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2018.08.10【関西ニッチトップメーカー特集】BIG DAISHOWA株式会社のツーリングについて、取締役執行役員の山田貴浩様にお話を伺いました。

(2018.8.10更新)BIG DAISHOWA株式会社 取締役執行役員 管理本部 本部長 山田貴浩様

メーカー専門の転職サイト「タイズ」に求人を掲載しているBIG DAISHOWA社の取締役執行役員・山田貴浩様に、BIG DAISHOWA社がニッチトップメーカーとしての地位を確立するに至った背景、新製品開発に対する思いや社風などについて、コンサルタントがインタビューさせていただきました。

■BIG DAISHOWA株式会社の概要

代表者:代表取締役社長 仲谷穣治、本社所在地:大阪府東大阪市、設立:1967年10月、従業員数:830名(BIG DAISHOWAグループ)
工作機械用工具保持具(ツーリング)、FAシステム・ソフト、精密測定機器の開発、製造、販売。ツーリングの国内シェアトップ。

■「ツーリング」とは?

工作機械と刃物をつなぐ工作機械用工具保持具。ツーリングの精度の高低により、加工されるものの精度が変わる。機械加工をするためには欠かせない工具。同社は高品質・高精度を追求した工具を製造しており、「BIG」というブランド名で非常に高い知名度を誇っている。

インタビュー

BIG DAISHOWA株式会社 取締役執行役員 管理本部 本部長 山田貴浩様

山田様のご経歴について教えてください。

前職で一年半ほど勤め、1984年に中途で入社しました。機械や工具の業界については全くの未経験でしたが、営業の仕事ができるとのことで入社しました。入社当時は社員140人、売上40億円程度で、営業所は東京、名古屋、大阪の3拠点でした。名古屋や埼玉を拠点に営業を担当し、中部支店の支店長、中部ブロックの本部長を務めた後、大阪本社の管理本部長になりました。入社以来ずっと営業畑で仕事をしてきましたが、現在は総務、経理、情報システム、淡路工場の業務管理の4つの部門を統括しています。

山田様が入社された当時のBIG DAISHOWA社はどのような会社だったのでしょうか。

モノづくりの世界では、今や「BIG」というと当社のツーリングが挙がってきますが、私が入社した当時のBIG DAISHOWA(大昭和精機株式会社)は後発メーカーで、認知度はありませんでした。当時は3営業所を20名の営業で担当しており、全国のお客様を担当し、一件でも多くユーザーを獲得するために、熱意だけで仕事をやっていました。入社当時は社員の平均年齢が20代後半、熱意のあるメンバーばかりで、いろんな議論をして、熱い話をして、今で言うベンチャー企業でした。ですけど、競合企業は今と同じだけいましたし、市場規模もそれほど変わってはいません。同じ市場規模の中で、シェアをどんどん伸ばしていきました。営業所も毎年のように増えていき、各地域に営業所をつくり、地域のユーザーや商社からの要望にすぐに対応できる体制が整いました。

御社のツーリングがトップシェアを獲得するに至った背景を教えてください。

日本においては、ツーリングを製造する主要メーカーが約5社あり、市場規模は300~350億円程度です。その中でBIG DAISHOWAは50%以上のシェアを獲得しています。これから市場規模も大きくなっていくと予想しています。当社がトップシェアを獲得するまでに、大きく4つの背景がありました。

一つ目は何でしょうか。

営業のやり方の工夫です。現在は、製造は淡路島の淡路工場で行っていますが、淡路工場ができる前は大阪で、数十台の機械で生産していました。今はBIG DAISHOWAの子会社になっていますが、スイスのBIG KAISER 社のある商品を立ち上げるために生産を淡路工場に移しました。このタイミングで、ユーザーや商社の方々に向けた淡路工場の工場見学を開催しました。工具はその業界のプロが使うものです。ユーザーに工具を作る過程を見てもらう、実際に使ってもらって良さを実感してもらう、買ってもらう、というスタイルをつくりました。工場見学の場だけでなく、工場までの行き帰りの時間や、食事を一緒にするなどを通してユーザーや商社と仲良くなり、工場見学が終わった後も訪問しやすい状態をつくり、1ユーザー、1ユーザー獲得していきました。他のメーカーはこのようなことはしていませんでしたね。地域に1件、BIG DAISHOWAのユーザーができると、ユーザーの横のつながりですぐに広がっていきました。ユーザーの横のつながりはすごいですね。良いものは噂が広まって、新しいユーザーが買ってくれる、この流れがだんだん広がっていき、噂が商社にも及んで、相乗効果がありました。これを30年続けています。

二点目について教えてください。

営業だけではメーカーは成り立ちません。創業当時から製品の精度の良さにこだわってきました。私が入社した30年前ですと、当時の業界での精度は0.01mm台でしたが、その時代にBIGはミクロンの世界、0.001mmの精度に取り組み、ミクロン台の誤差におさまった製品の製造で先端を走っていました。私たちの商品はマシニングセンタに取り付けられて初めて精度の良さを発揮できます。30年前にマシニングセンタが登場しましたが、当時はまだ、マシニングセンタがそこまでの精度を持ち合わせていませんでした。マシニングセンタがある程度荒削りして、最後に職人が技で仕上げる、「ミクロン精度の製品を作る=職人の技」だったんです。2000年に入ってから、マシニングセンタの高精度化、高速化が進み、このタイミングから、より高精度なツーリングを展開するようになりました。ただし、生産のノウハウを確立するには苦労もありました。当時はできた製品を精度ごとにランク付けし、販売していましたが、規格外の製品が数万個出てしまったこともあります。高精度な製品を提供するのが私たちの仕事だ、という思いから規格外の製品は全て廃棄しました。現在では安定して精度の高い製品を生産する仕組みが整い、さらに上の精度を目指して、日々試行錯誤しています。

三点目は何でしょうか。

大きな転換となったのはビッグプラスという規格を開発したことです。ツーリングと機械の接地面を増やしたこの新技術は特許も取得しています。

上図は、上半分が機械側、下がツール側を示し、左はBIG DAISHOWAのツーリング、右は既存のツーリングを示しています。従来のツーリングは機械とツーリングの間に隙間があります。ツーリングはツールと組み合わさって何万回転もします。この隙間があると、遠心力や加工物からの反発力でツーリングが機械の方向に向かって奥に入ってしまいます。例えばツーリングが1mm奥に入ってしまうと、コンピュータ上で10mmの穴をあけるプログラムを動かしても、実際には9mmの穴ができ、誤差が生じます。そこでこの隙間を機械と密着させることでツーリングを安定させるとともに、隙間がなくなることで、回転によるツーリング自体のぶれも減らしました。ただしこの方式を採用するには工作機器メーカーに設計仕様を変更していただく必要があります。工作機器メーカー各社へ、この新しい寸法のツールが取り付けられるよう仕様変更を依頼しましたが、すぐには受け入れてもらえませんでした。そこで、工作機器を買うユーザーがBIGの仕様を指定してくれたらいいんだと考えました。BIG DAISHOWAの精度の加工がしたいのでその仕様の加工機械を用意してくれとユーザーから言ってもらい、それが一件一件増えていって、工作機器メーカーもユーザーごとに機械を作るのは大変だということで、当社の仕様が標準になりました。今やBIG DAISHOWAの独占状態です。BIG DAISHOWAのツーリングが使えないならあなたのマシニングセンタは買いませんよとおっしゃってくださるユーザーもいるほど、当社のツーリングの精度がよかったんです。

四つ目のポイントは何でしょうか。

ただ単に良い製品が作れるだけではだめで、ユーザーにとってはツーリングがすぐに手に入る状態でなければなりません。そのために在庫の確保や物流体制の整備に努め、BIG DAISHOWAに言えばすぐに手に入るという状態を用意しました。機械加工の世界は複雑です。加工したい物の材料も違いますし、材料が金属といっても、その素材はいくつにも分かれています。加工に対してどのような刃物を使うのかによっても、そもそも使用する加工機械によっても扱う工具が異なります。膨大なパターンの工具が必要になります。デパートのように何でも揃っている状態をつくることに努めました。当社は他メーカーも同様に製造する規格品もたくさん製造しています。在庫がしっかりしているというイメージから、いちばんに当社に話が来る、規格品も当社に注文が来るようになりました。すべて相乗効果ですね。

御社は20~30の新製品を出されていますよね。どのように製品開発を行われているのでしょうか。

JIMTOFという日本国際工作機械見本市を目がけて新製品を企画しています。見本市では、ユーザーは新製品や新製品ラインナップの傾向、最新の工作機械の技術を見に来られます。そのような中でユーザーからは、「BIG DAISHOWAは新製品を毎年たくさん出すメーカー」というイメージを持っていただいています。中には「BIG DAISHOWAの新製品を見れば業界の動向が分かる」と言ってくださる方もいらっしゃいます。それだけ新製品の開発には力を入れています。社内では開発会議を2か月に一回開催していて、社長、営業部、技術部、製造部が集まって新製品の提案書を一枚一枚審議します。全体の1割から2割の提案書が採用されますが、新製品の設計から試作品のテスト、生産までのサイクルを繰り返して見本市で披露します。現在は新製品の開発部門を専任で置いていて、さらに開発サイクルを速め、競合優位性を高めています。お客様が持ってくださっているイメージ、「新製品のBIG DAISHOWA」を守り切るために、2年に1回、確実に20~30の新製品を発表します。

御社はツーリングの製造だけではなく、システム開発にも力を入れていらっしゃいますよね。

実は、システム開発は30年前からやっているんです。工具のデータを組み込んだICチップを埋め込み、ツーリングが工作機械に取り付けられると勝手に情報が転送される仕組みです。この技術が今、伸びてきています。ユーザーにそれぞれ対応したシステムのソフト開発も行っています。私たちの業界では、工具を機械に取り付けた後の作業は自動化されています。しかし、それより前の作業の自動化まだ進んでいません。ツーリングにつける刃物の選定は熟知した人しかできず、工具を機械に取り付け、加工方法を指示しなければ加工機械は動きません。このような中で、一つ一つのツーリングにデータを組み込み、そのデータを見ながら工作機械にセットし、スタートボタンを押したら作業完了、このようなシステムを私たちは開発しています。手間が全然違いますよね。最近では稼働率ほぼ100%のユーザーが出てきましたし、多品種少量生産加工を無人でするユーザーも出てきました。この分野は今後ももっと拡大していくと思いますね。

御社は自己資本比率がかなり高く、無借金で安定した経営をしておられますよね。そういった意味で、堅実で真面目な社風を感じるのですが、いかがでしょうか。

はい、真面目です。採用においてもそのような資質をお持ちの方を選んでいますね。営業のポリシーになるのですが、営業の人材を採用した時、他メーカーの悪口だけは絶対に言うなと教えています。ユーザーが他のメーカーの工具を使っていて、そのメーカーの悪口を言われれば気持ち良くないですよね。だから他社の製品の悪口は一切言わない。我々の製品のPRだけしなさい、ということをずっと言っています。真面目に、また素直で謙虚に、これが当社の人材に対するポリシーです。

一方、手を挙げたら誰でも新製品開発をさせてもらえる文化があるとお聞きしました。

自分が考えたもの、ユーザーのニーズをくみ取って改良を加えたものが商品になった時の感動はものすごいですよね。その製品は自分の子どもみたいなもんじゃないですか。売る気力も全然違いますよね。若手でもそういう発案をして、認められれば製品化する流れがBIG DAISHOWAの文化、社風として根づいています。

これからご応募される方へメッセージをお願いします。

BIG DAISHOWAでは、活躍の場がドイツ、スイス、アメリカ、中国など、どんどん海外に広がっています。加工機械メーカーの輸出額の海外比率が伸びていく中、当社のツーリングが使われる場所も海外になっていきます。国内の売上金額に近い額を海外でも売り上げていこうとしています。世界に向けて当社がこれからさらに成長する中で、一緒に成長を実感してほしいと思います。

私は30年以上営業をやってきて、今、管理部門を見るようになって思うのですが、当社は急激に成長した企業でありながら、社員の定着率は非常に高いですし、辞める人もほとんどいません。それに甘んじることなく、BIG DAISHOWAで働いてよかった、満足のいく仕事ができてよかったと言ってもらえるように取り組んでいきたいですね。

本⽇は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。

 

―担当コンサルタントより―
今回、改めてBIG DAISHOWA社が日本シェアNo.1となった背景を知ることが出来ました。技術力だけでなく、地道な営業活動、在庫の確保、全部門が協力をして現在のポジションを確立されたことを知りました。改めてBIG DAISHOWA社の魅力を知り、ますます好きになりました。今後は担当コンサルタントとしてBIG DAISHOWA社の魅力を今まで以上に色々な方へ感じて頂ける様にしていきたいと思います。お忙しい中、お時間を頂き貴重なお話をありがとうございました。

この取材は私が担当致しました
株式会社タイズ コンサルタント 大谷 浩之

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