優良企業です。

不二製油社は、油脂、お菓子やパン、チョコレートなどの原料、そして大豆を原料とした食品素材を提供する日本有数の食品素材メーカーです。
顧客は食品メーカーやコンビニエンスストア。
たとえば、ある菓子メーカーが「口どけが良く、手に付かないチョコレート」を欲しがっていれば、開発し、納入します。
つまり典型的なBtoB企業で、おそらく、知らない間に不二製油社の製品を使った飲み物、食べ物に接しています。
（チョコレートの生産量は年間4万トンから6万トンぐらいで、日本一多いです。アイスクリームの周りに付いているチョコでは7割ぐらいのシェアで、カップラーメンに入っている“揚げ”も、ほとんど不二製油社の製品です。）
最近では、「ナチュラルとうふ」でお馴染みの相模屋食料と業務提携し、同社のユニークなとうふ製品の原料を提供しています。

【社是「不断の革新を断行する」が表す歴史】
同社は油脂メーカーとして最後発であり、先発が押さえていない原料や市場の隙間を探し、培った技術力で、差別化して生き残ってきた会社です。
1973年マレーシアに現地との合弁会社設立するなど早く嘉新海外に進出していますが、それしか生きる道がなかったとも言えます。当時、日本の油脂マーケットに進出しても勝てず、海外の産地は押さえられていて原料もありませんでした。従って、処理が大変だと他社が相手にしなかったパーム油を探し出し、産地を見つけ出し、その処理のために様々な技術を磨くことになりました。その結果として、革新的企業となりました。不二製油のDNAには「変化しないと生き残れない。あがいてあがいて常に変わり続けろ」と、書いてあるはずです。

【大豆で狙う「食品界のインテル」】
同社は他の油脂メーカーとは異なり、創業当時から大豆事業を手掛けています。
大豆は一年間安定した供給が期待できて、栄養価も高い頼もしい植物であり、今後人口増加に伴う食量不足問題に伴い、「肉食から植物のタンパク質シフト」が言われる中で、その中心として活躍できる潜在力持っています。
（大豆事業については同社の実質的な創設者である西村政太郎という方が「大豆蛋白事業」としてスタート。三方よしの売り手よし、買い手よし、世間よし、を心得とした近江商人の末裔の、滋賀で生まれた方でした。約50年近く初めは全く儲からなかった事業を我慢強く続けてきており、目先の利益に追わない、強さを持った企業とも言えます。）

【特殊な製法で大豆の加工に成功】
豆乳は牛乳と違い、脂肪分やタンパク質を分離することが難しいのですが、低脂肪豆乳と豆乳クリームに分離することに成功しました。乳業は、牛乳をクリームやバターと脱脂乳に分けたところから繁栄が始まりましたが、豆乳も分離できたことで“豆業”も商品の分野が広がっています。