自身で海外からのリソースを得るためには、英語力が必須ですね。

語学は情報を入手するためのツールとして、非常に重要です。例えば、日本語だけでは1億人分のリソースしか得られないですが、英語や中国語は、何十億人分のリソースを得ることができます。ネットにしても、新しい言葉を英語で検索すると、出てくる情報は日本語で検索した時と比較して何十倍にもなります。技術者の方には、是非海外リソースを活用して、それを強みに仕事に取り組んで、成長して欲しいと思います。

御社の中途採用を検討されている方へメッセージをお願いします。

弊社は、少数精鋭のプロフェッショナルとして、1人ひとりが裁量をもって仕事に取り組んでいます。チャレンジしたい方にとって、どんどん責任ある仕事を任せてもらえる環境です。そんな中で、弊社にある海外リソースをフルに活用して、大きくご活躍していただけたらと思います。皆様のご応募を、是非お待ちしております。

本⽇は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

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石川 飛鳥

株式会社タイズ

  • 関西メーカーへの高い合格率に自信あり。メーカーへの深い知見、太いパイプを活かした転職のご支援をさせていただきます
  • 「勤務地・給与」といった条件だけではなく「働きごこち・忙しさ・社風」など転職の軸を丁寧にヒアリングさせていただきます。
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